
異文化や多様性って何だろう? 黒崎の「多文化ヒューマンライブラリー」に参加してみた【北九州市八幡西区】
(アイキャッチ画像:「ヒューマンライブラリー」開催の様子 画像提:北九州国際交流協会)
真の「リアルジャパン」を求めてYouTuberに?
最後に訪ねた「本」は、ブランドン・モスコーニさん。両親はフランスとポーランドにルーツを持つ移民家庭で育ったそうです。イギリスの大学では数学を学び、卒業後はIT企業に就職しましたが、仕事に興味を持てずにいました。
そんな中、幼い頃から関心のあった日本に旅行する機会を持ちます。飛行機が日本に着くまでは「日本語が通じなかったらどうしよう」と不安で一杯だったそうです。
東京や京都、広島、鹿児島を巡るうちに日本での生活に興味を抱き、日本の外国青年招致事業「JETプログラム」に応募し、めでたく採用されます。勤務地が「鞍手」と知り、「クラテ? それどこ?」と、戸惑いながらも、最終的にオファーを受けることにしたそうです。

東京での研修後、鞍手に到着。自分を含め欧米人は2人しかいない小さな町で、小さなアパートの部屋を借りました。
そんなある日、盆踊りで町の人々にビールやごちそう攻めを受け、大歓迎されることに。この時に「リアルジャパン」を感じ入り、すっかりこの町が気に入ったそうです。
今では、町内すべての小中学校でALTとして親しまれ、生徒が彼を見かけると、「ブランドン、ハロー!」と手を振る仲になったとのこと。
北九州市は“観光客が行かないが、行くべき日本の町”
こうして鞍手に馴染んだブランドンさん、日本の他の町も訪ねてみたいと考えるようになりました。
そして、旅情を楽しむと共に動画を撮影、国の友達にも見せようとYouTubeにアップしたところ、これが予想外に拡散されることに。動画は海外で注目を集め、チャンネル「Brandon Mosconi」は登録者4000人まで増えました。
さらに、北九州市を紹介する「The Japanese City Where Tourists Don’t Go (But Should)『観光客が行かないが、行くべき日本の町』」という北九州市を紹介する動画も作りました。
画像提供:北九州国際交流協会対話中は、鞍手のローカルな話題が特に好評で、「リアルジャパン」という視点の新鮮さが印象的でした。
また、ブランドンさんの出身国に関して、「イギリスでは、インドやパキスタンといった昔の植民地からの移民の増加に対して、排外主義の動きがあると聞きますがどうですか?」というシリアスな問いかけにも「出身国の文化と移住国の文化双方への慎重な理解や配慮が不可欠です」と強く語りました。
そして、ブランドンさんが「将来はYouTubeを本格的な仕事にしたい」と言うと、参加者からは今日の話への感謝と共に、「絶対応援します!」と声が上がりました。
今回のイベント、参加できるグループは3つまでということで、残念ながらキュウ・シウンさんの対話には参加できませんでした。シウンさんは、小倉区役所の公認カメラマンも務めているとのことでした。
地域に広がる多文化交流の輪
この「多文化ヒューマンライブラリー」は去年に続く2回目の開催となり、言葉や多様性、人生そのものについて、豊かな経験を持つ当事者と直接対話できる貴重な場となっています。
次回は、来年の開催とのことですが、この企画をきっかけに「異文化」や「多様性」を考え、様々なアイデアや行動がさらに地域に広がっていくことが期待されます。
詳しくは「北九州国際交流協会」ホームページから確認できます。
<北九州国際交流協会>
■場所/北九州市八幡西区黒崎3-15-3コムシティ3F
※2026年1月3日現在の情報です
(ライター・宮城保之)
