「平山観音院」自然豊かな隠れ里で『お寺体験』 コンサートや写経など【北九州市門司区】

(アイキャッチ画像:平山観音院)

門司区伊川、大里方面からは県道262号、小倉南区、門司港方面からは県道25号、「平山観音院」の看板を目印に川沿いに5分程進んだ先に「平山観音院」はあります。

山藤やつつじの花が咲き誇る4月30日、平山観音院を訪れた様子を紹介します。

同院へ進む道中には、長閑な田園風景が目に美しく、小川のせせらぎや蛙の鳴き声が心を癒してくれます。駐車場から目的地に向かう途中、ヤギさんが出迎えてくれてほっこり。

平山観音院とは

十一の顔を持つ十一面観世音菩薩を本尊とし、江戸時代に建立されたという「平山観音院」。

昭和16(1941)年、高野山の直轄寺院、高野山真言宗門司別院となり、昭和22(1947)年に正式に寺号「平山観音院」となりました。

本堂は昭和41(1966)年に建立。寺伝によると、この地は壇ノ浦の合戦に敗れた平家の落人が住み着き、観音院・釈迦堂・お宮などを建て、壇ノ浦に沈んだ人々の供養をしてきた場所であるとのことです。

境内には滝場、本堂の横には岩清水の「お乳水」があり、この岩清水は九州の名水として多くの参詣者の喉と心を潤しているといいます。

本堂内の石造り厨子の扉に十四菊花章と共に文政11年8月吉日奉納とあります。また、境内の石灯篭に寛政8年寄進とあり、このことから200年近く前より霊験あらたかな霊場であったことがうかがえます。

郷土史によれば、平山観音院より下って1キロほどの場所に万隆寺という寺があり、その奥の院として、修行の場としての滝の観音堂があると記されています。

湧水「お乳水」の伝説

本堂の横にある湧水の井「お乳水」は、おおそよ800年前、寿永3年の壇ノ浦の合戦で敗れた平家一門の落人の乳母が大切な姫君と世の母親のために祈りを込めたという伝説の岩清水と言い伝えられています。

門司の秘境にこんな名水があるとは! とても清らかな心地のよい場所でした。

四季折々、美しく豊かな自然を感じられる境内

境内には、池の周りを1周するお参りの道があり、道沿いにもさまざまな草花が癒してくれます。

春のつつじ・藤、夏の睡蓮、秋の紅葉、冬の雪景色・ろうそくまつり(12月31日)と、四季折々、美しく豊かな自然を感じられる場所です。

訪問時は新緑に山藤が溶け込んでなんとも言えない風情。

また、もみじの青葉からの木漏れ日がとても心地よく感じました。これからの季節は本殿裏手の斜面を紫陽花が彩るそうです。

本堂は現在改修中のため、ご本尊の観音様は池の上の客殿に祭られているとのこと。毎月17日護摩の修法により、祈願、供養が行われていますが、改修期間中は、客殿で法会をされているそうです。

コンサートや食事会など 客殿で「お寺体験」

「客殿」は祈りの場であると同時に、こころのやすらぎの場所でもあり、たくさんの人が集まり、楽しむ場所でもあるという理念から、「お寺体験」としてコンサートの会場や会議、食事会など目的にあわせて利用が可能です(要問い合わせ)。

来訪時は沖縄の民謡ユニット「ネーネーズ」に在籍していた、こやまよしこさんを招いてのコンサートが開催されており、新緑の中、滝の音や吹き抜ける爽やかな風、自然を感じながら唄とともに祈りをささげるような、心洗われるひとときを過ごすことができました。

そのほか、法話や瞑想、茶話会などあわせて1時間半の「瞑想教室」、心を静め般若心境を一巻写経する「写経体験」(約1時間)などもあります。

お寺での瞑想や写経はなんとなく気後れしていましたが、この場所でならば体験してみたい!という気持ちに。次回は紫陽花を愛でながら心静める時間を持ちたいと思いました。

5月27日にはコンサート開催予定

「お寺体験」の一環として、5月27日(土)午後2時からは、「wind rumor shanti concert」ウィンドルモアやすらぎの風コンサートwith前田博美と題して、門司区在住のアコーステックユニット「wind rumor and blissball」と沖永良部シマウタの伝承者、前田博美氏とのスペシャルなコンサートが開催予定です。

コンサートへの参加は要予約。申し込み・問い合わせは「wind rumor music」(TEL090-3733-3871)へ。

【平山観音院】
■住所/門司区伊川2358-2
■受付時間/要問い合わせ(TEL093-481-0999)
■駐車場/あり(10台)

※2023年5月25日現在の情報です

(ライター・kohalu.7)

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