北九州市の人口減少数 全国ワースト1位はいつから?

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総務省は11月30日、令和2年国勢調査「人口等基本集計」を公表しました。これによると、人口増加数で福岡市が東京23区(特別区部)に次ぐ2番手となった一方で、人口減少数は北九州市が最も多いことが分かりました。

2020(令和2)年の北九州市の人口は93万9029人。前回の国勢調査が実施された2015(平成27)年から20年までの減少数は2万2257人でした。福岡市の人口は同期間で7万3711人増え、161万2392人となりました。

そもそも全国的に見れば人口は多い

北九州市の人口減少数が全国で最も多くなるのは、今回が初めてではありません。国勢調査は5年ごとに実施されますが、2005(平成17)年国勢調査(2000年〜05年の減少数)から4回連続でのワースト1位です。

2005(平成17)年国勢調査 99万4000人(1万8000人減)※公表数値の最小単位が「千人」
2010(平成22)年国勢調査 97万6846人(1万6679人減)
2015(平成27)年国勢調査 96万1286人(1万5560人減)
2020(令和2)年国勢調査 93万9029人(2万2257人減)

人口減少数ワースト1位と聞くと、どうしてもネガティブな印象を受けますが、そもそも北九州市は全国的に見れば比較的人口の多い都市と言えます。2005年国勢調査で100万人を割ったものの、20年現在で約94万人の人口を有しており、これは県庁所在地を除く都市では神奈川県川崎市に次ぐ第2位です。

全国的な「一極集中」の状況を鑑みれば、県内に福岡市の存在もあり、一定の減少があるのは当然と言えるかもしれません。

若者を呼び込む「New U」プロジェクト

北九州市はこうした状況をただ黙って見ているわけではありません。さまざまなシティプロモーションや移住施策を実施しており、流入の増加及び流出の低減に努めています。

北橋健治北九州市長(左)と北九州市クリエイティブディレクターの下川大助氏

今年7月には、新たな都市ブランド「New U」を発表。「あたらしいことを、はじめやすい都市。福岡県北九州市。」をコンセプトとして、ビジネスや暮らし、⼦育てなど新しいことを始めやすい環境であることをPRしています。

同プロジェクトの目的は、若者世代の定住や移住の促進、若者の力で都市の魅力を向上させること。ターゲットは10代~30代の若年層です。

これまで地方創生に関する事業ごとに発信されていた各プロモーションについて、今後は「New U」プロジェクトに集約することで、北九州市の魅力や都市としてのポテンシャルを効果的に発信していくとのことです。

人口を急増させることは難しいですが、こうした情報発信を地道に続けていくことが、10年後20年後の街づくりにも影響するでしょう。5年後の国勢調査ではまだプラスの影響は少ないかもしれませんが、どういった結果が出るのか今から気になるところです。

※2021年12月10日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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