
「交流の場を楽しんでほしい!」黒崎の活性化に努める大学生/グリーンバード北九州・黒崎チーム
(アイキャッチ画像:「グリーンバード北九州・黒崎チーム」3代目リーダーの2人)
今回は「グリーンバード北九州・黒崎チーム」にお邪魔しました。
黒崎のリーダーを務める大学生2人の熱意が八幡西区黒崎の活性化につながっている様子をお伝えします。
グリーンバードとは?
グリーンバードとは、“「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに誕生した原宿表参道発信のプロジェクト”(注1)。
各地域でお掃除活動を行うことで地域の環境維持に貢献しています。
“「ゴミやタバコをポイ捨てしない。」と<宣言>すれば誰もがgreen birdのメンバー”(注1)であるとして、全国各地に拠点を置いており、グリーンバード北九州には折尾・小倉・北方、そして黒崎の4チームがあります。
今回はその中の黒崎にスポットライトを当てました。
3代目のモットーは「楽しんでもらう!」
グリーンバード北九州の4チームの1つである黒崎は学生団体として2015年に立ち上げられ、今は3代目のリーダーが運営をしています。
黒崎の3代目リーダーを務めるのは、去年の4月に就任した大学2年生の平上侑樺さんと河村優輝さん。
各代のリーダーによって色が違っており、1代目から黒崎のサポートをしている寺下良真さんは、「2人はコース決めなどの細かい準備がすばらしい」と平上さんと河村さんを褒めます。

(左から)河村優輝さん、平上侑樺さん、寺下良真さん
就任してから今日までの1年間のお話を伺うと、当日の運営や事前準備などを全て2人で行いつつ、「いかに多くの参加者に楽しんでもらうか」を常に考えていたことが分かります。
リーダーの2人は、元々小倉チームの活動に参加していたことがきっかけで黒崎のリーダーに誘われました。リーダーに就任した当時は黒崎の活動に参加したことがなかったこともあり、参加者が1桁ということもあったと言います。
去年の模索期間を経て、2人が築く3代目の黒崎には彼女たちならではの色が多くあることがインタビューを通じて見えてきました。
最近では参加者が2桁を超えてきたと嬉しそうに話してくれた平上さん。より多くの参加者に楽しんでもらうための工夫や、活動に対する想いを伺いました。
誰かとボランティアをすることが楽しい
平上さんはイベントごとや北九州のまちが好きだと思い始めたことをきっかけに、「北九州のまちに何ができるか?北九州でボランティアをすれば自然とまちの活性化につながる!」と考えたそうです。
「『誰かとボランティアをすることが楽しい』という同じ価値観を持った人と話すことが楽しいんです」と話す平上さん。
「ボランティアをすることでその場で出会った人たちと仲良くなれることが有意義な時間」だとも話してくれました。お金に変えることのできない価値を自らが体験することで、その環境にいる人も巻き込んで楽しい場を作っているようです。
任期が終わる3年後までには参加者を40人にすることが目標だと平上さんは言います。
より多くの参加者に楽しんで参加してもらうための工夫を伺うと、そこにはリーダー2人の「みんなが仲良くできる交流の場を楽しんでほしい!」という想いがありました。
1桁だった参加者を増やすためにSNSなどを使って知人やボランティアに興味のある人に参加してもらうことで、まずは黒崎の活動に参加したことがなかったリーダー2人が楽しめる環境を作ったそうです。
そこから季節のイベントに合わせたアイデアや名札の作成などを試みて徐々に参加者が増えていき、取材に訪れた2022年4月4日の活動日には参加者が20人も集まっていました。
リーダーを1年間やってみて自分への変化を平上さんに尋ねると、「元々話すことが苦手でしたが、『私は黒崎のリーダーだから』と考えると初対面の人でも話せるようになりました」と言います。
平上さんが小倉チームの活動に参加した際にすぐに名前や顔を覚えてもらえたことが嬉しかったため、自分自身もそうすることで参加者と一番多く話して楽しんでもらおうと考えたそうです。
夜桜の下で飛び交うコミュニケーション
今回は、そんなリーダーの想いがある黒崎の活動に実際に参加してみました。
当日の参加者は学生や社会人など年齢も職業もバラバラ。
アルコール消毒や備品の用意、そしてその日から新しく始まった取り組みの「スタンプカード付きの名札」の配布などをリーダーの2人は笑顔でコミュニケーションをとりながら行っていきます。スタンプカードも「また参加したくなるように」と考えたアイデアの1つだそうです。
「桜並木を通りたい!」という平上さんの希望で活動コースに取り入れ、参加者の皆さんも春満開の夜桜を楽しみながら活動を行いました。
諸連絡が終わると2チームに分かれて黒崎のまちを歩きながら1時間半ほどのお掃除活動を行いました。
中でも特に多かったものはタバコのポイ捨て。参加者はゴミを見つけるやいなや、瞬時にトングで掴みに行きます。
合流地点への集合がチームごとにズレると、「チーム分けや時間配分が次回の課題ですね…」と課題点を見つける河村さん。常に参加者に楽しんでもらうことを考えているようです。
活動中はカメラを持った参加者が桜の下や松並木の近くで写真を撮影してくれたり、参加者とのコミュニケーションをしたりしながら和気あいあいと楽しくまちをきれいにしていきます。
当日の初参加者は筆者を含め3人。緊張していたのも束の間。
参加者同士で自然と話しかけたり話しかけられたりという場面が多く、リーダーが思い描く「活動を通して楽しんでもらう」という黒崎の想いが実際の活動に表れていました。
お掃除活動はゴミ拾いでまちをキレイにしていくだけでなく、「ゴミ拾いをしている所には捨てにくい」という意識を持たせることでポイ捨ての予防にも繋がっていると平上さんは言います。
インタビューの際、お掃除活動をしていてまちの人から声をかけられることはあるか尋ねると「結構あります」という答えが返ってきました。実際に筆者が参加した日も桜並木の下ですれ違った親子と「こんにちは」と挨拶を交わしたことも印象に残っています。
お掃除活動と聞くと堅いイメージを持つかもしれませんが、そうではありません。
ボランティアに興味のある人だけでなく、日常の交流の場として楽しむ環境を学生が日々試行錯誤しながら作っているのがグリーンバード北九州・黒崎チームです。
3年後のリーダーの任期終了までどんな風に活動していくのか楽しみです。
活動内容については、「green bird」公式HP、「green bird」公式Twitter、「黒崎Yakata」公式Instagramで見ることができます。
★green bird
2003年 法人設立、表参道で活動開始
2013年 グリーンバード北九州が発足
2015年 グリーンバード北九州の1拠点として黒崎チームが活動開始。シェアリングスペースの「黒崎 Yakata」を拠点に活動
注1:https://www.greenbird.jp/about (“greenbird|グリーンバードとは? – ゴミ拾いボランティアのNPO”)
※2022年4月25日現在の情報です
(ライター・abc.hikari)