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これからの「映画の街・北九州」をみんなで/北九州フィルム・コミッション事務局・片山健太郎さん

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

コロナ禍での映画撮影

甲木:先週は、フィルム・コミッションの片山さんに面白い話を伺いましたね。

横山:はい。エキストラってうらやましいですね。僕らも応募したんですけど…。

甲木:私たち、落ちていましたね。

横山:撮影もいつの間にか終わっていました。

甲木:エキストラは、非現実的な世界や今とは違った時代の映画にも出られるので、きっと楽しいんでしょうね。

横山:楽しいでしょうね。

甲木:今度こそ、エキストラに当たりたいですね。ということで、今日のゲストは先週に引き続き、映画などのロケ誘致や撮影支援を行っている北九州フィルム・コミッションの片山健太郎さんです。よろしくお願いします。

片山:よろしくお願いします。

横山:よろしくお願いします。

甲木:先週は、フィルム・コミッションのお仕事や、映画イベントについてお話しを伺いました。今、コロナ禍でなかなか人の行き来が難しいんですけど、こんな中でも映画の撮影は行われているのですよね?

片山:2020年4~6月くらいは撮影が完全に止まっていました。しかし、それ以降は、映画業界の感染対策ガイドラインを守り、コロナ禍で蓄積した撮影ノウハウを生かすことで継続出来ています。また、エキストラの中には、感染対策がされているかを不安に思っている方も多いので、安全な撮影現場を実現することが重要な仕事の一つになっています。

特殊で独特な分野の仕事

甲木:ところで、片山さんは市の職員ですので、フィルム・コミッションに着任される前は他の公務員の仕事をされていたのですよね?

片山:そうです。北九州フィルム・コミッション(FC)は市の職員でやっていますので、私もここに異動する前は、映画と全く関係ない部署である「子ども家庭局」で、子ども施策を推進する仕事をしていました。だから、内示が出た時は戸惑いました。

甲木:前の部署とは全然違いますね。

片山:全く違いますね。市役所の業務自体は結構幅が広く、全く違う職場への異動は多いのですが、その中でもFCはちょっと特殊で独特の分野なので、最初はびっくりしました。

甲木:元々、映画を好きだったんですか?

片山:映画は好きだったんですが、観ることが好きで。映画を作りたいとか、監督やスタッフになりたいというような気持ちはありませんでした。最初、FCの仕事のイロハも全くわからず、いろいろ苦労しました。

甲木:そういう時は、先輩に仕事を習うのですか?

片山:FCの仕事は結構経験が大事で、「習うより慣れろ」というところがあります。一つでも多くの作品を現場で支援することで、仕事を覚えていきます。「今回の撮影だったらちょっとここを注意しないといけない」など、経験を積むことによって見えてくることが多いです。最初は全くわからないですけど、1年、2年やっていく中で徐々に慣れてきて、最近は、仕事の面白さも感じるようになってきたような気がします。

皆と一緒に目指す「映画のまち」

甲木:北九州のFCも32年目で、全国の中でも草分け的存在だと思うのですけど、今後の新たなFCをどのように考えていらっしゃいますか?

片山:2021年11月に行った映画イベントを元に、「やっぱり映画のまちってこうだよね」というものを作ってきたいと思います。私たちだけではなくて、映像制作会社の方々や、支えていただいている市民の皆さん、エキストラの方、ロケ地の方々と、いろんな対話を繰り返しながら、皆で映画のまち北九州を目指していきたいです。きっと、映画のまちのイメージは人によっていろいろあると思うんです。映画をいっぱい撮っているまちだったり、全国と比べて映画を観に行く人の割合が多いまちだったり。映画祭をきっかけに、そんな目指すイメージを皆で話し合って、もう少しクリアにしていきたいと考えています。

甲木:なるほど。市役所が誘導して「こういうまちなんです」って言うのではなくて、市民が一緒に考えるということですね。その方が、目指すイメージが、自分たちのものとしてずっと続きますよね。

片山:はい。そうです。映画撮影はFCだけでやっている活動ではないので、携わるいろいろな方々と、これまでを振り返ってこれからを見据える。映画祭を、そのひとつのきっかけにしたいという思いがあります。

甲木:2週間にわたり、北九州フィルム・コミッションの片山さんに話を伺いました。横山さん、いかがでしたか?

横山:片山さんがおっしゃった「これからの映画のまち北九州」というのが良いなと思いました。僕の中にある「映画のまち」って、FCが32年間活動されたことで「たくさんロケ地になっているまち」というイメージなんです。しかし、この先はただそれだけではなく、勿論、ロケ地誘致も続けていかれるのでしょうけど、片山さんが言われたような、人口あたりの映画鑑賞人数が全国と比べて多いというようなことも、次の展開で目指す姿としては、すごく素敵だと思います。

片山:横山さんの言われるとおり、「映画が撮られるまち」というのがベースにあります。それは、今まで過去の先輩方がFC活動することによって、業界の方々から評価されてきたものです。北九州に行けば何とか撮影が成立するということで、いろんな映画が撮られるベースはできました。これからはその上に積み上げるもの、それを皆さんと一緒に作っていきたいです。

甲木:これからがますます楽しみです。どうもありがとうございました。

片山:ありがとうございました。

〇ゲスト:片山健太郎さん(北九州フィルム・コミッション事務局)

〇出演:甲木正子、横山智徳(西日本新聞社北九州本社)

(西日本新聞北九州本社)

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