誰かの『一歩』を応援する学生カフェ「cafe ippo.」【北九州市小倉北区】

(アイキャッチ画像:玉城さん〈右から2番目〉らippo.2代目のメンバーの皆さん)

今回取材に向かったのは、小倉北区の「cafe causa」の中にある学生カフェ「ippo.」。

毎週土曜日のみ「cafe causa」を間借りして「ippo.」として営業しています。5月21日にリニューアルオープンし、新しくなったippo.の2代目のメンバーと株式会社 Mahal.KitaQ(マハルキタキュー) 代表・宮坂春花さんにお話を伺いました。

2代目のメンバーでリニューアルオープン

ippo.という名前は、「大学生にとって何か踏み出す一歩になりたい」という思いを込めて1代目のメンバーによって名付けられました。昨年9月にオープンし、今年5月にはリニューアルを経て2代目のメンバーに引き継がれています。

ippo.は宮坂さんが代表を務める株式会社 Mahal.KitaQの中の事業の一つで、インターン生が「カフェをやりたい」と言ったことを皮切りに1代目が始まりました。

学生が新しいことを始めたり様々なことにチャレンジしたりするための応援する場所・環境・きっかけを作りたいと思い、「学生の居場所」になれるような学生カフェを始めようと宮坂さんは考えたそうです。

栄養学生が作るヘルシーなランチプレート

ippo.としての基本的なコンセプトは一緒でも、「運営する人が違えばお店の雰囲気が変わる。その子達にしか出せない雰囲気があるから来る人も変わる」と宮坂さんは言います。

そんなリニューアルされたippo.のメニューについて、2代目の店長である・玉城さんにお話を伺いました。

今回のメインメニューは「ヘルシーランチプレート」。「好きなもの 食べたいものを我慢しない空間を」という思いを込めてメニューの開発がされています。

取材時のランチプレートは、クロックマダム・豆乳のクリーム煮・小松菜のしらす和え・春野菜のサラダの4点セットで 1000円(※上記メニューは2022年6月までの提供、7月からのメニューは「cafe ippo」公式インスタグラムで確認できます)。

クロックマダムは本場・フランスでは小麦粉を使ったホワイトソースを使いますが、ippo.では豆腐のホワイトソースにすることでカロリーを大幅に抑えています。他にもビタミンBが豊富な小松菜や、日本人の摂取量が年々減少していると言われているカルシウムを含むしらすをメニューに取り入れるなどして工夫がなされています。

このランチプレートを開発した経緯には、玉城さんが栄養学を学んでいることにルーツがあります。

玉城さんは「食」について学んでいく中で、病気を考慮した制限のある食事はあまり美味しいとは言えなかったり、食べたいものを食べられなかったりする人がいるという現実を知ったそうです。そこで、病気のある人やヘルシーに食べたいけど方法がわからないという人のために、学んだ知識を還元したいと思いランチプレートの開発を始めました。

思いもツナグ…!

玉城さんはリニューアル前は元々、一お客さんだったそうです。

「1代目の店長の思いやカフェの空間に惚れたんです!」と語ってくれました。お客さんとして来た際に「もし自分でもできるのならやりたい!」と思い、自ら志願したそうです。玉城さんの他にもSNSでippo.の活動を知り自ら志願したメンバーがいます。

まさに「何かを踏み出す一歩に」というカフェのコンセプトを体現するかのごとく、1代目から2代目へとippo.の思いも引き継がれているようです。

「楽しいだけじゃない」学生運営のリアル

宮坂さんは新しいことをやりたいという人は多いものの、同時に結果が出なければ続けることができない人も多く見てきたと言います。学生時代にMahal.KitaQを学生団体として立ち上げた宮坂さんは、やりたいことで結果を出すことの喜びや大変さを知ったからこそ、学生の段階からそれらを味わってみてほしいと考えているそうです。

ippo.は学生の「やりたい」を形にしていますが、実際のカフェ運営は「やりたい」という気持ちのみでは続けられないというのが現実だとか。続けるためにはサービスの対価としてお金をいただくことに対し、「お客さんのために何ができるか」を考え続けることが必要だそうです。

取材に伺った際には、運営メンバーがお客さんのために工夫している様子も伺えました。キッチンのコンロを使うとお客さんに背を向けたままにしてしまい、お客さんが入ってきたことに気づかなかったことがあったそうです。そこで、キッチンに2人以上立つ場合は必ず誰か1人がお客さんの方に顔を向けながら調理するという改善を得て、取材時にも実践していました。

自分のためだけでなく、誰かのためを考えながら作られている「cafe ippo.」という環境に、思いや行動に共感した人々が集まっているように感じます。

これから北九州の若者にとって新しい居場所になっていく「cafe ippo.」に注目していきたいですね。

■住所/北九州市小倉北区浅野2-12-14
■最寄り駅/小倉駅

※2022年7月22日現在の情報です

(ライター・abc.hikari)

関連記事一覧