• HOME
  • 記事
  • イベント
  • 北九州市内全域が祭り会場「キタキュンFES」開催 企画する若者に話を聞いてみた

北九州市内全域が祭り会場「キタキュンFES」開催 企画する若者に話を聞いてみた

(アイキャッチ画像:キタキュンFES実行委員会)

2月23日と24日の2日間、小倉北区の勝山公園をメイン会場に「キタキュンFES」が初めて開催されます。来場者5000人を目指すというお祭りイベントで、企画・運営を担うのは現役大学生や社会人の若者たちです。

「子どもから大人まで多くの人に楽しんでもらいたい!」「街にキュン!と恋してしまうような仕掛けでお客様をお迎えしたい!」「北九州市の魅力を最大限に発信したい!」…そんなあふれる思いを語るのは、キタキュンFES実行委員会代表の市丸裕也さん。

市丸さんに「キタキュンFES」(以下、FES)の見どころや楽しみどころ、さらにはFES開催へとつながるこれまでの歩みについても聞いてみました。

1日目は勝山公園で縁日やステージショー

開催1日目は、「勝山公園」がメイン会場。「大芝生公園」とも呼ばれ、芝生が広がる公園は小倉北区の中心街における憩いの場となっています。

その公園内で「FES縁日」と題した飲食ブースや、子どもたちも楽しめるアトリエブース、動物ふれあいコーナー、そしてステージショーなどが行われます。ステージでは、「カラオケ選手権」や「ファッションショー」、そしてフィナーレに「100人バンド」という企画が予定されています。

カラオケ選手権は、子どもからお年寄りまで一般募集でエントリーした人たちが参加予定。テーマは「多世代カラオケバトル」です。ファッションショーは「キタキュンコレクション」と題し北九州を愛し北九州に愛される若者No.1を決める、ミス・ミスターコンテストとのこと。

最後に行われる「100人バンド」は、プロアマ不問で事前応募の100人が集結し、課題曲2曲を演奏するという企画。気になる課題曲2曲は、Vaundyの「怪獣の花唄」と、ゴダイゴの「銀河鉄道999」。どちらも“キュン”とする名曲です。

(写真/「キタキュンFES」公式ホームページより)

ステージの総合MCは、タンバリンで世界を駆け回るお笑い芸人・ゴンゾーさんと、鉄道ものまね36年・元祖「電車でGO」の声・立川真司さん。芸風の異なる2人が掛け合う光景も、大きな見どころになりそうです。

入場料が必要&会場内ではオリジナル通貨「キタキュンPay」を使用

23日は勝山公園内の会場に入る場合、入場料が必要となります。一般2500円(前売り券2000円)、中・高校生は2000円(同1500円)、小学生以下は無料です。

会場内では現金は使えず、「キタキュンPay」というオリジナル通貨を使用します。「キタキュンPay」は会場にて現金購入が可能です。なお、入場料(前売り券・当日券いずれも)には「キタキュンPay」1000円分と、市内の様々な店で使用可能な「キタキュンクーポン」が付いています。

知恵×地域愛 ユニークな仕掛けの「キタキュンクーポン」

前売り券にも当日券にも付いている、お得なオリジナルサービス「キタキュンクーポン」(以下クーポン)。副代表の莉奈さんを中心に、メンバー3人の努力によって協力店舗は100店舗を超えたといいます。

昨秋より活動し、はじめは2人体制で1店舗1店舗足を運んで声掛けをしていったとのこと。途中1人が加わり、3人で計100店舗超の協力店を確保したというのだから、若者の力や情熱、ガッツに筆者は脱帽です…。

このクーポンは“レベル”が付いているのが最大の特徴。加盟店ではクーポンのレベルと同様に0~5までのサービスを用意しており、どのレベルをどの店で使うかは人それぞれ。レベルの数字は高くなるほどお得度が増しますが、使うのは「レベルの低い順から」というルールがあるので、注意が必要です。

2日目は観光型「まちなか鬼ごっこ」 交通機関を使ってOK

2日目は午前10時から午後6時まで、「まちなか鬼ごっこ」を実施します。どのような内容か聞いたところ「北九州市内全体を使った、走らない“ミッション型観光鬼ごっこ”です」とのこと。「え?走らないんですか?」と感じる斬新な発想の鬼ごっこ、そのゲーム内容についても聞いてみました。

独自に考案した「観光×鬼ごっこ」の新感覚ゲーム。そのルールは、逃走者はミッションをクリアしながら賞金を稼ぎ、もし鬼に捕まった場合は賞金は全て没収されて鬼の賞金となってしまう。鬼に捕まらず、賞金を一番多く稼いだ逃走者チームと、たくさんの逃走者を一番多く捕まえて賞金を稼いだ鬼チームのそれぞれが優勝というもの。

小学生以上であれば参加可能で、料金はひとりにつき大人3000円、小児1700円。参加費には北九州モノレールの「1日乗車券」と西鉄バスの「北九州都市圏1日フリー乗車券」、参加者の目印として着用する持ち帰りOKのオリジナルパーカーの代金が含まれます。

ゲーム実施中のやり取りで、携帯電話のLINEが必要。定員は100人までで先着順です。WEBでの事前申し込み、もしくはイベント初日に会場での申込も可能です。

実行委員会代表の市丸さんにFESまでの道のりを聞いてみた

「キタキュンFES」実行委員会代表の市丸さんは、市内の現役大学生。2年前に大学を休学してこのFES開催を企画した若者団体「CityCircle(シティサークル)」を立ち上げました。

CityCircleは「全員、市長」というマインドで、この街が抱える課題を自分ゴトとして解決へ向けて動こうという気持ちのメンバーから構成された団体です。課題を自分ゴトにして考えて活動するスタイルだそう。

(ディスカッションの一場面。写真右が市丸さん<写真提供:若者団体CityCircle>)

市丸さんは中学2年生の時に、「北九州ドリームサミット」(当時は北九州青年会議所、現在の主催は一般社団法人北九州ドリームサミット)という青少年育成事業に参加。大人たちの力を借りながら、自身の企画が実現したことに感銘を受け、街がより良く動いたことに心から感動したそうです。

ドリームサミットの体験以来、考え方が変わり行動が変わったという市丸さん。それまでは街づくりは大人がするものだと思っていたそうですが、他人まかせではなく自分ゴトとして行動することの大事さを実感。市丸さんは街で開催されるワークショップに積極的に参加し、そのうち自らも企画してワークショップを開催する側になっていったといいます。

実行委員会は60名ほどの大所帯 FESは「集大成」

キタキュンFESの公式ホームページや紙媒体であるチラシなどに触れると、企画や広報に力を入れていることが分かります。デザインや色使いなど細やかなところにも工夫がされているので、いったいこれを何人で企画しているのか気になりました。

市丸さんによると、学生や社会人などで構成された若者団体CityCircleのメンバーを中心に、各人の縁で協力を仰ぎ、総勢60人ほどで今回の企画を実行しているとのこと。まとめるのが大変そうな印象ですが、それでも可能な限り仲間で集まり、打ち合わせを重ねてブラッシュアップしていったといいます。

(ワークショップにて。後列中央が代表の市丸さん、前列中央が副代表の莉奈さん<写真提供:若者団体CityCircle>)

考案した「まちなか鬼ごっこ」は昨年夏に考案し、月に1回実行するなど試行錯誤したそう。今回のFESは、これまでに苦労し考え試してきた「集大成」ということが分かりました。

「北九州市の魅力を再発見して世界一誇れるまちを実現したい!」という実行委員会の想い、そして「キタキュンFES」というイベント名から、このFESを普段は見過ごしがちな街の魅力を再発見するきっかけにしてほしいという、未来へつづく希望や願いが感じられます。

筆者は生まれも育ちも北九州ですが、若者発信でこんな様々なプログラムを組んだ大きなイベントを企画し手掛ける団体は、これまでいなかったと思います。声掛け先は若者だけでなく、企業や役所にもわたります。彼・彼女らの勇気と努力に敬意を表しつつ、筆者は当日の参加を楽しみたいと思っています。

なお、この2日間の模様は後日、Youtubeで見ることができるとのことです。

イベントの詳細は「キタキュンFES」のホームページで確認できます。

※2024年2月21日現在の情報です

(ライター・しまだじゅんこ)

関連記事一覧