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若戸大橋のたもとで行う神事・戸畑祇園大山笠「お汐井取り」を見学【北九州市戸畑区】

(アイキャッチ画像:お汐井取りの様子)

2023年7月21日~23日にかけて「戸畑祇園大山笠」が行われましたが、4年ぶりの開催ということで多くの観客が提灯大山笠の競演会に来場し、熱気にあふれていました。

その中で筆者は今回、あまり目にしたことがない人も多いと思われる「お汐井取り行事」を見学してきましたので紹介します。

「お汐井取り」とは

「お汐井取り」と言うと有名なのは博多祇園山笠で一度は耳にしたことがある人も多いと思いますが、山笠神事にはつきものの行事で、もともと「汐井」は海辺の汐(潮)の砂や海水を取り、それで身を清めて神事に向かう、という意味合いのもののようです。

これは海に面した神事に使うだけでなく、内陸部でも川の水や砂を汲み取ることもあるようで、実際飯塚市で行われる「飯塚山笠」は妙見宮日若神社の神事でお汐井取りがあり、神社裏のその名も「汐井川」にて川砂をすくい、追い山の際に担ぎ手に撒いて怪我を避けるといったこともされているようです。

戸畑渡場横のお汐井取り場で複数行われる「お汐井取り行事」

戸畑祇園大山笠においてもお汐井取りは重要な行事で、実のところ複数回お汐井取り行事が行われています。

戸畑渡場のすぐ近くの岸壁に整備されている「お汐井汲みの場」

ちょうど関係者に話を聞くことができましたが、1度目は裸山笠(装飾をつけていない状態)の時にお汐井取りを行い、山笠と担ぎ手を清めます。その後、各神社に戻って御霊を山笠に移します。

この勾欄をつけた山笠に鎮座しているのが祠で、中に御霊を移したのちに再度この「お汐井取り場」にて山笠と担ぎ手を清めます。

北鳥旗町にある戸畑恵美須神社、西大山笠の御旅所となっている

令和5年度の当番山は東大山笠でしたが西大山笠とともに「神移し」が行われたのち幟山笠の姿で飛幡神社を出発し、西大山笠の御旅所に立ち寄ってから戸畑渡場横のお汐井取り場に向かいます。これを「大下り」と言います。

当番山である東大山笠が神主さんを載せて昼の幟山笠の姿でやってきた

大下りのお囃子に合わせてお汐井取の場まで到着したところで、突然の雨が降り出したのでこの日幟山笠は勾欄だけを残して片付けられてしまいました。

幟山笠は幕類など金糸銀糸を使ったものや、全国的にも珍しい円形の「見送り」といわれる部分も含めて雨に濡れると傷つく恐れのあるものが多いため、大切に取り扱われています。

山笠が到着するとすぐに神職の皆さんで祓い清めの儀式が行われました。

その後、祭り関係者の手によりお汐井取りがされました。

手桶に汲まれた汐水を真榊に含ませて山笠と担ぎ手、関係する皆さんをお清めして神事は終了しました。

神事の終了後、町内を廻りながら競演会場である浅生通りに戻った山笠は昼の幟山笠の装いから光のピラミッドに装いを変え、「おおたろう囃子」という戸畑祇園独特のお囃子と「ヨイトサ」の掛け声で大勢の観客の喝さいを浴びていました。

※2023年7月28日現在の情報です

(ライター・いるかいる)

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