「Namtaan」オープン 紅茶と焼き菓子を楽しむ蔵のカフェ 【北九州市小倉南区】
9月1日、小倉南区蒲生にオープンしたカフェ「Namtaan(ナムターン)」。小道の先に見える赤煉瓦の建物を目標に訪問してきました。
大正時代から時を旅してきた「蔵」の再生
同店は、店主・金石さんのご実家の敷地内にあり、大正時代には米を貯蔵する米蔵として使われていたそうです。時が過ぎ、金石さんが幼い頃には、学生寮として活用されていた時代もあったそう。
カフェブームがおきた約20年ほど前、「蔵」を活かして何かできたら…との思いが芽生えた金石さん、2021年に思いを形にするべく動きはじめ、夫婦で約2年の歳月を費やし、倉庫と化していた「蔵」をカフェへと再生されたそうです。
あたたかな日差しが差し込む明るい店内は、元の「蔵」の良さを残しつつ、ご夫婦のアイデアで所々内壁の煉瓦を削ったり、心安らぐ雑貨が飾られていたりと、店内のあちらこちらが気になり、席につくまでしばらく見入ってしまいました。
席は4人掛けのテーブル席1つ、2人掛けのテーブル席1つ、窓際の2人掛けカウンター席1つとなっていました。
どの席も素敵で迷いましたが、今回は窓際のカウンター席に。
ガラス窓からは、青空に映える緑の庭を可愛らしいちょうちょが楽しそうに飛び回る様子が目に映り、心を和ませてくれました。
お菓子と紅茶でくつろぎのティータイムを
扉を開けて中に入ると、まず目に入るのが、焼き立てのスコーンやクッキーなどの焼き菓子たち。
製菓学校で技術やお菓子に関する知識を学び、地元のパティスリーで腕を磨いた金石さん。経験を積むなかで、技術はもちろん大切、でも自身が求める本質は「家庭的で素朴なお菓子と紅茶を囲んで、友人や家族と楽しくリラックスした時間を過ごす。そんな場所をつくること」と実感したそうです。
「幼い頃、母が焼いてくれたマドレーヌが原点」という同店のお菓子はシンプルでベーシック。訪問日はスコーンが4種類で、プレーン、全粒粉レーズン、オニオンチーズ、ルアムミットがありました。
「ルアムミット?」
聞きなれない名前のため、お菓子の内容を説明してもらいました。実は金石さん、タイが大好きで、若かりし頃に何度となく訪れていたそう。「ルアムミット」はタイ語で「色々な種類が混ざった」を意味するそうで、訪問時はココア・くるみ・ドライフルーツが入ったものでした。
お店の名前「ナムターン」もなんだかエスニックな感じだなと思っていましたが、店主さんがそっと?店名にタイを忍ばせたのだとわかりました。「ナムターン」はタイ語で「砂糖」を意味する言葉。砂糖を使った甘いお菓子は、どの国においても、特別であり、日常の中の楽しみでもあり、人の心を和ませるものだなと改めて感じた筆者でした。
その他にもクッキーやサブレ、ガトーショコラ、パウンドケーキ、スパイスを効かせたキャロットケーキなどが販売されていました。
こだわりの紅茶と1つ1つ心を込めて焼きあげたお菓子たち
訪問時は立秋を過ぎたといえど、夏の暑さの残る日8月下旬。まずは、冷たいものをと、店主のきまぐれで作っているという季節のデザート「紅茶のゼリーとカスタードプリンのパフェ」をいただきました。
香りの良い紅茶とほろ苦いキャラメルが効いた昔懐かしのしっかりめのプリン。紅茶クリームやスポンジとの相性がとてもよく、温かいアールグレイティーとともに堪能しました。お菓子が盛り付けられている器や紅茶ポットも素敵で、くつろぎのティータイムとなりました。
ひんやり冷たいデザートをいただいた後は、本命の「スコーン」を。同店のスコーンは、表面はつるんとしていて、一見目のつまったかっちり系のスコーンかな?と思いましたが、食べてみると中はふわふわ、バターの風味がほのかに香る優しいスコーン。庭で収穫したいちじくのジャムとクリームが添えられていました。
「ホームメイドのおやつ」であることを大切にしているという同店のお菓子たち、食べるとほっこり幸せな気持ちになりました。
これからのこと~夢は現在進行形~
「まず第一は、蔵の雰囲気をゆっくりと楽しんでいただきたい。マイペースにのんびりと営んでいきたい。きちんとお客様をお迎えできるか不安もいっぱい…」と話す店主さんですが、カフェスペースの充実はもちろんのこと、2階に貸しスペースを作りたい!タイで仕入れた雑貨を販売したい!子ども食堂など、地域に協力できることをしたい!などなど、夢はまだまだ膨らんでいるようです。この先同店がどんな風に時を旅するのか見守っていきたいですね。
詳細はNamtaanのInstagramでご確認ください。
■住所/北九州市小倉南区蒲生(※詳細はInstagram)
■営業日/金・土
■営業時間/13:00~17:00
■駐車場/店舗前に約4台スペースあり
※2023年9月20日現在の情報です
(ライター・kohalu.7)