• 北九州のヒト!
  • HOME
  • 記事
  • 北九州をこよなく愛し熱くする『がむしゃらプロレス』が歩んだ軌跡 20周年記念大会を開催

北九州をこよなく愛し熱くする『がむしゃらプロレス』が歩んだ軌跡 20周年記念大会を開催

(アイキャッチ画像:がむしゃらプロレスの皆さん)

北九州発の社会人プロレス団体「がむしゃらプロレス」。「草野球があるなら草プロレスがあってもいいんじゃないか?」という前代表の一言をきっかけに2003年に旗揚げし、今年20周年のメモリアルイヤーを迎えました。

北九州ノコトで昨年3月から始まった所属選手へのインタビュー企画も、今回が最終回です。ラストは特別編ということで、現代表・SMITH(スミス)さんと、NIKKY(ニッキー)さんにお話を聞きました。

がむしゃらプロレス創設時から中枢となって支えてきたお二人に、今だからこそ言えるあんなことやこんなことを惜しみなく語っていただきました!

夜な夜な飲み交わし語りあった夢物語が現実に

ー20周年を迎えるがむしゃらプロレスですが、創設時から在籍しているメンバーは何人くらいいるんですか?

NIKKY:残ってるのは僕と現代表のSMITHですね。僕とSMITHと先代の矢野が同じ年齢で、創設当時は一番の若手だったんですけど、気がつけば最年長になっちゃいました。20年前に「プロレス居酒屋がむしゃら」のオーナーである矢野が、常連たちと「なにか面白いことをやろう!」と言い出したところから全てが始まったんですけど、創設の時点で15人くらいはいたんじゃないかな。

SMITH:ちなみに僕は常連だったわけじゃなくて、ある日突然バイオレンス井田っていうリングネームの当時の選手会長に引きずりこまれたんですけどね(笑)。

ーそんなふうに集まっていきなり試合ってできるもんなんですか?

SMITH:創設当初は1年に1回だけ年末に大イベントをやる感じだったので、いきなり試合だったわけじゃなく、そこに向けてみんなで練習したんです。紫川沿いの道場にあったリングで夜な夜な投げ合ってました。

NIKKY:がむしゃら10周年で自分たちの道場を持つまでは、練習場所にも結構悩まされてたんです。通ってた道場がなくなって、がむしゃら居酒屋近くの公園だったり、メディアドームの芝生の上だったり、病院の駐車場だったり、幼稚園の教室だったりを転々としてました。

ー幼稚園の教室ってすごいですね?!

NIKKY:当時プロレスラーの阿蘇山選手に指導してもらってたんですけど、幼稚園のかわいい飾りつけが視界に入る中での鬼のような特訓は、今でも強烈に記憶に残ってます(笑)。

SMITH:素人集団がお客さんの前で試合ができたのは、阿蘇山選手のおかげと言っても過言ではないですからね。2003年12月7日に、所属レスラー全員が一斉にデビューするっていうがむしゃら初の大イベントをしたんですけど、他にもいろいろスケジュールを盛り込みすぎて6時間かかったんです。

NIKKY:プロレスだけじゃなくイベントに関しても、右も左も分からなかったんでね。アーティストの方に歌ってもらったり、芸人さんに漫才してもらったり、あれもやりたいこれもやりたい!って欲張ったら長すぎたっていう。

ーめちゃくちゃ楽しそうなイベントじゃないですか!

NIKKY:おもしろかったけど、6時間はもうやらないかな(笑)。

日常では味わえない華やかな世界

ー歴代選手の中で、この人は強かった!って人はいますか?

NIKKY:まさに僕ですね!自分を超える人は未だにいないです!ずっと試合には出ていませんが、今やっても絶対勝てる自信がありますよ!ってくらいの気持ちを持っておかないと、ぶっちゃけやっていけません(笑)。

SMITH:みんなそれぞれ強みがあって、いかにその相手に合わせて動けるかっていうのが重要だと思うんですけど、しいて言うならKENTAですね。彼はケガをして試合には出られなくなったけど、昔からその強さには感心していました。

ー忘れられない伝説的な一戦といえば?

SMITH:僕自身の試合になっちゃうんですけど、がむしゃら10周年のイベントでやった<SMITH vs 林祥弘戦>ですね。林選手の強さに興奮したのはもちろんだけど、北九州芸術劇場を舞台に1000人を超える観客の前でっていうプレッシャーも相まって、アドレナリンがすごくて。あの気持ちよさは今でも鮮明に覚えています。

NIKKY:昔、クレイジージョン片山って人がいたんですけど、試合中にガチ喧嘩というか、流血しまくりの場外乱闘になっちゃったことがあって。そのときの対戦相手とかは全く覚えてないのに、その光景だけがなぜか記憶に残ってるんですよね。

ー陽樹さんと鉄生さんみたいですね?

NIKKY:そうですね(笑)。彼ら以外にもめちゃくちゃ仲の悪い人達が昔いたんですよ。あの頃はほとんどが若手で血の気も多かったからなぁ。

SMITH:人数が増えるほど合う合わないが出てくるのはしょうがないと思うんです。それでも年齢も職業も生まれ育ってきた環境も違うメンバーたちと出会えたことには、心から感謝しています。これは関係者やファンの方たちに対しても言えることなんですけど、非日常的なプロレスという世界で出会えた人達は、僕にとって何よりの財産なんです。

がむしゃらプロレスに所属しているからこそ、プロレスラーの方たちと対戦させてもらえたり、他団体の興行にも参加させてもらえたり、やってきてよかったなと思える瞬間は数え切れないほどあって、本当にありがたいですよね。

これからも北九州を背負う気持ちで

ーでは最後に、がむしゃらプロレスのこれからの目標を教えてください。

SMITH:先代の矢野と僕は正反対の性格で、矢野は一人でグイグイ引っ張ってくれるタイプだったけど、僕はそれが苦手なんです。何をするにもみんなを頼ってしまう。だけどそれが僕のやり方というか、おんぶに抱っこをしてもらうのも僕らしさかなと。なのでもっと頑張る!というよりは、地道に継続していきたいと思ってます。

歴史を重ねるにつれベテラン選手が多くなってきたがむしゃらだけど、若い選手たちにもいつも助けてもらってるんです。これからも彼らと一緒に初心を忘れず、何事にも丁寧に取り組んでいきたいですね。

NIKKY:欲を言えば、もっと若いメンバーが増えると嬉しいので、新規レスラーはいつでも募集中しています!

ーファンの方たちへのメッセージもお願いします!

SMITH:最初は自分たちが楽しみたいという想いで始めたがむしゃらプロレスですが、いつからかたくさんの人を楽しませたいという想いに変わっていきました。そして先代が築いてくれたこの場所を、25周年も30周年も変わらず守っていきたいんで、これからも応援よろしくお願いします!

がむしゃらプロレス20周年記念大会「GAMSHARA MANIA 2023」開催

この2年間、選手の皆さんからたくさんのお話を聞かせてもらった筆者は、すっかりその沼に落ちてしまいました。「北九州をこよなく愛し熱くする!」をスローガンに掲げているがむしゃらプロレスですが、私の胸も確実に熱くなっているなと。

そして、12月3日には西日本総合展示場で、がむしゃらプロレス20周年記念大会「GAMSHARA MANIA 2023」が開催されます。

日を追うごとに明らかになってきた詳細とその豪華さに、鼓動も高鳴ります。年の瀬にはやっぱりがむしゃらプロレス!応援する側も、全力で楽しみましょう!

試合やイベントに関しての最新情報は、「がむしゃらプロレス」公式X(旧Twitter)で確認できます。

※2023年11月30日現在の情報です

(ライター・Kanae Nidoi)

関連記事一覧