旧安川邸でいただく『邸宅ランチ』 歴史を感じる大座敷と癒しの庭園【北九州市戸畑区】
北九州市戸畑区一枝にある旧安川邸。ここで体験できるランチコースがあると聞きつけ、行ってきました。
さて、話題の<邸宅ランチ>とは?
北九州市指定有形文化財「旧安川邸」
旧安川邸は明治45年に建設された住宅。同年に若松から移築された大座敷棟、南北の蔵、昭和2年竣工の洋館棟、昭和13年竣工の洋風本館棟など、明治・大正・昭和の各時代に建築された建物群が一体的に残されている、貴重な住宅建築であることなどから、北九州市指定文化財に指定されています。
2022年4月から一般公開を開始し、市民の憩いの場として人気のスポットに。また、庭園を眺めながら特別な食事の時間を楽しんでほしいという思いから<邸宅ランチ>を開始しています。
今回は、経験豊かなフレンチのシェフが腕をふるう「フレンチミニコース」を事前予約して伺ってきました。
孫文一行も訪れた大座敷
玄関を入って本館の廊下を奥へと進む、畳敷の大座敷へ案内されます。
まず目に映るのは座敷の北側に広がるみどり豊かな庭園。天井も高く、開放感のある大座敷、この日は重陽の節句とのことで、床の間には季節を感じる掛け軸と生け花が設えられ、訪れる人々の心を和ませていました。
10月には北九州市の市政60周年を記念して「第36期竜王戦」が同会場で開催されるとのこと、藤井聡太竜王がこの場所で対局することを想像すると、より一層心が躍りました。
席は庭園を望む縁側席と、家族連れなど大人数用のテーブル席があり、今回は縁側の席を選びました。
五感をくすぐるシェフ渾身のフレンチミニコース
席につくとまず、本日のメニューをいただきました(シェフのサイン入りです!)。
この日のコースメニューは、前菜が「仏料理伝統の田舎風パテ」。庭園のみどりをオマージュしたような器に配されたパテとビーツのソースが、まるで絵画のようでした。
スープは「九州産すいかのガスパチョ」。すいかのガスパチョ!? 甘いのか、しょっぱいのか……味の想像がつきませんでしたが、1口飲んでみると、塩味の後にすいかの甘みが残る、夏の余韻を感じる冷製スープでした。
メインの料理名がまた素敵で、「サーモンと色々茸に燻製の香りをフィルムでオモエールにして開けた時の香りと味が楽しめる交響曲」。どんなお料理が運ばれてくるのか想像するだけでわくわくしました。
フィルムを開けると……。
食後にはプチデザートと、濃いめのデミタス珈琲が運ばれてきました。
料理の美味しさ、庭の景色、大座敷の雰囲気など全てが心地よい
料理の美味しさはもちろんのこと、目の前に広がる庭園の景色、大座敷の雰囲気、前菜からデザートまでの給仕のタイミングやサービスなど、あらゆる面でとても心地よく、北九州市内に居ながら、郊外へショートトリップしたような贅沢な時間を過ごすことができました。
旧安川邸で開催される邸宅ランチ「フレンチミニコース」は月に2回・2部制(11時からと13時から)・各回15名の予約制となっています。これからの季節は庭園の木々の紅葉が美しくなるそうです。秋の味覚を取り入れた今後のフレンチミニコースも楽しみですね。
邸宅ランチの詳細は、旧安川邸のホームページで確認できます。
■所在地/北九州市戸畑区一枝1-4-23
■休館日/火曜日(年末年始<12月29日〜1月3日>)
※竜王戦対応のため10月23日(月)〜27日(金)13時まで臨時休館
■営業時間/9:00~17:00(最終入館16:30)
■入館料/一般260円、小・中学生130円(25名以上団体割引あり)
■駐車場/夜宮公園東駐車場・夜宮公園北駐車場(有料)61台
※喫茶、邸宅ランチ利用で1時間分サービス券進呈あり
※大型バス駐車場あり(事前に連絡が必要)
※身障者用駐車場(無料)は受付棟横にあり
※2023年10月11日現在の情報です
(ライター・kohalu.7)