北九州市漫画ミュージアムで「諸星大二郎展」が開催中

(©諸星大二郎 画像左=諸星大二郎「西遊妖猿伝」カラー原画 1998年 画像右=諸星大二郎「妖怪ハンター」カラー原画  1998年/提供:北九州市漫画ミュージアム

3月20日から、巡回展「デビュー50周年記念 諸星大二郎展 異界への扉」が北九州市漫画ミュージアムで開催中です。

『西遊妖猿伝』『妖怪ハンター』などの作品で知られる漫画家・諸星大二郎のデビュー50周年を記念した企画展で、全国5カ所を巡回中。優れた展覧会に贈られる「美連協大賞」で漫画展では初となる大賞を3月10日に受賞したばかりの展覧会が、3カ所目の会場となる北九州市へやって来ます。

『妖怪ハンター』『暗黒神話』シリーズを代表とする人気漫画家、諸星大二郎

諸星大二郎の作風は、『生物都市』『夢見る機械』などのSF的なものから、『妖怪ハンター』シリーズに見られる民俗学・考古学的視点を持った作品、『マッドメン』のような人類学的な考察で描かれた作品まで、さまざまです。

その他にも、『暗黒神話』のように記紀神話をもとに大胆な世界観で描かれた作品や、代表作『西遊妖猿伝』を始めとした東洋文学の影響を受けた作品もあり、日常から文学・思想に至るまで、あらゆる要素を取り入れて幅広い作品が生み出されました。

今展では、代表作の原画約350点と、作品深く関わりのある美術作品(月岡芳年「月百姿」など)や歴史・民俗資料(縄文土器、後漢の青銅鏡など)を、同じ会場で同時に見ることができる新しい切り口で、読む者を「異界」へと導く諸星大二郎作品の魅力の原点へと迫ります。

なお、前期(3月20日~4月19日)と後期(4月21日~5月23日)で、カラー原稿や展示物について一部展示替えがあるとのことです。

ギャラリートークや「諸星作品キャラクター総選挙」も同時開催

「デビュー50 周年記念 諸星大二郎展 異界への扉」ポスター

会期内にはギャラリートークが開催され、担当学芸員が展覧会の見どころや展示作品を解説します。3月28日(日)・4月25日(日)・5月4日(火)の各回14時から30分程度。事前申し込み優先。事前に申し込む場合は、北九州市漫画ミュージアム(TEL093-512-5077/10:30~19:00)まで。

また、展示会場内で諸星作品に登場するキャラクターの人気投票も行われます。投票者の中から抽選で3人に、諸星さん直筆のサイン色紙がプレゼントされます。なんと投票した諸星キャラの描き下ろしイラスト入りです。

展覧会に関する詳細やイベントスケジュールなどは、北九州市漫画ミュージアムホームページ(http://www.ktqmm.jp/kikaku_info/13112)で確認が可能です。

諸星大二郎プロフィール
1949年生まれ。1970年「COM」12月号掲載の『ジュン子・恐喝』で実質的なデビューを果たした。1974年には「生物都市」で第7回手塚賞を受賞。代表作は『西遊妖猿伝』『妖怪ハンター』『暗黒神話』『孔子暗黒伝』『マッドメン』など。圧倒的な想像力と構築力によって唯一無二の世界観を描く。2000年には第4回手塚治虫文化賞マンガ大賞、2008年には第12回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、2014年に第64回芸術選奨文部科学大臣賞、2018年に第47回日本漫画家協会賞コミック部門大賞を受賞し、受賞歴は多数に及ぶ。

展覧会名 デビュー50周年記念 諸星大二郎展 異界への扉
会期 3月20日(土)~5月23日(日)
開館時間 11:00~19:00 ※入館は18:30まで
休館日 毎週火曜(3月30日、4月6日、5月4日を除く)
会場 北九州市漫画ミュージアム 企画展示室
(北九州市小倉北区浅野2-14-5 あるあるCity5階)
入館料 一般1000円、中高生500円、小学生300円 ※常設展とのセット券もあり
展覧会公式Twitter https://twitter.com/morohoshiten50

(ライター・前原麻耶)

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