昭和レトロな駄菓子店「菊地ガンモ店」 若松区宮丸で発見

映画のセットのような雰囲気ある外観

JR藤ノ木駅近く、国道199号線から1本入った住宅街の中を進んでいくと、突如現れる駄菓子店「菊地ガンモ店」。

昔ながらの「ザ・駄菓子屋」というイメージぴったりのお店で、ヒヨコやコマなどかわいらしいイラストが描かれた年季の入った看板が目印です。

50年以上の歴史を持ち、地元ではよく知られている老舗ですが、最近はこの店を目指して若松区外からやって来る人たちも増えているなど、再び注目を浴びています。

笑顔が素敵な店主がお出迎え

店内に入って「すみませ~ん」と声をかけると、奥から「は~い!」との返事に合わせ、「いらっしゃい!」と迎えてくれたのは、笑顔が印象的な店主の菊地さん。

まるで時間が止まったかのような昭和レトロな店内には、駄菓子だけでなく、おもちゃや文具、釣り具なども並んでいました。

なぜ釣り具があるのか聞いてみると、「昔は近くに池があり、そこで釣りをすることができたんです」と菊地さん。今は文房具も釣り具も売れなくなったそうですが、駄菓子は今も昔も変わらず、子どもに大人気です。

菊地ガンモ店の創業は、1960(昭和35)年頃。「ガンモ」という名前は、当時人気だった「玩具(がんぐ)」と「模型(もけい)」からとって名付けられたそうです。

模型を扱っていた名残りなのか、店内にはモデルガンや模型用の塗料などもちらほら。もしかするとレアな商品があるかもしれないので、じっくり店内で探してみるのも楽しいかもしれません。

店内に設置されている昔懐かしいコインゲーム機「PANDA ROTALY」は今も現役ですが、当たった時にもらえるメダルが出てくる部分が故障しているとのこと。ちなみに、当たった時は菊地さんが手動でメダルを出してくれるそうです。

朝7時に開店 しかも年中無休

お店は午前7時に開店。年中無休で営業しています。朝早くはさすがにお客さんは来ないとのことですが、毎日規則正しく営業することが自身の健康のためにもなるからと菊地さんは毎朝早い時間から作業をしています。

自宅を改装し、お店を始めた当初は、食料品や日用品を販売していたそうですが、近隣に小学校があり、子どもが多かったことから、次第に駄菓子や文具なども販売するようになりました。当時は花火などがよく売れ、近所では家族で花火をする光景をよく見かけることができたそうです。

取材時は午前中だったので店内に子どもの姿はありませんでしたが、夕方はいつも学校から帰ってきた子どもたちや近所の人たちの憩いの場になっているとのこと。

現在は昔に比べ、子どもの数も少なくなりましたが、「大人になって街を離れた当時の子どもたちが、帰省の際に店に遊びに来てくれることが嬉しい」と菊地さんは話します。

取材に行った編集部員も懐かしさのあまり、駄菓子を買い込んでしまったのですが、会計にはこれまた年季の入ったそろばんが登場。菊地さんの見事な手捌きで、あっという間に合計金額がはじき出されたのでした。

帰り際も笑顔で見送ってくれた菊地さん。「また会いに行きたいな」と思わせてくれるような素敵な駄菓子店でした。

■住所/北九州市若松区宮丸1‐8‐1
■営業時間/7:00~18:00

※2021年6月17日現時点での情報です

(北九州ノコト編集部)

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