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高価な花が今なら格安に 花を飾って日常に彩りを

コロナ禍の影響で、花屋が危機的な状況です。外出自粛で来店者は大幅に減少し、入学式などの会場を飾るはずだった花もキャンセルに。現在の花屋の窮状について、Jimmy DESIGN FLORAL(ジミーデザインフローラル、小倉北区)の店主、自見公児さんにお話を聞きました。

白とグリーンのみの花屋【Jimmy DESIGN FLORAL】

リバーウォークそばにあるJimmy DESIGN FLORAL(写真提供・ジミーデザインフローラル)

自見さんは、アメリカ留学を2年、花屋修業を2年経験し、1992年に24歳で独立しました。当初はさまざまな種類の花を置き、ラッピング材を揃え、テクニックにこだわることがステータスだと思っていたそうです。しかし次第にどこにでもあるスタイルに疑問を持ち始めたころ、あるお客様から「このお店の花へのこだわりは何なの?」と聞かれて答えられなかったそうです。

そこで考え抜いた末、「シンプル」を極めた「白と緑」の花に絞り込んだ今のスタイルにたどり着きました。店舗2階では、地域の主婦が参加するフラワーアレンジメントスクールも主宰し、北九州では人気の花屋です。

大口の仕事は0件に 消えた花屋の繁忙期

本来なら多忙を極める3~5月(写真提供・ジミーデザインフローラル)

現在のお店の状況を聞くと、花屋にとって最も繁忙期である3~5月までの卒・入学式、歓送迎会などが中止になっているそうです。40~50件のイベント用の花がキャンセルとなり、大口の仕事は0件に。従業員は休ませ、思うように仕入れもできない。普段、店の2階でやっている80人を抱えるフラワーアレンジメント教室もお休みしていて、いつもはにぎやかな店内が静まりかえっているそうです。店頭にお花を置かなければならないけれど、売れ残って廃棄するしかないという辛い状況が続いています。

世界的にもコロナウイルスの影響で、多くの花の輸出国であるオランダからの輸出が止まり、カナダなどでは日本とは逆に花が足りなくなっているそうです。この動きは世界的に広がっているといいます。

花が咲いても捨てられるという悲劇

花は豊かな時間をくれます(写真提供・ジミーデザインフローラル)

花屋同様に困っているのが花農家です。花は咲くけれど需要がないため、咲いた花を摘んで廃棄しなければならないという悲しい状況に直面しています。手塩にかけて育てた花を自ら摘まなければならない辛さは想像にかたくありません。

お花の値段は時季や種類によって変動します。旬の花が売れないため生産調整が行われ、異例の安値で取引されているそうです。苗木も手に入らないといいます。出荷できたとしても、なかなか買い手がつかずにここでも廃棄するしかありません。また福岡県では、昨夏の大雨洪水で受けた傷あとも大きく、花農家は先が見えない不安を抱えているそうです。

花をすくい愛をひろげよう

ジミーデザインフローラルさんでは独自に「Let’s save Flowers and spread LOVE」という活動を行っています。高価なバラやカラーなども含め、普段より格安でブーケ用の花を1束2000円で売っています。知り合いの花屋でも同様の活動が始まっているそうです。

花を捨てないために、鮮度の良い花が値下げして売られています。あなたも格安の値段で花を買って、豊かな時間を過ごしませんか。

(北九州ノコト編集部)
※5月19日に電話で取材を行いました

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