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【小倉高峰パンダ公園】謎多きパンダ公園を調べたら、ちょっといい話に出会いました(北九州市小倉北区)

北九州エリアのローカルメディア『北九州ノコト』では「小倉高峰パンダ公園」の紹介記事を2022年秋に公開しました。

記事公開後、「実はまだ隠れパンダがいる…」との情報が寄せられた編集部。取材に行った編集部員でさえ「あれだけ公園をうろうろしたのに、まだパンダいたの?!」と驚いた、謎多きパンダ公園なのです。

そこで前回とは別の編集部員が、隠れパンダを探しに再び小倉高峰パンダ公園へ足を運んでみました。

隠れパンダ VS 編集部員

公園に入ると、前回の記事でも紹介したパンダがお出迎え。パンダ探しが始まります。レッツファイッ!

隠れパンダを求めて遊具にも上りました。公園の遊具に上ったのなんて少なくとも5年はやっていません。久しぶりの公園に童心に帰る編集部員。

パンダを探している途中、迷子の虫取り網にも出会いました。早く持ち主の元へ帰れたらいいね。

15分ほど探したものの、隠れパンダが見つからず結局ギブアップ。編集長(自分だけちゃっかり答えを知っている)に助けを求めました。

すると、「どっちかの出入口のところの足元にパンダがいるらしいですよ!」とのこと。

15分間公園内を探し続けたので出入口は盲点でした。表口は調べつくしたので裏口を調べてみることに。

すると裏口に何やらパンダっぽいポールが。

完全にこれだ!と思った編集部員。すぐに編集長に連絡します。すると、「それもパンダだ!」。

それ「も」⁉ まだあるのかとびっくり。

編集長、するとここで大きなヒントをくれました。裏口の地面を探してみよと。

これ、近くでは分からないので少し遠目から見てみると確かにパンダ。しかも大きい。思わず声が出てしまいました。

『隠れ』というワードから、遊具や設備のディテールにパンダデザインが施されているものと考えていました。まさに灯台下暗し。

いったん隠れパンダ取材については終了したものの、編集部員にはある疑問が。

「なんでここまでパンダにこだわるの?」

そう思った人も多いのでは。パンダと言えば和歌山県か東京都。なぜ北九州にこれだけパンダを押し出した公園があるのでしょうか。北九州市のパンダと言えば、到津の森公園のレッサーパンダしか思いつきません。

ちなみに補足をしておくと、パンダとレッサーパンダは系統が全く違う動物です。一般的にパンダと呼ばれていて、この公園のテーマにもなっているジャイアントパンダはクマ科、それに対しレッサーパンダはイタチ上科です。

そうこうしているうちに気になるものを発見。

入口のパンダの後ろに「贈」の文字と個人のお名前が。公園に寄贈したものだと思われます。もしかすると、この人がパンダと何か関係があるのかもしれません。

このパンダの謎、放置しておけば気になって眠れない北九州市民が続出することでしょう。

ここで終わることなく、さらに後日、深掘り取材を進めることになったのです。

いよいよパンダの謎に迫る

実際にインタビューをさせていただいたのは、北九州市建設局公園緑地部の西井田さん。小倉北建設事務所(当時)に在籍していた約20年前に、小倉高峰パンダ公園の再整備に携わった、当時をよく知る人物なのです。

「当時は小倉高峰公園だったんですよ」と、そもそも公園名にパンダが入っていなかったという衝撃の事実を、インタビュー冒頭で教えてくれた西井田さん。再整備当時は、公園名にパンダは入っておらず、公園にパンダの遊具もない。それなのに、お会いした地元の皆さんは何故かこの公園を『パンダ公園』と呼んでいたそう。不思議に思って理由を尋ねると、ずいぶん前にパンダの遊具があって皆が「パンダ公園」と呼ぶようになり、その後ほかの遊具に代替わりしても、「パンダ公園」の愛称は変わらないのだと教えてくれたそうです。

再整備前の小倉高峰公園は、楽しそうに遊ぶ子どもたちを、近くに住んでいる大人たちがわが子のように見守っていたそうです。皆がパンダ公園と呼んで親しんでいて、小倉高峰の地域にとってなくてはならない場所だと知った西井田さん。「それならば、公園再整備のモチーフをパンダにして、本当のパンダ公園にしてしまおう!」と考え、「遊具だけでなく、ほかにもパンダのデザインを仕掛けよう!」と隠れパンダを思いついたそう。

パンダ公園にある隠れパンダはすべて、西井田さんのデザイン。編集部員がなかなか見つけられなかった地面のパンダは、白黒グレーの3色ブロックでパンダ模様に見えるように西井田さんが配置図を作って、施工をお願いしたのだとか。ちなみに、編集部が見つけた隠れパンダで全てコンプリートとのこと。やった。

再整備後には、地元の人々が市と話し合って、正式に、小倉高峰公園から小倉高峰パンダ公園に名称も変更されたのだと教えてもらいました。地元の皆さんのパンダ公園に対する愛情が伝わってきます。

ちなみに、東側の入り口にあるパンダの石像、その背面に刻まれているお名前は、パンダ公園にぜひ寄付したいと望まれた、公園の近くにお住いの方のものだそうです。

パンダの謎を調べたら、地域の温かさが伝わってきました。

■所在地/北九州市小倉北区高峰町12

※2023年8月5日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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