小学生が半能を披露 3年間の集大成「子ども能楽教室発表会」【北九州市門司区】<PR>
能楽師による能「清経」を実演
その後、休憩をはさんで能楽師による能「清経」が行われました。実演前には、自らも能楽を30年ほど行っているという上田会長が「清経」について解説。傑作と言われており、上田会長も大好きな作品だということを明かしました。
「清経」は、都を逃れた平家一門、平清経が極楽浄土を願って1人関門海峡の沖(現在の門司区大里にある柳の御所の辺り)に入水して果てた後の話。清経の妻ツレが夫の死を受け入れられず、「夢になりとも見え給へ」と嘆き恨んでいたところ、清経が夢に現れるというストーリー。清経と妻の恨みごとを言い合う場面も見どころです。
「和布刈」とは趣の異なる郷土ゆかりの演目を通して、益々能楽に親しんで欲しいという思いから今回の演目である「清経」を選ばれたそうです。
「和布刈」とは違った装束や面、また迫力のある演技や謡で見入ってしまいます。
左中将清経役シテの石黒さんが登場すると、足や刀を使った動きに観客もとても集中して見ているようでした。
また、最後に新ケミカル商事株式会社が2023北九州SDGs未来都市アワードのSDGs大賞の企業部門を受賞したことを記念して、祝言一調「和布刈」が実演されました。
終演後の子どもたちの様子
終演後、子どもたちは袴を脱いでほっと一息ついたような安心した様子。笑顔ではしゃぐ子や疲れてぐったりしている子もいました。
半能で龍神役を演じた澪さんに話を聞くと「重たかったし、緊張したけどずっとしてみたかった龍神ができてよかったです」と満面の笑みで答えていました。また「4月から中学校に進学しますが、機会があれば続けていきたいと思っています」と今後の活動への思いを語りました。
太鼓を頑張っていた征実さんは、「いつか半能の龍神役をしてみたいです」と力強く話してくれました。
最後にお土産として来場者全員に北九州銘菓である梅園の河豚最中が配られ、ここにも地元を大切にしたいという気持ちが込められていました。
(提供:新ケミカル商事)