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北九州市オールロケ映画が「カンヌ国際映画祭」正式出品決定 主演は光石研さん

©2022『逃げきれた夢』フィルムパートナーズ

北九州フィルム・コミッションの誘致・支援作品の映画「逃げきれた夢」(二ノ宮隆太郎監督・脚本)が、世界三大映画祭の一つである、第76回「カンヌ国際映画祭」ACID部門の正式出品作品に決定しました。

北九州市出身の俳優である光石研さん(主演)、吉本実憂さん(共演)が出演、北九州市を舞台に、北九州市でオールロケが行われた作品です。

西南女学院やシロヤなど北九州市内約20カ所で撮影

主演の光石さんにとって12年ぶりとなる映画単独主演作となった今作。自身の地元でもある北九州を舞台に、人生のターニングポイントを迎えた中年男・末永周平を演じます。物語のカギを握る周平の元教え子・平賀南を演じるのは同じく北九州出身の吉本実憂さん。総勢800人のオーディションを見事突破し、役を掴んだ若手女優のホープです。

周平の娘の由真には工藤遥さん。さらに、周平の妻に坂井真紀さん、学生時代の同級生に松重豊さんと、味わい深い実力派が顔を揃えています。

撮影は、令和3年12月11日~23日に、北九州市内約20カ所(西南女学院中学校・高等学校/風師公園/黒崎中央小学校/エスト本町商店街周辺/シロヤ/ワールドコーヒー ほか)で行われました。

映画監督・脚本家・俳優として活動する二ノ宮監督は、2012年に初の長編映画監督作品『魅力の人間』で「第34回ぴあフィルムフェスティバル・PFFアワード2012」準グランプリを受賞すると共に、バンクーバー、ロッテルダムなどの国際映画祭に出品。2017年には監督・主演を務めた『枝葉のこと』が「第70回ロカルノ国際映画祭・新鋭監督コンペティション部門」に選出されました。徹底的にリアリティを追求し、生きることの真実に迫ろうとする作品が高く評価されています。今作のシナリオで「2019フィルメックス新人監督賞」グランプリを受賞、映像化が実現。商業映画デビュー作品となります。

「逃げきれた夢」は6月9日(金)よりT・ジョイリバーウォーク北九州、kino cinema 天神ほか全国ロードショー。制作プロダクションはコギトワークス、配給はキノフィルムズ。

あらすじ

北九州で定時制高校の教頭を務める末永周平(光石研)。ある日、元教え子の平賀南(吉本実憂)が働く定食屋で、周平はお会計を「忘れて」しまう。記憶が薄れていく症状に見舞われ、これまでのように生きられなくなってしまったようだ。

©2022『逃げきれた夢』フィルムパートナーズ

待てよ、「これまで」って、そんなに素晴らしい日々だったか? 妻の彰子(坂井真紀)との仲は冷え切り、一人娘の由真(工藤遥)は、父親よりスマホの方が楽しそうだ。旧友の石田啓司(松重豊)との時間も、ちっとも大切にしていない。新たな「これから」に踏み出すため、「これまで」の人間関係を見つめ直そうとする周平だが──。

二ノ宮監督&主演の光石さん喜びの声

「福岡県北九州市の黒崎の街を、光石研さんと歩かせていただいたのがこの映画の始まりでした。そこは光石研さんが生まれ育った街で、過ごされた時間への想いが、この映画に詰まっています。北九州オールロケの作品です。撮影時には地元の皆様に本当に支えていただきました。尊敬するキャスト、スタッフの皆さんとご一緒できましたこと、そして素晴らしい環境で上映できることに感謝しかないです」と二ノ宮監督。

一方、光石さんは「カンヌ映画祭、ACID部門正式出品の一報を聞き、本当に嬉しい限りです!この映画は、小さな町の小さな男の話です。でも、例えばEUの小さな町の小さな男の話でもあるのです。すなわち、グローバルな話です。ヨーロッパの人々にも共感して頂けると思います。カンヌでの上映、観て頂いた方々の反応が楽しみです。そして、個人的には我が九州弁がカンヌに轟く快感、身震いします。二ノ宮監督、良かったね!そして、ありがとう!」とコメントを発表しています。

「カンヌ国際映画祭」ACID部門とは

ACID部門は、監督週間と批評家週間に並ぶカンヌ映画祭の3つの並行部門のひとつ。1993年に芸術的な作品を支援するために映画作家たちが創設した「インディペンデント映画普及協会(ACID)」が独自に立ち上げ、作品選定・運営を行っています。毎年世界の先鋭的な9作品を紹介しており、今年は約600作の応募作品から「逃げきれた夢」が出品作のひとつとして選出。昨年同部門に出品された『やまぶき』(山﨑樹一郎監督)に続き、日本で2本目という快挙を遂げました。

第76回カンヌ国際映画祭は、令和5年5月16日~27日、フランス・カンヌで開催予定です。

※2023年4月21日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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