春風に誘われて「門司港・風師山(風頭)さんぽ」 【北九州市門司区】
『もじっこ』には馴染みの深い「風師山」。筆者が幼い頃、学校の遠足でもよく登った記憶のある思い出深い山。
門司港レトロ地区から登山でき、思い立ってすぐに登れる気軽さも魅力です。
風師山のコト
風師山は北九州市門司区にある山。九州最北端を形成する企救半島に位置し、企救山地を形成する山の1つで、標高362mです。
風頭岩峰・風師山・風師南峰の3峰から形成され、山頂の形がカンザシに見えたことから「挿頭花ノ山」と書いて「かざしやま」と言われたと聞いた記憶があります。所説あり、トビやタカが舞うこの山を「風を司る神の山」として、航海安全・豊漁を祈願したため、「かざがしら=風の師(頭かしら)」という名がついたという説も。
風師山の魅力その1「思い立ってすぐに登れる!」
9合目の「風師山登山口」まで車で行くことができ、そこから約20分(約800m)で絶景の「風頭」に到着。
中高年や子ども連れの人たちにも人気。山頂までの道中は軽いアップダウンがあるため、歩きやすい靴がおすすめです。
風師山の魅力その2「登山道が整備されている!」
登山道が企救自然歩道として整備されているため、歩きやすく、軽装でも登山可能。最寄りの駅(門司港駅)から登山口まで車で約16分、徒歩約1時間というアクセスが魅力です。
風師山の魅力その3「360度のパノラマビュー」
風師山の魅力は、なんといっても風頭から望む絶景!
山頂までの小路を抜けると、目の前に広がるのは「関門海峡」はじめ、下関市の巌流島や彦島など。遠くには六連島も見ることができます。
右手には山口県の山々や海岸沿いの景色、周防灘。時計回りに振り返ると行橋、中津方面。条件が揃えば、大分県の国東半島や由布岳も見渡せるとか。正面左手は小倉市街と企救三山、連なる山々と玄界灘が広がっていて、思わず「ヤッホー!」と叫びたくなります。
山頂には風師山早朝登山会など、風師山を愛する人々が造られた記念碑もあります。
歴史とともに
山頂に珍しく、かわいい木の実があるなぁと調べてみると、その木の名前は「ヤシャブシ」だとわかりました。
「ヤシャブシ」は、砂防用に栽培されるカバノキ科の落葉小高木。1953年の西日本大水害で、山腹が崩壊し、多数の土石流が発生、山麓一帯に多くの被害をもたらしたのを機に植樹されたそうです。
この日はヤシャブシの木越しの空に上弦の月が微笑んでいました。
四季を通して自然を感じる
春はヤマザクラ(3月~4月)、ヤマフジ(4月~5月)、初夏には新緑、紫陽花(5月~6月)、秋には登山道にあるもみじ谷の紅葉が美しく、冬の山では蔓やうらじろ、野ばらの実など、山の恵みをあちらこちらで見ることができます。
登山後のお楽しみも魅力
風頭で美味しい空気を吸って心を満たしたあとは、小腹を満たす魅力的なお店がたくさんあるのも風師山登山のお楽しみ。
門司港駅から風師山登山口までの道のりには、門司港レトロや元清滝界隈のCafe、地元で人気のパン屋さん「天秤座」、老舗の喫茶店「すいげつ」などがあり、ほっと一息、登山の余韻に浸るのも良いですね。
■風師山登山口駐車場/約10台(無料)
※2023年4月8日現在の情報です
(ライター・kohalu.7)