「てるちゃんのバナナジュース」が門司港にオープン 看板娘は70歳のお母さん
観光地として全国的に人気の高い港町・門司港。「バナナの叩き売り」の発祥地としても知られるこのまちに、4月2日、バナナジュース専門店「てるちゃんのバナナジュース」がオープンしました。
場所は「栄町銀天街」から横に入った「栄小路」。テイクアウトのみの小さなお店で明るい笑顔で迎えてくれるのは、看板娘である70歳のお母さん「てるちゃん」です。
かつて病気の息子のために作っていた愛情&栄養たっぷりの「バナナジュース」
「てるちゃん」こと菊池照代さんは、夫の正幸さんと門司港で「菊池印章堂」を営みながら、7人の息子を育てあげたパワフルなお母さん。
「てるちゃんのように元気で魅力的な高齢者は地域にたくさんいます。“つくり方は簡単、けれどとても美味しいメニュー”ができれば、元気な高齢者もやりがいを持って活躍できるのでは…。そんな思いから、路地沿いの小さな店舗開発がはじまりました」と話すのは、同店を運営する合同会社ポルトの井上さん。いろいろ挙がった案の中からメニューに選ばれたのは、かつて体調を崩した息子のために、てるちゃんがよく作っていたという栄養と愛情ぎっしりの“おふくろの味”バナナジュースでした。
メニューは、「バナナジュース」(390円、マイカップ持参の場合350円)と「豆乳バナナジュース」(440円、マイカップ持参の場合400円)の2種類。じっくり寝かせ、一番おいしい時期を見極めているというバナナが持つ香りと甘さを楽しんでもらいたいと、砂糖や香料は使わず、牛乳または豆乳でシンプルに仕上げられています。
また、トッピングとして、「抹茶」「メープルシロップ」(各+100円)、「ごま」「きなこ」「あんこ」など(各+50円)が用意されています。熟成バナナとの相性バッチリのトッピングは日替わりで数種類が登場するとのことなので、その日の気分で自分好みの味へカスタマイズすることも可能です。
「バナナの叩き売り」発祥の地・門司港
お店のある門司港とバナナの縁が深いということも、バナナジュース専門店が誕生したきっかけの一つです。
かつて国際貿易港として栄えた門司港には、台湾から多くのバナナが輸入されていました。門司港に荷揚げされたものの、輸送中に熟れてしまい、この先の輸送が困難なバナナを独特の口上で売りさばく「バナナの叩き売り」は、この地で生まれたもの。「関門ノスタルジック海峡」の構成文化財の一つとして日本遺産にも認定されている「バナナの叩き売り」は、門司港名物として今でも親しまれています。
「まちの人との交流も門司港の魅力の一つ」と井上さん。「門司港にはチェーンの飲食店はあまりなく、ほとんどが個人経営の古き良き飲食店。港町気質の店主が気軽に話しかけてくれるので、初めてのお店でも何度か訪れたことがあるかのような居心地の良さを感じます。ガイドブックに載っていない店主との交流は、自分だけが体験できたという特別感が強く、店主との交流を楽しみに再び門司港を訪れる旅人も多くいます。『てるちゃんのバナナジュース』も、そんな門司港の温かな交流の場となることを目指します」と話してくれました。
なお、てるちゃんの店番は数時間とのことで、「てるちゃんに逢えるかどうかはお楽しみに!」とのことでした。
住所 | 北九州市門司区栄町7-5 |
営業日時 | 毎週 金・土・日曜の11:00~17:00 |
問い合わせ先 | TEL 080-8374-2042(営業時間内のみ) |
(北九州ノコト編集部)