地図好きにはたまらない! 「ゼンリンミュージアム」が6月オープン
「ゼンリンミュージアム」は6月6日、”歴史を映し出す地図の博物館”としてオープンします。当初4月19日のオープン予定でしたが、新型コロナウイルスの感染防止のため延期されていました。
ゼンリンは感染防止策を整え、開館日を決定しました。来館者は入館前に手指の消毒、来館者カードの記入、マスク着用を確認して入館します。
「ゼンリン地図の資料館」をリニューアル
「ゼンリンミュージアム」は、昨年11月に閉館した「ゼンリン地図の資料館」をリニューアルした施設。資料館に比べ展示面積と展示点数を大幅に拡大するなど、展示内容を一新しています。
展示されるのは、ゼンリンが収蔵する西洋古版日本地図コレクションの中から厳選した地図と史料120点余り。16~19世紀にヨーロッパで作られた日本図や、伊能図をはじめとする国内製の地図などが歴史や文化の紹介と共に公開されます。
黄金の国「ジパング」の地図
15世紀の大航海時代にマルコ・ポーロの『東方見聞録』によって黄金の国「ジパング」として知られるようになった日本。誰も見たことのないジパングが想像だけで描かれた地図から始まり、16世紀に初めて日本を訪れた西洋人が実際のジパングを地図に表すようになる変遷が、「世界の中の日本」として紹介されます。
1528年に全くの想像で作られた日本図は、まるで佐渡島のような形をしています。マルコ・ポーロの『東方見聞録』に基づいて書かれた『世界島嶼(とうしょ)誌』に収録されたもので、地図上に「Ciampagu(ジパング)」と記されています。
世界唯一のモレイラによる「日本図」は必見!
ミュージアムの目玉はポルトガル人イグナシオ・モレイラ(1538年ごろ~没年不詳)の地図を基にした「日本図」。この日本図はフランス人版画家が印刷したもので、現存する世界で唯一のものだそうです。
モレイラは約2年間、日本に滞在し、自身で鹿児島から京都に至る西日本の測量に携わりました。東日本については大名などから情報を収集するなどして、世界で初めて実態に近い日本地図が作られたそうです。これは地図マニアでなくとも見ておきたい”お宝”ですね。
伊能図・九州版の起点は小倉「常盤橋」
日本における地図作りの原点は伊能忠敬に始まります。寛政12年(1800年)から文化13年(1816年)まで、17年をかけて日本全国を歩いて測量して『大日本沿海輿地全図』を完成させ、初めて日本の正確な姿を明らかにした偉人です。九州の測量は小倉の紫川にかかる「常盤橋」が起点となったそうです。
ゼンリンは伊能忠敬の偉業をたたえ、現在の「常盤橋」のたもとにある「リバーウォーク北九州」にゼンリンミュージアムと、地図をデザインした商品の専門店「マップ デザイン ギャラリー(Map Design Gallery)」を設けています。ミュージアムを観覧し、帰りにお気に入りの「地図グッズ」を見つけるのもいいですね。
(北九州ノコト編集部)
※4月20日、5月26日に取材を行いました。
店名 | ゼンリンミュージアム |
住所 | 北九州市小倉北区室町1丁目1番1号 リバーウォーク北九州14F |
交通 | 小倉駅より徒歩10分/西小倉駅より徒歩5分 |
電話番号 | 093-592-9082 |
営業時間 | 10:00-17:00 (最終入館16:30) |
定休日 | 月曜日 (ただし祝日の場合は翌平日) ※この他年末年始等、臨時に休館することがあります |
公式HP | https://www.zenrin.co.jp/museum/index.html |
入場料 | 一般:1000円 *保護者同伴の小学生以下は無料 *800円:8名以上の団体および障がい者とその同伴の方の料金 (入館特典 : オリジナルチケットホルダー) |