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外壁にアート? ヒマワリと家族が描かれたリノベアパート出現【北九州市小倉南区】

(アイキャッチ画像:「COBOLkuzuhara」外観)

夏の青空によく映える、色鮮やかなヒマワリと家族が描かれた外壁がひと際目を引くアパート「COBOLkuzuhara」が、小倉南区葛原東の住宅街に姿を現しました。

これは小倉南区にある築42年の3階建てアパート(9室)をDIYでリノベーションし、新たなアパートへとよみがえらせるプロジェクト。「laurier.f合同会社」の今橋智恵美さんがDIYでリノベーションし、外壁の「ミューラルアート(壁画)」(※許諾を得た壁に描く作品のこと)を北九州市などでもアートパフォーマーとして活動しているColorhythmRisa(カラリズムリサ)さんが手掛けます。

リサさんが担当した外壁部分の完成に伴い、足場が撤去され、ついにその全貌が明らかに。今回は「COBOLkuzuhara」について紹介していきます。

壊して建て直すのではなく、使われなくなった物件を再生

学生時代を過ごした北九州市の活性化を願い、北九州で使われなくなった物件を再生するための活動を行う今橋さん。「築40年を超えたアパートの場合、壊して新しく建て直すことを考えると思いますが、構造的にはまだまだ住むことができる建物を壊してしまうのはもったいないと私は常々感じています。リノベーションして物件を再生することにしました」と話します。

同様に「使えるものは捨てずにちゃんと使ってあげたい」と、壁紙や床材などは端切れとして処分予定だったものを仕入れ、できる限りすべてを活かせるよう、サイズやデザインが異なるものを一つ一つ組み合わせながら、個性あふれる部屋の一部として命を吹き込む作業を行っています。

その今橋さんが学生たちとコラボして昨年完成させたのが、門司港のリノベーションアパート「COBOLmoji」。今回紹介する「COBOLkuzuhara」は、門司港の物件に続くシリーズ第2弾となります。

今橋さんの手によるリノベーション例(写真提供:laurier.f合同会社)

外壁のテーマは『北九州』 モチーフのメインは市の花・ヒマワリ

今回、リサさんが壁画を描くのは、「COBOLkuzuhara」の側面部分にあたる2面分のスペースです。

リノベーション前(写真提供:laurier.f合同会社)

物件の入り口、表面にあたる面の下部分には貯水槽があり、良くも悪くも壁画にどのような影響を与えるのか気になるところです。

リノベーション前(写真提供:laurier.f合同会社)

第1弾の時と同じく、壁画のデザインに関して今橋さんがリクエストしたテーマは「北九州」。前回の物件は使用できる色に規制があったため、白と黒の2色しか使えませんでした。

そこで今回の物件ではいろいろな色を使ったカラフルな絵にしてほしいという今橋さんの希望もあり、北九州市の花である「ヒマワリ」をメインモチーフにしようということは今橋さんとリサさんの間ですぐ決まったと言います。

家族・地域の人との『つながり』『循環』『優しさ』などを表現

「ヒマワリ」を取り入れることは決まったものの、どういった作品にするべきか考えていく中で、リサさんが大事にしたのは、物件に対する今橋さんの想い。今回の仕事を引き受けた理由についてリサさんに尋ねると、「古い建物や壁紙の端切れなどを壊したり捨てたりするのではなく、どうにかして再生・循環させようとする今橋さんの熱い想いに共感した」と言います。

何度も対話を重ねる中で、物件のご近所さんから地域のゴミ捨て場が遠いと聞いた今橋さんがアパートのゴミ捨て場を近所の人たちにも使ってもらえるようにしたエピソードなどを聞いたリサさんは、今橋さんの女性目線ならではの優しさはもちろん、家族・地域の人との『つながり』、『循環』といったことを描いていこうと感じたと話します。

カラリズムリサさん

その流れの中で、「色の規制がない分、自由に描けますが、あくまでもここは『住宅』。人が住んでいる場所なので、目立ちすぎてもダメなんですよね」と、落ち着いたヴィンテージ調のヨーロッパの街角のような壁画にしていきたいという方向性も決まっていきました。そして、「この場所にはきっと『家族』が暮らすはず。人が住んでにぎわっている様子や、お父さん・お母さんにヒマワリの花を持って行く子どもを描いていこう。植物や生命、水などが連鎖して生きている、そんな『つながり』や『循環』も描いていこう」と、大まかなデザインが決定しました。

その後、リサさんは現地で物件を見ながらじっと考え、壁面の写真を撮ってA3サイズにプリントしたものに下絵を書き、イメージをさらに膨らませていったそう。

「laurier.f合同会社」今橋智恵美さん

下絵が完成したら、いよいよ作業開始です。先に下地処理&下塗りされた壁画キャンバスに、リサさんがスポンジを駆使しながら絵を描いていきます。「元々理系なので、どうやって合理的に描いていいかということを考えている。足場の位置なども考えながら全部下絵に組み込んでいるから、後はそれを再現していくだけ」というリサさんは、その言葉通り、どこに何を描くのか、すべてわかっているかのように、すごいスピードで迷うことなく作業を進めていきます。

片方の壁面には家族にプレゼントするためのヒマワリを手に持った男の子が黒猫を追いかけている様子が、もう片方の面では男の子からヒマワリをプレゼントされ、笑顔を見せるお母さんと男の子を抱きかかえるお父さんという幸せな家族の姿が描かれました。

また、邪魔な存在にしかならないと思っていた貯水槽は、なんと色とりどりの花が生けられた花瓶に! 無機質なガスボンベもまるでデザインの一部として最初から決まっていたかのように、柵の一部へと変身していきました。

今橋さんから聞いたさまざまな話の中で特に強い印象をリサさんに残したゴミ捨て場も黒猫と一緒にさりげなく描かれており、フォトスポットとして活用してほしいとのことでした。

アパートの前で足を止めて、じっと壁画を眺める人も多く、いつ完成するのかご近所さんたちも楽しみに待っていた様子が伝わってきました。

室内もリノベーションで大幅にイメージチェンジ

外壁が一足早く完成した「COBOLkuzuhara」ですが、今橋さんによる室内のセルフリノベーションが現在進行中です。

一部屋ごとに壁紙や床材などのデザインが異なり、それぞれの部屋の印象がガラッと変わっているので、自分好みの部屋を見た瞬間、インスピレーションでこの部屋に住みたいと感じるはず。すべて完成する日が待ち遠しいですね。

◆住所/小倉南区葛原東1-3-35

※2022年7月15日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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