「ニッスイパイオニア館」トロール漁船から始まったニッスイと戸畑港の歴史【北九州市戸畑区】
若戸大橋のたもとにあるニッスイ戸畑ビル。1936(昭和11)年に建造されたビルで、2009年に「北九州都市景観賞」を受賞しています。
このビルの1階にニッスイの創業時から現在までの歴史や戸畑との関わりを知ることができる「ニッスイパイオニア館」があります。
建物内は意匠を凝らした天井や扉などそれだけでも歴史を感じます。
漁港として栄えた戸畑港
ニッスイは1911年下関で創業しましたが、1929年戸畑に移転しました。
案内係の話によると、下関だと関門海峡の潮の流れが速くて操船に悪影響だったのも理由の一つのようです。
また当時の船の燃料は石炭だったので、筑豊炭田が近くにあり若松も石炭積出港として栄えていて、八幡では製鉄所が建設され人口も増えて街としても発展していたので移転先として戸畑を選んだようです。
ニッスイは200海里の設定(1977年)がされるまで、世界各地で漁をしていて、当時の漁船の模型がいくつも展示されています。
その他にも、装舵輪、無線設備、制服、航海灯、漁網など船に関連するものが多数展示されていて見どころ満載です。
かつて船員だった人のお話も
今回筆者が行ったときは、案内係がいて展示物の説明などしてくれました。その人は当時南米などで漁をしていた船員だったとのことで、とても貴重な話も聞けました。
一番印象的だったのは、当時の船には“画家”が乗り込んでいて、漁獲したものを資料や研究用として鱗の数まで正確に描かせていた、という話です。
写真には無い色遣いやリアルだけど温かみのある絵がレプリカですが展示されています。
■所在地/北九州市戸畑区銀座2-6-27 ニッスイ戸畑ビル1階
■開館時間/10:00~17:00(入館16:30まで)
■休館日/日曜・祝日・年末年始
■入館料金/無料
■駐車場/無料駐車場あり
※2023年2月21日現在の情報です
(ライター・はま)