【若戸トンネル】12年掛けて開通 若松と戸畑をつなぐ海底トンネル
北九州市若松区と戸畑区をつなぎ、今年9月15日には開通10年という節目の年を迎える「若戸トンネル」(新若戸道路)。
今回はその歴史を振り返ります。
九州初の沈埋トンネル「若戸トンネル」が開通するまで
若戸トンネルは、若松区と戸畑区をつなぐ海底トンネルです。
若松の響灘地区から戸畑・小倉方面へのスムーズな交通アクセスの確保のため、洞海湾を海底トンネルで横断する新たな「臨港道路」として計画されました。
トンネルの延長は1181メートル(道路全長約2300メートル)。上下2車線ずつの計4車線となっています。
若戸トンネルは車両が通ることを目的としたものとしては、九州初の「沈埋トンネル」なんだそう。北九州港湾・空港整備事務所のホームページによると、沈埋トンネル工法とは、『鋼鉄でできた函を陸上で製作し、海上に浮かべた状態でコンクリートを詰め、あらかじめ溝状に掘削した海底に沈め、これらを互いに接合したのち、土砂を埋め戻してトンネルを完成させる工法』とのことです。
一般公募で寄せられた名称案787件から名称決定
若戸トンネルは工事開始の2000年からなんと12年の期間を経て、2012年の9月15日に開通しました。
正式な開通前には親しみや愛着を持ってもらおうと、「新若戸道路開通記念ウォーキング」が開催され、多くの人がトンネルの中を通りました。
若戸トンネルは自動車専用道路のため、トンネルの中を通ることは滅多に経験できないでしょう。
また、「若戸トンネル」という名称は一般公募で決定。名称案787件(名称の種類は460種)の中から、応募数が最も多く、『若戸』など馴染みのある言葉で構成された「若戸トンネル」が、『末永く多くの人々に親しまれ、愛されることが期待できる』という理由から選ばれたそう。
ちなみに応募の中には「くきのみなとチューブ」「海の夢道」「若戸ひまわりトンネル」「若戸ロマン街道」「洞海湾ゆめトンネル」といった個性あふれる名称の応募も多く寄せられたとのことです。
渋滞解消を期待 今年で開通から10年経過
トンネルが開通する以前の自動車で洞海湾を渡るルートは、若戸大橋のみ。
そのため、通勤などの一般交通と物流などの産業交通が入り混じっており、朝や夕方には慢性的な渋滞が発生していました。
それを改善するために計画されたのが、この若戸トンネルです。
かつては橋・トンネルともに普通自動車の通行料は100円でしたが、トンネル開通から4年後の2018年には市民待望の「若戸大橋・若戸トンネルの無料化」が実現しました。予定では2027年度に無料化を想定していたそうですが、市民からの強い要望で9年も前倒しされたとのことです。
トンネル開通から10年。
若戸トンネルは若戸大橋と同じ、北九州市内の重要な交通ルートの一つとなっています。
※2022年6月20日現在の情報です
(ライター・abc.hikari)
<出典>
■若戸大橋・若戸トンネルの概要|北九州市
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/kensetu/05500113.html
■トンネル名称について
<5461726F2D96BC8FCC8C8892E88B4C8ED294AD955C8E9197BF2E6A7464> (kitaqport.or.jp)