門司港路地裏巡り~奄美鶏飯と集いの場所「cafe umi」 【北九州市門司区】

(アイキャッチ画像:鶏飯)

門司区清滝、大通りから1本中に入った、迷路のような小路を抜けた先に「Cafe umi」はあります。

奄美鶏飯が楽しめ、集いの場所にもなっている古民家カフェです。

目指していた2つの場所は同じ場所だった

たぶんあの辺り…近くまで来ているのになかなか辿りつけずにいたある日のこと、清滝にある他のお店(キヨタキストア)へ向かう途中、放課後パトロール中の黄色い旗をもった女性とばったり出逢いました。「お店の場所がわからなくて…」と、お店の名前を伝えると、その女性は「こっちこっち」と快く案内してくれました。

小路の突き当り、階段をくだり入口のドアを開けると、「いらっしゃ~い」と見慣れた笑顔が。目指していた2つの場所が同じ場所だったという驚きと感動!

店主の寺前亜紀さんと初めてお逢いしたのは門司港喜多久にあるcafeで開催されていたハンドソロジー体験でした。初めましてなのに、どことなく懐かしいような安心感を覚えたのを思い出します。寺前さんは奄美大島の出身。島で培われたおおらかな雰囲気がそう感じさせてくれるのかもしれません。

お店を始めたきっかけ

「インテリアや植物が好き。自分の好きなものを集めた場所で何かしたいなぁ…」という思いがお店を始めたそもそものきっかけ。また、当時不登校児童を持つ親御さんたちの話を聞く機会があり、「集える場所にできたら…」と門司港で物件を探すも、なかなか良い場所に巡りあえずにいたある日、以前から寺前さんの夢を聞いていたママ友から「よかったらうちでどう?」と声をかけてもらい、とんとん拍子で話が進み、現在の場所で念願のお店をオープンする運びとなったそうです。

よく「夢は口にすると良い」と聞きますが見事に実現! 筆者もこれを見習って、夢をどんどん口にしていこう!と思いました。

お店のこだわり

「こだわりがないのがこだわりかも?」とおおらかにほほ笑みながら語る寺前さん。とにかく「自分自身が楽しむこと!」「『面白そう!』と思うことをやってみること」との気持ちで、2023年は「ただ○○をする会」を定期的に開催することを年頭に宣言したそうです。

2月は「編み編みちくちくの会」「書物を語る会」を企画。取材当日は、講師を招いての「つる籠あみワークショップ」が開催されていて、皆さん黙々と作品と向き合っていました。

作品作りが終わった後は、お楽しみの「奄美鶏飯ランチ」。筆者も一緒にいただきました。

ほっと一息ついた後は、気の合う仲間とわいわいおしゃべり。「こんなお店があるよ」「次はこんなことしたいな」などなどみんなの想いが膨らみ、話がつきない様子。

物件がなかなか決まらなかった時は、周りから「市民センターとかイベントとかでもできるのでは?」と意見をもらうこともあったそうですが、「いつでも集まれる場所」を作りたい!とCafeを開業することを決心した寺前さん。願ったとおり、皆さんの「集いの場」となっているようです。

知人や友人の大工さんと一緒に古民家を改装したという店内は、店主のセンスが光る雑貨やインテリアが心地よいバランスで配置されています。

奄美鶏飯とは

その昔、奄美大島が薩摩藩の支配下にあったころ、本土からやってくる役人たちをもてなすために作られたのが始まりといわれる「鶏飯」。当時は鶏肉もたまごも貴重な食材。鶏肉を余すところなく使う理由も、そんな歴史から作られたのかも。

奄美大島の中でも、地域や家庭で特色があるのかを尋ねたところ、大きな違いはないとのこと。こちらのお店ではきゅうりの細切りが添えられていますが、地元では葱がたっぷりと使われているそうです。

Cafe umiの鶏飯のスープの特徴は鶏ガラ、生姜、天然塩、椎茸ダシに島の名産「たんかん」の陳皮がアクセント。爽やかな香りが、鶏飯をよりいっそう美味しくひきたてていました。

小鉢に盛られているのは「油ソーメン」。初めて食べましたが、いりこの食感と風味がとても良く、ニラ、玉ねぎなど野菜も入っていて、子どものお弁当に良さそう!奄美の郷土料理をいただきながら、ふと、冒頭の「ただ○○をする会」に、「奄美の郷土料理を作る会」を加えてほしいなと思いました。

1年をふりかえって

縁あってこの場所で開業して1年、「奄美」ということでここを目指して来る人や、路地に迷い込んで偶然辿り着く人、修学旅行生、遠方からの1人旅の女子などなど、不思議な出逢いやご縁をいただくことがあったと言います。

「自然とつながるところが面白い!まずは、自分自身が楽しむこと。自分がおもいろいなと思うことをやりつつ、人との繋がりを大切にしていきたい」と語る寺前さん。1周年の記念イベントを計画中です。

1周年記念イベント「おかげさまで1年もったよ!!!全員集合」

1周年記念イベント「おかげさまで1年もったよ!!!全員集合」は、3月4日~3月10日を予定(3月6日は定休日)。

期間中は来店者への数量限定プレゼントや、普段取り扱いのない奄美大島の名物の販売など、たくさんのお楽しみが準備されるそうです。また、3月4日午後2時からは1周年のアニバーサリーライブ「wind rumor and blissball」 (要予約)も開催予定とのこと。門司港清滝界隈が盛りあがりそうな予感ですね。

詳細は「Cafe umi」インスタグラムで見ることができます。

■住所/北九州市門司区清滝4-1-16 1階
■営業時間/11:00~16:00
■休業日/日曜・月曜
■駐車場/近隣に有料パーキングあり

※2023年2月24日現在の情報です

(ライター・kohalu.7)

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