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出光美術館・門司で展覧会「ジョルジュ・ルオー 内なる光を求めて」開催【北九州市門司区】

(アイキャッチ画像はイメージ<写真AC提供>)

出光美術館・門司(北九州市門司区東港町2-3)で9月6日~11月4日の期間、展覧会「ジョルジュ・ルオー 内なる光を求めて」が開催されます。

20世紀を代表するフランスの画家、ジョルジュ・ルオーの世界を出光コレクションを代表する作品である連作油彩画《受難》や、銅版画集『ミセレーレ』などを通して体感できます。

輝かしい色彩と重厚なマティエールをもつ独特の作品

(画像はイメージ<写真AC提供>)

20世紀を代表するフランスの画家、ジョルジュ・ルオー(1871-1958)。輝かしい色彩と重厚なマティエールをもつ独特の作品は、国や時代、信仰の違いを越えて多くの人々を魅了してきました。

同展では、社会の矛盾や悲惨な戦争からの救済をキリストへの信仰の中に見出したルオーが描いた崇高で深遠なる世界を、出光コレクションを代表する連作油彩画《受難》と銅版画集『ミセレーレ』を中心とする作品を通して堪能できます。

4つの章から作品の魅力に迫る

展覧会「ジョルジュ・ルオー 内なる光を求めて」は、4つの構成からなっています。

第1章 初期の油彩画

一つ目は<第1章 初期の油彩画>。ステンドグラス工房で修業を積んでいたルオーは、1890年、画家を志してエコール・デ・ボザール(国立美術学校)に入学し、ギュスターヴ・モロー教室においてマチスらとともに学びました。

恩師モローの死を経た1900年代初頭頃からは、それまでの宗教画や神話画にかわる独自のテーマを追求しはじめます。とりあげたのはサーカスの「道化師」など、自身の隣人たちの苦しい日常の姿でした。

第2章 中期の油彩画

第2章 中期の油彩画>では銅版画集『ミセレーレ』制作を開始する1920年頃から、連作油彩画《受難》にとりかかる1934年頃までの、ルオーの画業の中期を取り上げています。『ミセレーレ』に取り組んだルオーは、その過程でスクレイパー(絵の具を削り取る道具)の技術とその効果に目覚め、それを油彩画にも応用します。

この技法により、薄片のような色層の重なりある独特のマティエールと、混ざり合いながらも透明感を保った輝かしい色彩を兼ね備えた独特の画風が誕生しました。

第3章 後期の油彩画

《受難》の完成から最晩年までのルオーの画業にとっての後期にフォーカスした<第3章 後期の油彩画>。スクレイパー技法の放棄とオート・パート技法の採用により、絵の具を厚く塗り重ねた新たなマティエールが成立しました。しかも、厚塗りのマティエールの追求は晩年には溶岩を思わせるような独特の表現となります。

一方、色彩は明るい青、緑、黄、赤などを基調とし、画面に鮮やかさが加わるようになっていきました。

第4章 油彩画の代表作 -連作油彩画《受難》

最終章は<第4章 油彩画の代表作 -連作油彩画《受難》>。アンドレ・シュアレスの詩集『受難』用の挿絵原画を油彩画に仕上げた作品が連作油彩画《受難》です。これら82点の原画を見た画商ヴォラールは、ほぼ一年という短期間の内にすべてを油彩で仕上げるようルオーに依頼しました。

このため、時間のかかるスクレイパー技法を放棄せざるをえず、やむを得ず採用したのがオート・パート(絵の具の盛り上げ技法)技法。オート・パートの採用によって生み出された《受難》は後期油彩画の出発点であり、その代表作といえます。

展覧会の詳細は、出光美術館 門司のホームページで見ることができます。

■開館時間/午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■休館日/毎週月曜日(月曜日が祝日および振替休日の場合は開館)年末年始、展示替期間
■入館料/一般700円 高・大生500円 中学生以下無料

※2024年9月4日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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