
北九州の製麺所「大石製麺本店」に聞いてみた 麺を美味しく食べるコツとは?【北九州市八幡西区】
(アイキャッチ画像:「大石製麵本店」製造の麺)
温かい汁物や鍋物が恋しい季節。そんな時に欠かせない食材といえば「麺」です。
今回は、「より美味しく食べたい!」「上手に作りたい!」「麺の種類はどのように選べば?」という麺にまつわることを、北九州市八幡西区で製麺所を営む「大石製麺本店」の専務取締役・大石剛太さんに聞きました。
家族と歩んだ大石製麺本店の歴史
大石製麺本店は昨年、創業50周年を迎えました。
元々は大石さんの祖父が終戦後に当時の八幡市(現・八幡西区)で、息子2人とともに製麺業を創業したことがはじまり。大石さんの父が次男で、結婚を機に夫婦で独立をして、現在の八幡西区青山で「大石製麺本店」を創業したそうです。
子どもの頃から両親の働きぶりを見てきた大石さん。2人の日々の努力や商売に対する苦悩の姿を、今でもよく覚えていると言います。
大石さんの父は、50代半ばという若さで病気のため他界。悲しむ間もなく、大石さんは母と兄の3人で昼夜を問わず懸命に働いて、事業の存続に全力を注ぎ「あっという間に、現在に至った」と振り返ります。
現在の大石製麺本店の工場/大石製麺本店提供大石さんに話を聞いていると、とにかく従業員思いの人であることが分かります。
そして、両親からのメッセージである「兄弟、仲良く」という言葉が、今も強く心に残っているそうです。その言葉を胸に父の店を受け継ぎ、現在も兄弟で従業員とともに切り盛りしています。
麺のプロがおすすめする食べ方3選 「麺」を美味しく食べるには?
大石製麺本店が製造している麺は、九州産の小麦を使ったうどん・そば・焼きそば・ラーメン・ちゃんぽんの5種類。地元の北九州をはじめ福岡県内、山口県と九州全域の主要なスーパーマーケットなどで発売されているとのことです。
左上:「特別な」そば、左下:長浜ラーメン〈細麺・丸〉、右上:うどん〈ゆで〉、右下:久留米ラーメン〈太麺・角〉どの麺も日常でも特別な時にも大活躍の麺。ちゃんぽん麺は、創業時から「むし(蒸し)」と「ゆで」の2種類が定番で、<「特別な」焼きそば>も人気なのだそう。
左上:「特別な」焼きそば、左下:ちゃんぽん麺〈ゆで〉、右:ちゃんぽん麺〈むし(蒸し)〉ここで大石さんに、麺をより美味しく食べるための、ポイントを教えてもらいました。
しゃぶしゃぶで楽しむ麺<うどん・そば>
まず最初に挙げてくれたのが、うどんやそばをしゃぶしゃぶに入れるという提案です。熱いしゃぶしゃぶ出汁鍋で、そばは1~2分、うどんは2~3分温めます。
もみじおろしを添え、甘めのめんつゆで頂くスタイル。筆者もまねて調理してみました。
季節がら、柚子で香り豊かに演出するのも良いと感じました。
調理の一例麺は「焼き」が決め手!<焼きそば・焼きうどん>
焼きそばを作る場合、専用の<焼きそば麺>でも<ちゃんぽん麺>でも好みで選んで構わないそうです。共通して大切なのは「麺をしっかり焼くこと。これはマストです!」と大石さんは強調します。
熱したフライパンで麺の両面をしっかり焼き、焼き目がついてほぐれるくらいになったら一度器にあけます。
筆者の調理の様子その後、肉を焼き、野菜を加えて炒め、全体に火が通ったところで麺をフライパンに戻し、ソースなどで味付けをします。
出来上がりを一口食べた筆者の家族からの第一声は「うん!お店みたい!」。麺をしっかり焼いたことで、香ばしさが増したように感じました。
調理の一例一方、焼きうどんについてのアドバイスも。基本的には焼きそばと同じく麺を焼きますが、焼きそばほど強く焼かず、肉や野菜と一緒に焼いていく感覚がコツだそうです。中の弾力が残るように仕上げると良いとのこと。
