「学」と「楽」を結ぶ リノベ物件に集う5軒の小店【cobaco tobata】
大学准教授とまちづくりセンターの産学連携で生まれたcobaco tobata
戸畑区に、昔の木造家屋をリノベーションしてカフェや陶器屋など個性豊かなお店が5軒同居する「cobaco tobata(コバコトバタ)」という建物があります。cobacoを管理運営する一般社団法人リノベーションまちづくりセンター(以下、まちづくりセンター)の代表理事である徳田光弘さんにお話を伺いました。徳田さんは、普段は九州工業大学の准教授として教鞭をとり、地域デザイン、地域再生の研究をしています。
cobacoは、かつて産婦人科病院として使われていた空き家の使い道に困った家主の方がまちづくりセンターに相談し、徳田さんが「地域をデザインする」という理念から2017年に生みだした産学連携の場です。製作活動のスタッフにはご自身の研究室の学生さんや、まちづくりセンターの方たちが携わったそうです。
建物を再生して地域活性につなげる社会実験
徳田さんは「教育」「研究」「社会貢献」を主軸に、地域にある古い建物を再生して地域活性につなげるという社会実験を行いました。cobacoは、建築を通して地域の経済を活性化し、持続させるというビジネスモデルだと言えます。そして北九州には再生可能な古い建築資源がまだ多く残されているそうです。しかし大きな課題もあります。リノベーションに使われる古い建物は、現代の建物に比べて換気や密室性に劣り、夏は暑くて冬は寒い。限られた予算の中でどこまでの快適性を確保できるか改善中だそうです。
徳田さんと家主の方が面接で選んだ5軒は、お店で扱う商品のオリジナリティーはもちろん、店主の人柄にまでこだわって決めたそうです。cobacoの外観のかわいさに魅かれて訪れたお客さんが、店主の人柄が良くて通うようになったという良い流れが生まれているのにもうなづけます。
雑貨屋からカフェまで個性豊かな5軒を紹介
cobaco tobataに入居中のお店を紹介します。お店同士でのコラボレーションや、留守番をしあったり、仲の良さもcobacoの魅力です。一つの建物で色んなお店をはしごできるのもうれしいですね。
Flor folha
店主は田中光恵さん。オリジナルキャンドルとフラワーアレンジメント、ブーケ、観葉植物のお店です。
■営業時間 11:00~17:00
■定休日 水曜日、日曜祝日
■080‐3227‐1187
■Instagram @florfolha.m
マルハチ珈琲焙煎舎
店主は八児(やちご)美也子さん。cobacoでの憩いのカフェに、自家焙煎豆の販売、豆卸、コーヒーのテイクアウトもあります。
■営業時間 9:00~19:00(しばらくは9:00〜18:00<LO/17:30>)
■定休日 水曜日、イベントによる不定休あり
■050‐3700‐8530
■Instagram @maruhachicoffeeroster
peace
店主は谷口久美さんと島村貴子さん。小物、布物、木工、アクセサリーなどが並ぶ雑貨屋さんです。
■営業時間 10:00~16:30(5月いっぱいは16:00まで)
■定休日 水曜日、祝日
■090‐7449‐6063
■Instagram @peace2008ta
うつわ つなぎ
陶芸家の松下広樹さんが、作品のファンに店舗を求められて出店に至ったそうです。幸せをつなぎ広げていけるよう「つなぎ」という店名になりました。
■営業時間 11:00~17:00
■定休日 水曜日、イベントによる不定休あり
■Instagram @utsuwa_tsunagi
こどものめがねnalco
店主は鳴山和博さん。見える=ひろがる未来をコンセプトにしためがねを楽しむお店です。
■営業時間 11:00~17:00
■定休日 水曜日、木曜日、金曜日
■070-4736-8747
■Instagram @nalco0910
お店巡り、いかがでしたか?
最後にマルハチ珈琲焙煎舎の八児美也子さんにcobacoについてお話をうかがいました。
「建物の雰囲気が、頭の中でイメージしていた景色とあまりにも合致していたのですぐに借りたいと思いました。入居者同士がお互いを補いあい、自然に助け合いが生まれています。一昔前のご近所づきあいが再現されているようでとても助けられています」
cobaco tobataは戸畑区の商業者グループ「間(あわい)の会」と連携して、蚤の市に出店したり地域に根付いた活動も行っています。気になるお店があったらぜひ、遊びに行ってくださいね。
(北九州ノコト編集部)
※5月15日にビデオ通話にて取材しました。