北九州DX大賞表彰式をレポート 受賞企業7社の取り組みとは?【北九州市小倉北区】
北九州市がDXで事業変革する市内中小企業を表彰する「北九州DX大賞」の表彰式が2月15日、北九州国際会議場で開催されました。受賞したのは7社で、いずれも北九州を拠点とした企業です。今回は表彰式の様子を紹介します。
優秀賞4社 EV・チャット・労務管理・保育士の環境改善
表彰式では初めに、受賞企業7社による取り組み内容のプレゼンテーションが行われました。受賞各社の担当者は、会場前方の大きなスクリーンに映し出しながら説明しました。
優秀賞を受賞した企業のうち最初のプレゼンテーションは、株式会社EVモーターズ・ジャパン。人の経験に頼らない工場稼働や独立技術の確立による優位性の確立の取り組みで受賞しました。
同社はEV最終組み立て工場「ゼロエミッションe-PARK」の建設も進めており、市民に「EV」について知ってもらう体験型複合施設としての稼働も目標にしているとのこと。施設の完成が楽しみですね。
続いて、焼き立てクロワッサンなどでお馴染みのクラウン製パン株式会社です。
衛生管理や深刻な人手不足に対して、効率的な経営を実現するため、熟練者が現場に行かずチャットで共有された画像を見ながら指導するなどデジタル技術を活用した取り組みを推進しています。
3番目は、土木・建設の企画や設計など建設業を営む株式会社ケントク。
人手不足などの課題に労働者の健康管理や安全管理におけるシステムを開発するなどデジタル技術を活用し、勤怠管理システムのジョブカンも導入しています。
優秀賞の最後に登壇したのは、株式会社ハピクロ。八幡西区にある「にじいろのはな保育園」の運営と、DX推進支援事業を行っています。
保育園での死亡事故件数第一位は、子どもが睡眠中に起きるといいます。ハピサポセーフティーカメラによる見守りと、睡眠中の呼吸管理を行うハピサポBabyセンサーを使用することで、保育士の業務負荷を軽減するなど労働環境のホワイト化を進めています。
グランプリ&準グランプリ 粗大ごみ回収アプリ・AI活用・溶接レス工法
続いて準グランプリを受賞した2社によるプレゼンテーションです。
まずは、自動車部品や電力部品などの製造を行う株式会社戸畑ターレット工作所が登壇。Iot技術を活用した同社の改善や、生産進捗管理システムYokakitアプリの紹介などを行いました。
「製造業DXコーディネートで製造業に取り組む企業のお困りごと解決致します」と力強く語りました。
次に自動車・住宅部品の製造業などを営む松本工業株式会社がデジタル技術活用の取り組みについて説明しました。
同社は、溶接による使用電力やCO2排出量の課題に対し、溶接レス工法Jmecの開発。「日本伝統の木文化が生み出した釘を使用しない宮大工・木工の木組みに似た技術」と、わかりやすく解説していました。
最後は、グランプリを受賞した株式会社西原商事ホールディングス。廃棄物収集や処理事業を行っています。脱炭素先進企業認定を受けるなど環境に配慮した取り組みを紹介しました。
特に印象的だったのが、一般家庭向け粗大ごみ回収アプリケーションの「DUSTALK(ダスト―ク)」。家庭での粗大ゴミの回収の悩みを解決すべく開発したとのことで、企画をしたのは同社の新入社員だったそう。
「新たな価値を創造し成長し続ける企業へ」とさらなる飛躍に向け挑戦していく姿を示しました。
最後は受賞企業の関係者全員が登壇
取り組み内容の発表後は武内市長が登壇し、受賞7社へ表彰状を授与しました。
1社ごとにステージ中央に呼ばれ、武内市長から直接表彰状が手渡されます。
武内市長は、「『北九州市といえばDX』と話題が多く出ることがとても嬉しく、これも企業の皆様の努力、挑戦の賜物だと思います。本日受賞された各社の取り組みがさらにほかの企業へと波及していくことを心から願っております」と、受賞各社を称え、さらなる北九州のDX向上を願うスピーチをしていました。
最後の記念撮影では、司会者からの「ガッツポーズしましょう!」という言葉に合わせ、会場全体がにこやかな表情を浮かべ表彰式は終了しました。
市民生活にも関わるDX
一般市民からすると「DX」は少し遠い話題に感じますが、グランプリを受賞した西原ホールディングスの粗大ごみ回収アプリケーション「DUSTALK」など、実は身近なところで良い変化が起きている(もしくは今後起きるかもしれない)ことを知りました。
DXに積極的な北九州市。いち市民としてもDXに注目していきたいですね。
※2024年2月20日現在の情報です
(北九州ノコト編集部)