
「北九州昭和夏まつり2025」10日間連続で参加してみた チームワークに感動【北九州市小倉北区】
(アイキャッチ画像:「北九州昭和夏まつり2025」開催の様子)
地域を盛り上げる人々との出会いの場
やぐらの周囲に集まった人々が、世代も国境も超えて一緒に踊り、笑顔でつながる光景。そこにはただの祭りを超えた「出会い」と「交流」が広がっていました。
笑顔でつながる盆踊り<やぐらダンサーズ>
巨大やぐらの下で繰り広げられる、昭和歌謡曲にあわせて踊る盆踊り。昭和歌謡曲がDJブースから流れるという時代のギャップを感じる面白い光景でした。
筆者は、昭和・平成・令和という世代の垣根を越え、また国境を越え、さまざまな属性を問わず、人々が一同に集い一緒になって踊る光景に平和の原点を感じました。
開催中は、毎日10人前後の「やぐらダンサーズ」と呼ばれる人たちが登場。初めて参加する人にも楽しく踊れるように、丁寧に踊りを教えてくれてる様子に感心しました。
10日間連日参加した筆者は、毎日異なる人と一緒に参加。はじめは踊るつもりがなかった人も「踊ってみようかな」と思わせてくれる、優しく頼もしく引っ張ってくれる声掛けのおかげで、うまい具合に巻き込まれていました。
また、ダンスとは縁遠い生活をしている筆者も貴重な体験となりました。今日出会った名前も知らない人たちと一緒に踊る、コンサートにも似た歓びや楽しさが盆踊りにある発見しました。
3世代が笑顔で集い踊れるように!
選曲は、「学園天国(1974年)」や「銀河鉄道999(1979年)」、「青い珊瑚礁(1980年)」、「2億4千万の瞳(1980年)」、「DESIRE-情熱-(1986年)」、「パラダイス銀河(1988年)」など盛り上がること間違いなしの楽曲ぞろい。
歌謡曲と盆踊りがこんなにもフィットするなんて驚きの世界です。そして、昭和歌謡の間には、福岡県に伝わる民謡で盆踊りの定番曲「炭坑節」をはさみました。世代を繋げようという心意気や地域文化への気配り、優しさを感じて嬉しくなります。
歌謡曲の選曲やオリジナル振り付けを担当したのは、日頃は小中学校や支援学校のダンス指導をしている先生とのこと。どの踊りの動きもとても分かりやすく、その歌謡曲を全く知らなくても、楽しく踊れるようになっていました。小さな子どもたちも見よう見まねで踊れていて、微笑ましく幸せな気持ちになります。
踊りの先導はリズムに合わせてオノマトペの声掛けが絶妙で「トン、トトン、フー!」「ガオ、ガオ」「ポイポイポイ」観衆を飽きさせない振付と掛け声。思い切りの良さの中にも思いやりが感じられ、とても心地よい空間でした。
太鼓が響かせる街の力<太鼓ステージ>
さらに盆踊りの際には、音楽に合わせて音頭をとっていた小倉太鼓の「扇祇會(おうぎかい)」の太鼓との出会いがありました。

扇祇會は北九州を中心に活動する男女混合の太鼓チームだそうで、盆踊りとは別に、演武の披露もあり、たくさんのエネルギーをもらいました。

また別の日には、「飛龍八幡太鼓」の演武もあり、つくづく太鼓の文化が息づく街にいることは幸せだと感じました。
北九州ゆかりの出演者と地域がつながる多彩なステージ
日替わりで展開されるステージもバラエティーに富んだプログラム。総合司会者の優しく響く声は、聞き取りやすいものでした。
初日はテレビでおなじみのお笑い芸人やコンビが登場する一方、北九州市立高校のダンス部やキッズダンスなど、地域ならではの若い世代のステージはつい応援したくなりました。
北九州出身のバンドボーカルの凱旋ステージがちょうど中日にあり、会場のボルテージを引き上げてくれます。そして、会場である勝山公園でのメジャーデビュー前の思い出話は、より一層ステージを灌漑深いものにしてくれました。
北九州出身で初登場のソロシンガーは、若いながらも昭和の名曲をしっぽりと歌い上げました。他にもシンガーによる夏の暑さをふきとばすような名曲が熱唱されるなど、地域でも活躍する人たちの魅力再発見のステージでもありました。
人を笑顔にしたいと願う人々
会場のいたる場面で、おもてなしの心も感じました。例えば、公園の大芝生広場にたくさん設置されたテーブルとベンチ。

やぐらを中心とした踊るスペースを適度に確保したうえで、園内をぐるりと一周、2列~4列のレイアウトで席が用意されていました。

テーブルの上にはウェットティッシュやアルコールスプレーまで備えられていました。
そして各所にゴミ箱が設けられており、あとから「日本一クリーンなまつりに」 というスローガンがあったと知りました。これには、感心とともに感謝を覚えました。
また、90ほどある店のほとんどは飲食店や縁日。その中で、祭りでは珍しい店にも出会えました。
中には、子どものおやつなどを販売する傍らで、おむつ交換や授乳ができる場所を提供する出店者も。子育て中でも楽しんでほしいと心から願っていると笑顔で話してくれました。
協賛も含めて2回目の参加となる、門司区の写真館は無料撮影をしていました。
ほかにも、夏まつり公式インスタグラムを見て、筆者も購入した夏まつりオリジナルシャツの店。サラサラした生地で素晴らしい着心地のシャツは、なんと米国テキサス州でデザインされたそうで、国境を越えた参加に驚きました。
小さな子どもたちが飽きずに楽しめるように、ふわふわ遊具コーナーもあり、小さな子どもがいる家族がストレスなく楽しめるような工夫されていると感じました。