キャリアを捨て異業種へ飛び込む覚悟/溝上酒造マネージャー・溝上美音さん
西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。
お酒と結婚してしまったのかも
甲木:先週は、日本酒の話で盛り上がりましたね。蔵開き行きたいね。
梁:来年、絶対行きましょうね!
甲木:行きましょう!
梁:ハンドルキーパーはしませんよ。
甲木:私もしませんよ。ここは公共交通機関で。あ!横山さんにハンドルキーパーしてもらいましょう。(笑)
早速、ゲストお呼びしましょう。先週に引き続き、北九州市八幡東区の溝上酒造取締役マネージャー 溝上美音さんをゲストにお招きしお話を伺います。よろしくお願いします。
溝上:よろしくお願いします。
甲木:先週、溝上さんの前のお仕事は何だったんですかというところで終わりましたが、その前にもう一つ、リスナーが気になっていることがあると思う。それは溝上さんの苗字。溝上酒造の「溝上」でしょう。
梁:気になってたんですよ。
甲木:そうでしょう。社長は溝上智彦さんとおっしゃるんですよね。同じ苗字なので、みんな気になってると思うんです。その辺も聞かせていただいてもいいですか?
溝上:えっと、奥さんです。(笑)
甲木:最近、結婚されてそうですね?
溝上:前は別の仕事をしていたんですが、一人でコロナを乗り切って、この業種をするのも大変かなと思い、意を決して、初めて緊急事態宣言が出た日に入籍しました。
甲木:まさにコロナ婚なんですが、元々日本酒はお好きで?
溝上:そうですね。私がリラクゼーションのお仕事をしていて、お客さんが「美味しい日本酒が八幡でも作られているから、日本酒の会に行きましょう」ということでお酒目当てに行ってみたところ、そこに(主人が)いました。
梁:今の旦那さんが?
溝上:そうですね。
甲木:日本酒好きの人が誘われて日本酒の会に行って、そこの蔵元の社長さんに出会うとか夢のような話ですよね。
梁:ドラマですね。
甲木:羨ましすぎますよ。
溝上:お酒と結婚してしまったのかもしれない。(笑)
溝上・甲木・梁:(笑い)
キャリアを捨てる葛藤はありました
甲木:先程お話の中でも、前はリラクゼーションの仕事をされていたということですが。
溝上:はい。元々はプールのインストラクターをしていたんです。
甲木・梁:プールって泳ぐプール?
溝上:はい。北九州市の水泳協会の理事もさせて頂いているんですけれど。プールって足腰の悪い方もリハビリに来られて、(私が)少し整体ができるのでプールサイドで整体をしているうちに、いつの間にか有料になり、そのまま独立して。
甲木:それが本業になって?
溝上:そうですね。それで、脱サラしてそのまま法人を作り、整骨院やリラクゼーションの会社をやったりとか。話が戻りますが、お酒も旦那さんに世代が変わり、一人じゃ大変よねということで、最初は片手間でお手伝いをしていたんですが、だんだん二足の草鞋っていうのがつらくなってきて…。どちらも中途半端になるぐらいならと意を決して、それから新米マネージャーとして溝上酒造の仕事を始めました。
甲木:そして今取締役?
溝上:はい。
甲木:全然違う業種ですからね。
溝上:私の場合は、私は一代で始めた事業ですが、彼は約180年の歴史を抱えてる重圧だったり、私もシングルマザーで子供がもう育ちあがったり、ちょうどタイミングがあるんでしょうね。人って。
お店に行ったら「天心ください!」
甲木:私たちから一つお願いがあるんですけど。福岡市の飲食店ってなかなか「天心」とか「皿倉」とか置いてくれてないんですけど。北九州市出身の者としては、福岡にいる時すごい悔しくて。
溝上:ありがとうございます。
甲木:筑後や佐賀のお酒はあるんよね。
梁:置いてますね。
甲木:何で北九州のお酒ないんですか?どうやったら置いてもらえるんですか?
溝上:うちなんかはメーカーのノウハウしかなくて、私はまだ新米営業なのでどうしたらいいのか。お酒は酒屋さんに行くんですが、酒屋さんが「ここのお酒をとろう」と思うのは酒屋さんの自由だからですね。あとは、みんなで飲食店に「『天心』ないんですか?」「『天心』ください」って声が上がってくると、酒屋さんも「『天心』入れようかな」って思ってくれると思います。
梁:みんなで言い続けるしかないですね。
溝上:私は頑張って営業を。
甲木:じゃあ、私たちは「『天心』ください」って声を上げます。
溝上:ありがとうございます。
季節の花を愛でながら一献 スナフキンのような生活が夢
甲木:最後に、美音さんの将来の夢や今後挑戦してみたいことってありますか?
溝上:私は、早く会社が私たちがいなくてもちゃんと回るようになって、私はスナフキンのような生活をしたいですね。キャンピングカーに乗ってぶらぶらと。桜が咲いたら桜前線を追いかけて北に行き、秋になったら紅葉を追いかけ戻ってきて。冬は寒いので家にいてもいいけど。そんな生活がしたいですね。(笑)
甲木:吟遊詩人のように。
溝上:「天心のスナフキン」と呼んでください。
甲木:いいですね。そして、桜を見ながらお酒を飲み、そこでキャンプをして。
溝上:贅沢はいらないタイプなので、自然の花を愛でながら、そこで一献飲めれば良いなって。
梁:今良い言葉が!「一献」。
溝上:それが至福ですね。ガソリンと一台の車とお酒があれば。それを目指して今頑張っています。
甲木:溝上酒造さんにも未来永劫続いてほしいですけど、美音さんたちご夫婦のそういう幸せの旅も続くと良いなと思っています!
〇ゲスト:溝上美音さん(溝上酒造マネージャー)
〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)
(西日本新聞社北九州本社)