北九州市漫画ミュージアムは漫画好きの聖地 マンガ約7万冊を自由に読める?
松本零士、わたせせいぞう、畑中純、北条司ら著名なマンガ家が数多く誕生した北九州市。
そんな「漫画の街」でマンガの持つ魅力を発信しているのが、今年8月に開館10周年を迎える「北九州市漫画ミュージアム」です。
「見る!」「読む!」「描く!」の3テーマでマンガの魅力を発信
北九州市漫画ミュージアムは、地元ゆかりのマンガ家を中心に、幅広くマンガ作品と関連資料を収集・保存し、マンガの特性や魅力を伝えていくための研究を行うマンガ文化の拠点施設。その研究成果を展示や閲覧などに活かし、マンガの持つ魅力や特性を次世代へ伝えるという文化振興の一翼を担っています。
ミュージアムは「見る!」「読む!」「描く!」の3つのテーマから成り立ち、子どもから大人まで幅広い世代を楽しませてくれます。
中でも、地元ゆかりのマンガ家やマンガの歴史、北九州市漫画ミュージアムの初代名誉館長である松本零士のコーナーがある「常設展示」と、オリジナル企画展・全国の大型巡回展・他館との共同企画展が行われる「企画展示」が大きな柱となっています。
6階「常設展示」エリア 松本零士コーナーや「閲覧ゾーン」など
あるあるCity6階にある「常設展示」エリアの入り口では、「銀河鉄道999」のメーテルがお出迎え。等身大の「キャプテンハーロック」フィギュアとの記念撮影も人気です。
入り口を入ってすぐの場所にあるのが、「北九州発・銀河行き~松本零士を生んだ街~」。北九州ゆかりの漫画家・松本零士の生い立ちや業績を紹介。撮りおろしインタビュー映像やアニメ作品などを見ることができます。
続く「漫画の七不思議」コーナーでは、マンガができるまでの過程やコマ割りの規則など、マンガの仕組みを分かりやすく紹介。北九州出身の漫画家・関谷ひさしの仕事机(実物)が展示されています。マンガのコマの中に入って写真を撮ることができるものもあるので、見本の写真を見ながらポーズをとって『なりきり写真』を撮影するのもおもしろいですよ。
その奥へ進むと、北九州という街と漫画の関わり、ゆかりの漫画家について紹介するコーナー「漫画の街・北九州」があります。ずらりとボードに掲げられた漫画家の名前を見ると、「この人も北九州にゆかりが?!」という初めての気付きと驚きも。名前を聞いたことがある漫画家の人が北九州出身だと知れば、より親しみがわいてきますよね。
「漫画タイムトンネル」は、1945年から2012年まで戦後の日本の漫画と社会の歴史を実際に手にとって読めるマンガ単行本などによって紹介。懐かしい当時の代表作の第1巻が時代ごとに並び、自分とマンガとの関わりを振り返ることもできます。家族など年代の違う人たちと行くと、「自分の記憶にあるのはこのあたりからだな」「一番マンガを読んでいたのはこの時代だった」「この作品は私たちの世代はみんな読んでいた」など、話が盛り上がること間違いなし。反対側の壁には「オー!モーレツ!!」など、時代とリンクした懐かしいワードが吹き出しとともに描かれているので、記念撮影にもピッタリです。
その先に見えてくる「あしたのギャラリー」では、地元で活躍中の新進クリエーターなどの作品を紹介しています。定期的に展示品は入れ替わっているので、訪れるたびに新鮮な出会いが待っていますよ。
編集部のイチオシスポットは、約7万冊のマンガ単行本を自由に読むことができる「閲覧ゾーン」。人気マンガはもちろん、書店でももう手に入らないような年代物のレア作品など、さまざまなマンガがズラリと並ぶので、1日いても読み飽きることがありません。また、読みたいマンガがあるのに見つけられなくて困った時には「ソムリエカウンター」に相談すれば、置いてある場所を教えてもらえます。
5階では多彩な企画展を開催 現在は「矢口高雄展」開催中
あるあるCity5階の企画展示室で行われる「企画展示」では、オリジナル企画展や全国の大型巡回企画展、他館との共同企画展などが実施されます。
現在は、釣りマンガの傑作『釣りキチ三平』の作者として知られるマンガ家・矢口高雄の50年にも及ぶ画業を膨大な原画とともに振り返る回顧展「矢口高雄展 夢を見て 描き続けて」(5月15日まで)が開催中です。
また、6月11日からは「ちはやふる展」が開催される予定となっています。
企画展だけでも観覧可能ですが、セット券を購入すれば常設展も併せて見ることができます。
子ども・大人・初心者、誰もが参加できる漫画体験イベント
各回のテーマに沿って講師が漫画の描き方のコツや上達する方法などを指導する「漫画スクール」、初心者から楽しめる参加自由の「漫画体験」といった、マンガを体験できるイベントも定期的に開催されています。
子ども向けのものもあれば、大人が参加できるものもあるので、親子で参加してみるのもおもしろいかもしれません。開催予定日は、「北九州市漫画ミュージアム」公式ホームページでお知らせされています。
何度も通うなら「年間パスポート」 陸奥A子イラスト柄のデザインのものも
7万冊ものマンガを読むために、何度も通いたいという人には、「年間パスポート」がお勧めです。通常「閲覧コーナー」を利用するためには、常設展入館料(一般480円、中高生240円、小学生120円、小学生未満は無料)が必要ですが、年間パスポートを持っていれば購入から1年間、6階の常設展に何度でも通うことができます。また、年間パスポートを提示すると、企画展の観覧料が割り引きになることもあるそうです。
年間パスポートの料金は一般2400円、中高生1800円、小学生1200円なので、「閲覧ゾーン」に5回以上通いたいという人だったらゲットしておきたいところです。
年間パスポートのデザインは、北九州市ゆかりの漫画家、松本零士と陸奥A子のイラスト柄の2種類のデザインが用意されています。
一般・中高生・小学生の区分でデザインが異なりますが、いずれも素敵なデザインとなっています。
その他、施設の詳細は「北九州市漫画ミュージアム」公式ホームページで見ることができます。
■住所/北九州市小倉北区浅野2-14-5 あるあるCity5・6階
■開館時間/11:00~19:00 ※入館は閉館の30分前まで
■休館日/火曜(休日の場合はその翌日)、年末年始、館内整理日
■写真提供/北九州市漫画ミュージアム
※2022年4月19日現在の情報です
(北九州ノコト編集部)