写真家・岩合光昭さんで有名になった『ボスネコ』と「大正町商店街」【北九州市若松区】
いつ見ても映えポイントの赤い若戸大橋のたもとには、かつて若松が石炭の積出港だったころの繁栄を今も伝える商店街がいくつもあります。
たとえば現在は若松区本町と町名が変わっている「明治町銀天街」など、年号が付いた街にはその時代の繁栄をうかがわせます。
その若松の商店街の中でNHK BSプレミアムの「岩合光昭の世界ネコ歩き」で取り上げられたのが、若松区浜町にある「大正町商店街」。こちらも年号が付いた商店街です。
そんな「大正町商店街」へ出かけてきました。
テレビで放映されたボスネコに会いたい
通常、街の中のネコちゃんはなかなか心を開いてくれないものですが、岩合さんのネコネコテクニックで素顔を見せてくれたネコちゃんたちは今もこの商店街でのんびり暮らしているようです。
商店街の方にお話をうかがいました。
丸康青果の番台でご主人様と店番していたのは「しんちゃん」。お客さんが来たらいらっしゃいませと言わんばかりに可愛いポーズをとってくれます。
商店街入口で人懐こくなでてくださいと初見ですり寄ってきてくれたのは「にゃあ」くん。
「この子はこんなに健康的で強そうにみえるんだけど一番身体が弱いんですよ」。
ネコチャンだけでなくファミリーにもやさしい若松の商店街めぐりが楽しい
お散歩から帰ってきてご主人様に甘えているのは岩合さんの一番のお気に入りのボスネコ「パンダ」くん。
お話を伺った江口海産物店では手作りの明太子が売られています。
その製法はまず3日ほど味付けをするとのことですが、唐辛子は当日にしかまぶさないのだそうです。
わけを伺うと表面をパパッと払えば中まで辛みが浸透していないので、大人だけでなく子どもにも食べてもらえるからだとか。また、本当に辛いのが苦手な人のためにたらこも販売しているとのこと。
丸康青果では無農薬でそのまま食べられるイチゴと、なんとも周囲に美味しそうな匂いを漂わせている石焼芋が人気ですぐに完売してしまうそう。
昔からずっとこの味で愛され続ける名物のイカキムチ
「そこのお店のイカキムチも絶品よ」。教えていただいたのは丸窓天ぷら店の斜め前の「マル味食品」。
昨年(2022年)9月に近くの共栄市場から移転されてきたとのことです。
市場では43年間、先代のお母様が店を守られてきましたが、移転してお店が新しくなり娘さんが後継されても仕込みなどはお母様が現役で一緒にされているとのこと。
「昔からのお客さんはずっとこの味で慣れてきてるからね、お客さんに同じ味で届けないと」。
名物のイカキムチはお母様が食べやすいようにイカとキムチだけでなく大根やねぎなども入れたまろやかな味。「いかの塩辛も真っ赤に見えるけどそれほど辛くないですよ」とのこと。
どうしてそのようにあまり辛くない食品をつくろうと思ったのかと尋ねると、「このあたりはね、お年寄りの方が多いんですよ。一緒にお孫さんを連れてこられることが多いのね、だからお子さんもお年寄りも、みんなで食べられるものをと思って。あ、裏メニューだった青唐辛子の塩辛はすごく辛いから気を付けて食べてくださいね(笑)」。
どのお店も味や品質にこだわっていますが、根底にあるのは「地域の方の食に寄り添う」気持ちであることを深く感じたお店巡りでした。
岩合光昭さん写真展「世界ネコ歩き2」 北九州市立美術館分館で開催中
そんなネコ大好き動物写真家の岩合光昭さんの写真展が、先月から北九州市立美術館分館で行われており、2月1日には来場者1万人になったとのこと。
分館はリバーウォーク北九州の中にあるのでお出かけついでにすぐに立ち寄ることができて、便利でいいですね。中には写真と立体写真の間に入って記念撮影もできるエリアが設けられています。
また階下の一部では岩合さんの写真集ほか、ネコチャンに関するグッズの販売も行われていて来場の皆さんは目を輝かせながらお気に入りを探していました。
入場した筆者がふと気が付いたこと。
「同じポーズで同じネコチャンでもポスターの写真と中で展示されている作品のネコちゃんの表情が違う!」
もし来館することがあればちょっと注目してみるのも面白いかもしれませんね。
写真展「世界ネコ歩き2」は、2023年2月26日までの開催です。
※2023年2月15日現在の情報です
(ライター・いるかいる)