「三宜楼」で門司港の栄華を想像する【北九州市門司区】

(アイキャッチ画像:下地窓の一つ)

門司港の坂の上にある、大きな和風建築が「三宜楼(さんきろう)」です。

今回は門司港の歴史とともに年月を重ねた「三宜楼」について紹介します。

三宜楼の歴史

三宅アサという女性が一代で築き上げた門司港の高級料亭「三宜楼」。高級料亭というだけあって、細かなところにまで気配りを感じる建物です。

かつては、出光興産の創業者である出光佐三(いでみつさぞう)や、元総理大臣の佐藤栄作、俳人の高浜虚子など数多くの著名人が訪れたといわれ、写真などの資料が残されています。

1931(昭和6)年に建てられた三宜楼は坂の上にあり、当時は門司港だけでなく関門海峡を広く見渡せる最高のロケーションでした。現在は、高い建物が立っているため当時とは異なりますが、それでも関門海峡も眺められる今でも景色のいい場所です。

廃業してからずいぶん経ち、売却の危機にさらされながらも、地元の有志による保存活動により当時の姿を残しています。

見どころと言えば下地窓

各部屋や廊下などに施されている明かりを取り込む下地窓。

部屋の中での統一はされているものの、すべてが同じではなく、40種類ものデザインで施されています。

月や雲など自然を模したものも多く、40種類すべて見つけてみたくなります。

三宜楼の中でも一番大きく一番印象的だった下地窓。

門司港を象徴する碇(いかり)に、三宜楼の家紋の桔梗の花を組み合わせたといわれています。

見どころはほかにも…

2階には百畳間(ひゃくじょうま)と呼ばれる立派な大広間、3階は関門海峡が見える眺めの良い和室があります。

当時の調理場は修復できずになくなっていますが、当時ではめずらしかったであろう、食事を運ぶためのエレベーターがついていたとかで、その跡が確認できます。

電話室もその当時を復元。写真とともに残っています。

三宜楼の雰囲気にとても馴染んでいる和服の人もいました。写真撮影も自由ですので、成人式や、七五三の記念撮影に晴れ着で来る人もいるのだそう。

入って左手にベルがあるので鳴らすと、地元のボランティアが案内してくれます。説明を受けながら回ると、より想像が膨らんで見学が充実しますよ。

詳細は「門司港レトロインフォメーション」ホームページで見ることができます。

■住所/北九州市門司区清滝3-6-8
■開館時間/10:00~17:00
■休館日/月曜日(祝祭日の場合は翌日、12月29日~1月3日)
■料金/見学無料
■駐車場/なし(近隣にコインパーキングあり)

※2023年3月7日現在の情報です

(ライター・にわかなみ)

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