北九州市立美術館本館で企画展「奇想の浮世絵師 歌川国芳」開催中
(画像=《二十四孝童子鑑 大舜》天保14-弘化元年(1843-44)頃)
北九州市立美術館本館で、企画展「奇想の浮世絵師 歌川国芳~魅惑の演出スペクタクル」が開催中です。
斬新な構図と機知に富んだ発想力が異彩を放つ「奇想の絵師」
歌川国芳(1797~1861)は、幕末期に活躍した浮世絵師。北斎や広重に代表される数多くの浮世絵師の中でも斬新な構図と機知に富んだ発想力はひときわ異彩を放ち、「奇想の絵師」として知られています。
錦絵がたびたび発売禁止や絶版となった時代に、国芳は規制をくぐり抜けるようにさまざまな画題に取り組みながら、痛快でエネルギーに溢れる作品を次々と提供し、人々の注目と共感を得ました。
その国芳の飽くなき好奇心と近代的感覚による魅力的な演出の数々は、今でも私たちの目を楽しませてくれます。
出世作「水滸伝」シリーズほか、約150点を展示
今展では、国芳の出世作である「水滸伝」シリーズをはじめ、3枚続きの大胆な構図による妖怪退治や歴史画、身近な動物を擬人化して世相を風刺した戯画のほか、役者絵、美人画、洋風の風景画、貴重な肉筆画など、約150点を展示。それらの作品を通して、さまざまな新機軸を打ち出した国芳の魅力が紹介されています。
世界的建築家が設計した「丘の上の双眼鏡」北九州市立美術館本館
戸畑区、八幡東区の二区にまたがる丘の上に建つ「北九州市立美術館本館」は、西日本における公立美術館の先駆けとして1974年に完成しました。展示室は、豊富な収蔵品を展示する「コレクション展示室」と、優れた企画展を開催する「企画展示室」に分かれています。
カテドラル(聖堂)をイメージして設計された建物は、「丘の上の双眼鏡」と呼ばれているそうです。設計したのは、2019年、建築界のノーベル賞ともいわれる『プリツカー賞』を受賞した世界的建築家、磯崎新(いそざき・あらた)氏です。
1987年には、地元作家の発表の場を設ける意図で別館(アネックス)が増築され、1階の市民ギャラリーは発表の場として利用されています。
企画展概要
「東アジア文化都市北九州2020▶21」連携事業でもある、企画展「奇想の浮世絵師 歌川国芳~魅惑の演出スペクタクル」。概要は下記の通りです。
企画展名 | 奇想の浮世絵師 歌川国芳~魅惑の演出スペクタクル |
開催日時 | 1月5日(火)~2月28日(日)午前9時30分~午後5時30分 ※入場は午後5時まで |
会場 | 北九州市立美術館本館(北九州市戸畑区西鞘ヶ谷町21-1) |
休館日 | 月曜 ※ただし月曜が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日火曜が休館 |
入場料 | 一般1200円、高大生800円、小中生600円 |
北九州市立美術館本館HP | https://www.kmma.jp/honkan/ |
(北九州ノコト編集部)