映画の街・北九州ならではの強みは? /北九州フィルム・コミッション事務局・片山健太郎さん
西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。
北九州フィルム・コミッションによる初めての映画イベント
甲木:おはようございます!西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。
横山:西日本新聞社の横山智徳です。
甲木:横山さん、私たちお互い映画好きですよね。
横山:はい。今年は、前半に小倉昭和館のシネマパスポートを購入したこともあって、結構集中して観たような気がします。
甲木:私は、北九州市の事業「東アジア文化都市」の関係で、北九州ゆかりの映画を小倉昭和館がずっと上映してくれていたので、よく観に行きました。では、本日のゲストをお呼びします。北九州フィルム・コミッションの事務局次長をされている片山健太郎さんです。よろしくお願いします。
片山:よろしくお願いいたします。
横山:よろしくお願いします。
甲木:フィルム・コミッションは、映画やドラマのロケ誘致や撮影場所の選定、エキストラ募集などの撮影支援をしている団体ですよね?
片山:はい、そうです。
横山:北九州市役所がやっておられるのですか?
片山:はい。事務局が北九州市役所の中にありまして、スタッフも市の職員が従事しています。
甲木:市を挙げて映画撮影の支援をしているということですね。
北九州で撮影された数、なんと582本!
甲木:映画イベントを企画されたそうですが?
片山:はい。映像作品撮影の誘致は平成元年から始めました。目的は、都市イメージ向上のためのひとつのツールとして、映像を通して北九州の魅力を市民の方々に再確認いただき、また全国の方々にも発信するというものです。おかげさまで30年以上の活動の中で映画だけで100本以上、ドラマ、テレビ番組、CMも含めると2020年度末までに582本の作品を北九州で撮っていただいています。今回の映画イベントは、そんな活動成果を支えていただいている市民の皆さま、エキストラの皆さま、ロケ地の皆さまと今一度分かち合いたいと思い、企画させていただきました。
甲木:なるほど。いかに多くの映像作品が、北九州と関わりがあったかということを市民と振り返り分かち合う、そんな映画イベントなんですね。
片山:そうですね。「皆で一緒につくる」というコンセプトもあったので、映画イベントのポスターもエキストラの方々に出演いただき、応募された中から50名の方々を写真スタジオで撮影しました。エキストラの方々にとってもこうした試みは初めてだったので、最初スタジオには緊張して入ってくるんですけど、カメラマンとのやりとりが始まって、終わる頃には皆満面の笑みでした。
甲木:エキストラもモデルのような体験をされたんですね。
無理難題に応じられる「強み」
甲木:片山さんは、フィルム・コミッションで市民の方も巻き込みながら今まで映画の撮影支援をしてこられたのですけど、ご苦労とかは?ロケ地探しなどをされているんですよね?
片山:フィルム・コミッションの仕事の一番のベースは撮影支援なので、「こんなドラマ、こんな映画のロケ現場を探しているので、北九州でなんとかならないでしょうか」という相談をいただいて、一軒一軒、北九州市で撮れる場所を探して行くことになります。俳優も監督も制作会社も全部東京にあり、普通はどのプロデューサーも余計なお金をかけてまで地方の撮影はしないものです。しかし、私たちが支援した撮影は他の地域ではなかなか撮れないものであったり、無理な難題だったり、納期が全然なかったり、そんなことが多かったので大変でした。
甲木:無理難題って、どんなものが来るのですか?
片山:通常、あまり出来ない撮影を求められることです。北九州の一番の強みは、道路などの大規模な封鎖や大規模な爆破を伴うようなものなど、関東近郊ではなかなか実現が難しいような撮影が出来ることですから。
横山:強みとはいえ大変ですよね。封鎖とか爆破とか…。
甲木:フィルム・コミッションのおかげで、北九州が数多くの映画に登場しているのですね。
横山:エキストラの方が、本物の役者さんのように載っているブログの中で、「あなたにとってエキストラとは?」というインタビューに対し「人生を変えた」と答えている人がいましたが、今の話を聞いていると、大げさではないと思えました。僕もエキストラとして出たいです。
片山:ありがとうございます!
〇ゲスト:片山健太郎さん(北九州フィルム・コミッション事務局)
〇出演:甲木正子、横山智徳(西日本新聞社北九州本社)
(西日本新聞北九州本社)