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【ファンファン北九州#16】平尾台自然の郷 岩本昌子さん<後編>

ゲストの岩本昌子さん

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

高知出身で「平尾台」とは縁もゆかりもなかったのに、なぜ?

甲木:先週は、平尾台の話で盛り上がりましたね!今週も引き続き、小倉南区の「平尾台自然の郷」岩本さんにお話を伺います。

岩本:よろしくお願いいたします。

甲木:前回の終わりにちらっと、岩本さんは実は高知のご出身で、平尾台に縁もゆかりもないということが分かったんですが。

梁:一体そこに何があったのか!

甲木:なぜ、高知から平尾台に?

岩本:高知にいたのは高校卒業の18歳までで、大学進学で県外へ出て、仕事がきっかけで北九州、その後福岡の支店に異動になりました。その間に、平尾台との出会いがありました。

甲木:その時は、OLさんだったんですか?

岩本:はい。当時、事務機器の会社で営業をしておりまして、ちょっと太った時期があって…今に比べたら痩せてるんですが。(笑)

甲木:大丈夫!

梁:綺麗です!

岩本:まだ、当時20代だったので気にして、スポーツジムに通い始めて。そこで、平尾トレイルランニングに携わっている方と出会いまして。ダイエットのために通い始めて、ちょっと走るのが楽しくなってきた時で、「そんなに走るの好きだったら、ジムのルームランナーじゃなくて山走ってみたら?」と勧められまして。

梁:山って走るものなんですか?(笑)

甲木:走るのが好きな方もいらっしゃいますから。

岩本:平尾台トレイルランニングレース17kmの出場を決めて。

甲木:これは西日本新聞社も協賛している春の大きなイベントですよね。

石原町駅(日田彦山線)から平尾台まで車道を1人走った?!

岩本:出場するからには一回練習に行かないとなと思い、それで初めて1人で平尾台に行きました。

甲木:1人で?!

岩本:はい。一番近いJR日田彦山線の駅 石原町駅で下車して、平尾台までのアクセス道路を走って登って行きました。

甲木:いやいやいや。普通、私たちが車で登るあの道ですよね?

梁:あの道を走ったんですか?!

岩本:走って登って行きました!

甲木:それはちょっとトレイルランニングじゃないですよね。

梁:どっからトレイルランニングしてるんですか?(笑)

岩本:平尾台に到達するまでが長くて。(笑)

甲木:あそこは、バスなどの公共交通機関がないから、歩くしかないと思われたんですね。

岩本:そうなんです。当時は、トレーニングも兼ねてと思って。

梁:アグレッシブな精神がそうさせたんですね。

甲木:でも、20代女子が1人であの山道を走って登るって変ですよ。(笑)

梁:この子は一体何をしてるんだろうって。(笑)

ウオーキングイベントに参加。そこでの出会いが・・・

岩本:そんな中、もっと平尾台のことを知れたらなという思いがあって、平尾台自然の郷が企画してるウオーキングイベントに参加をしました。それが、約1年後の2013年3月で、そのイベントで久下との出会いまして、今私の上司です。ガイドとして案内してくれたのですが、話が本当に面白くて。

やっぱり、ランニングという目で来ていた平尾台と、ガイドさんと一緒に歩く平尾台とでは本当違うものに見えまして。同じ道を歩いても、こうも違うのかと。

甲木:それは、やっぱり草花のこと、石灰岩のこととか教えてくれるんですか?

岩本:平尾台の歴史のこと、産業と自然との関わり、人々の生活などの話をしてくれました。

梁:めっちゃ面白そうですね!

平尾台にほれた!そしてハマっちゃたんです!

岩本:本当にハマったのはそこからですね。もちろん平尾台に惚れたのですが、そこに関わる方たちの人柄も本当に良くて、自分も何か平尾台にできないかなという思いがそこで生まれました。

甲木:それで働きたくなったんですか?

岩本:はい!とはいえ、なかなか会社を辞める勇気はまだなくて…。

週末は自然観察センターでボランティア

梁:当時、おいくつだったんですか?

岩本:29、30歳ぐらいでしたね。ちょうど人生の転機を考える年齢ではあるんですけど、まずはボランティアとして平尾台で活動しようかなと。平尾台自然の郷の公園のボランティアと、自然観察センターという自然観察会をメインで企画したり、フィールドのパトロールをしている施設がボランティアを募集していて、自然のことを学びたいなという思いから、まずは自然観察センターのボランティアに登録をしました。

甲木:なるほど。ボランティアとして観察会に来ている人たちのお世話を?

岩本:そうですね。といっても、いきなりガイドのようなことはできないので、週末にボランティア研修という形で、イベントの下見でコースを歩くのに毎週のように参加して、月~金曜まで福岡で会社員をしながら、土日は平尾台に通ってました。

甲木:すごいですね!そういうところで、花の名前やドリーネのことを学ばれたんですね。

岩本:そうですね。自然観察指導員という認定がもらえる外部の講習会に自ら参加したりしてました。

好きなところで好きな仕事ができるチャンス

甲木:ボランティアはまだわかるにしても、そこから転職するって。

梁:なかなか勇気がいりますよね。

岩本:そうですね。平尾台に通う中で、広報担当の方が退職されたという情報もあって、「あ!空きがあるんじゃないか?」みたいな。(笑)

甲木:おぉ!チャンス!

岩本:このタイミングを逃したらいけないんじゃないかという気がしまして、思い切りました!

梁:なるほどですね。ボランティアに参加される中で、どんどん好きになっていく自分がいて、チャンスが巡ってきて「これは掴まないといけないな!」って。

岩本:やはり好きなところで、好きなことを仕事にできる人って本当に限られるので、そこになれるチャンスが目の前あるのなら「今だ!」と。

甲木:素敵ですね!

岩本:仕事になると好きだけでは…という部分も出てはきますが、いつも原点に戻るようにしてます。初めて平尾台に来たときの感動だったり、久下との出会いを思い出しながら。

甲木:平尾台が好きな岩本さんにガイドしてもらうから、また参加した人も平尾台が好きになるみたいな。

岩本:そういう連鎖が起きると嬉しいです!

梁:絶対そうですよ!

甲木:だって、これだけ梁が「次キャンプ行くときも岩本さんお願いします!」って言ってるんだから。

梁:岩本さんと久下さんに来てほしい!

甲木:そういう発信をされているんですよ、きっと。

梁:こんなに平尾台を愛し愛されている人にガイドされるって、絶対面白いと思うんですよ。そうじゃない人が案内するより。

甲木:もちろん!

梁:「平尾台大好きだ!」ってオーラが滲み出てますよ。

岩本:ありがとうございます!

年間370日平尾台ってどういうこと?

甲木:久下さんのお話では、年間365日ではなく370日ぐらい平尾台に来てるんだよって言ってましたが、どういう意味でしょうか?(笑)

岩本:仕事は週休2日なんですが、お休みの日も平尾台に通っています。

甲木:でも、それ足しても365日にしかならないですが。(笑)

岩本:朝来て、一旦用事で下って、また夜来るとか。

甲木:1日2回!?

岩本:そうです。

「自分の居場所」を見つけた。岩本さんの溢れる平尾台LOVE

甲木:本当に好きなんですね。そこまで好きになれるって何ですか?もちろん、最初に見た景色や久下さんに教わった平尾台の歴史とかあると思いますが。何がそこまで惹きつけるんですか?

岩本:「自分の居場所」を見つけたといいますか、居心地の良い場所。自分がこんなに居心地良い場所だなと思うなら、皆さんにもきっと思ってもらえる場所なんじゃないかなと思って。

甲木:たしかに、単なる山というよりは、羊のような石灰岩が広がっていたり、鍾乳洞があったりいろいろ面白い場所であると思いますけど。

岩本:昨年、緊急事態宣言が発令されたとき、私たちも勤務の日数が減って、平尾台に行けなかった時期があったんですね。その間、何日か空くだけで草花や季節が一遍に変わってて。ちょうど緊急事態宣言が出てた4、5月はお花の芽吹いて緑が濃くなっていく時期で、数日見ないうちにこんなにも変わっていくんだなと。

甲木:なんかお母さんみたい。(笑)

梁:愛に溢れてますよ。

岩本:また、その変わっていくことが平尾台にとっては普通のこと。何があっても移ろっていくもので、世の中が一変した中で、平尾台では普通の営みが行われているんだなという感動を味わいまして。

甲木:コロナで改めて気づかされることもあるんですね。

平尾台の魅力をもっと聞いてみたいという方は、平尾台自然の郷が主催しているイベントにご参加なさって、岩本さんと一緒に平尾台の魅力を分かち合ってほしいと思います。

岩本:お待ちしてます!

〇ゲスト:岩本昌子さん(平尾台自然の郷 自然観察指導員)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)

(西日本新聞社北九州本社)

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