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北九州小倉育ちの漫画家・わたせせいぞう氏の代表作<菜シリーズ>が復刻! 画業50周年を締めくくり

(アイキャッチ画像はイメージ<写真AC提供>)

昨今の80年代カルチャーブームや国内外でのシティーポップの人気で再び脚光を浴びている、北九州・小倉育ちの漫画家・わたせせいぞう氏

画業50周年を迎えるにあたり全国で展覧会が開催されたほか、50周年に合わせた出版が続いています。

株式会社玄光社は、わたせ氏の代表作で、日本の伝統的生活を描いた「菜」シリーズを復刻。昨年、オリジナル全エピソードに未公開資料などを収録した「菜 Complete Edition」全6巻を刊行しました。

1月28日には「菜」の後日譚(ごじつたん)にあたる「菜〜ふたたび〜」の復刻版『菜〜ふたたび〜 Complete Edition』全2巻を刊行。シリーズが完結となります。

和の世界や日本の四季を取り入れた『菜』シリーズ

今回の「菜」シリーズの復刊は、画業50周年を祝う様々な企画の締めくくりにふさわしい大型プロジェクトだといいます。

わたせ氏は1983年〜1989年に週刊モーニングに連載された『ハートカクテル』がよく知られており、当時は珍しいフルカラーコミックで都会の孤独や男女の心の繊細な部分を描き多くの読者を魅了しました。同作の連載終了から3年を経て取り組んだのが、和のテイストを前面に打ち出した『』でした。

わたせ氏は、『菜』の連載を始める前に歌舞伎を鑑賞したことがきっかけで、地味だと思い込んでいた日本の色が実はきらびやかで着物の柄や色にも自然のモチーフや季節が取り入れられていることを知ったのだとか。

この歌舞伎での気づきをきっかけに、和の世界や日本の四季を描きたい気持ちが強くなっていったそうです。

古都を舞台に日本の古き良き生活文化や街の情景を美しい色彩で描いた『菜』は、新境地を拓く作品となり新たなファンを獲得。特に女性読者からの人気が高く、1992年〜1998年にわたって連載されました。

さらに、約10年後には後日譚にあたる『菜〜ふたたび〜』も描かれ、2007年〜2009年に週刊モーニングに連載されています。

夫婦の試練と愛を描いた『菜』 モデルとなった鎌倉では「聖地めぐり」も

『菜』は、大家族の中でにぎやかに育った富田耕平と事故で両親を亡くし孤独に暮らしてきた桐島菜が出会い、夫婦となり、様々な試練を乗り越えながら愛情に満ちた家庭を営んでいく物語です。

(画像:菜Complete BoxⅠ 菜 Complete Edtion1・2・3巻セット)

同作の舞台であるK市のモデルとなった鎌倉は、わたせ氏が学生時代から足繁く通った特別な場所。茶道を習いに通うだけでなく、漫画の道へ進むきっかけを作った恩人・直木賞作家の永井路子氏の鎌倉にある自宅には、会社員を辞めてフリーになるまで何度も相談に行ったそうです。

思い入れの深い街に、わたせ氏自身の好きなものや理想を詰め込んだのが『菜』の世界になっているといいます。

(画像:菜Complete BoxⅡ 菜 Complete Edtion4・5・6巻セット)

耕平・菜夫婦が途中で移り住む借家は江ノ電の線路沿い。

作中には鎌倉に実在する通りや名所や建物・店などが設定を変えながら登場し、物語に登場した場所を訪ねてみる「聖地めぐり」が楽しめることでも話題です。

2人の間に生まれた娘が3歳になったところから始まる「菜〜ふたたび〜」

『菜』では最初の子を流産して以来、なかなか子宝に恵まれなかった夫婦に待望の子宝がという場面で終了。

そして、『菜』の終了から約10年を経て描かれた『菜〜ふたたび〜』は、2人の間に生まれた娘のかりんが3歳になったところから開始します。

かりんの双子の兄の力は先天性の心疾患で亡くなっており、かりんも同様の疾患を抱えていることが物語に影を落としています。

(画像:菜〜ふたたび〜 Complete Box 1・2巻セット)

また、物語の中盤で耕平に京都の大学から教授就任の話が到来。家族が離れて暮らすことに悩みますが、菜が背中を押すことで京都と鎌倉に離れての生活が始まります。

離れて暮らしながらも手紙や電話で心を通わせる2人に、かりんの主治医から「京都に移住してもよい」と許しが出て、再び家族3人で一緒に暮らせることに。一度は移住を決断するものの、鎌倉の人々との繋がりも深く、地元愛が人一倍強い菜の心が揺れる様子が描れています。

今回の復刻を機に、北九州にゆかりのある漫画家の作品を読んでみるのもいいかもしれませんね。

各巻の概要などの詳細は、株式会社玄光社のホームページで見ることができます。

※2026年2月28日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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