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芸人の仲間と切磋琢磨し、九州に落語を広めたい/落語家・橘家文太さん

(アイキャッチ画像:中央がゲストの橘家文太さん)

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

いつでも行きます 激安の落語car

甲木:やはり噺家というだけあって、先週は面白かったですね。

梁:めちゃくちゃ面白かったです。

甲木:今回は先週に引き続き、北九州を拠点に活躍する落語家、橘家文太さんをゲストにお招きし、お話を伺います。文太さんよろしくお願いします。

文太:よろしくお願いします!

甲木:前回、落語carの話しが出ていてましたけど、落語carの「出前パック」というものを作ったんですか?

文太:はい。三代目橘家文蔵のホームページ内の「お知らせ」のひとつに、「落語car出前パックをリリース」という表記があります。そこに書かれたメールアドレスの案内から時間や場所を連絡いただければ、いつでも行くし、いつでもやる、というものです。2022年3月31日までだと、通常11万円かかるところを半額の5万5千円となります。

梁:なんと。

文太:交通費やギャラも込みです。落語carは、会場代がかからないから激安ですよね。ほぼ、芸人のギャラだけでやっているようなものです。

甲木・梁:なるほど。

文太:梁さんがよく行かれるキャンプ場とかいいのではないですか?

梁:超楽しいですよね!ちょっと企画しよう。

甲木:子どもやたまたまゲリラライブを聞いた人など、落語に今まで親しみを持たなかった人たちが聞いてくれるってすごくいいし、有難いことですよね。

文太:そうですね。落語会というものは、落語を好きな人が聞きたくてそこに集まってくれるから、確実にウケます。でも、落語carはそうはいかないんです。道の駅とかでやった場合、ただ買い物に来た人がふらっと聞いてぱっと帰ったり、反応がかなりバラバラになります。めちゃくちゃいい時もあれば、全然ダメな時もあります。この間、道の駅でやった時は、落語carのイベントブースとは別に原っぱがあって、そこでドッグハロウィンというイベントをやっていまして…。

甲木:犬のハロウィン?

文太:はい。そこで落語をやったんですけど、もう全然ウケないんです。皆ずっと犬を愛でていましたから。愛犬家は人間には興味ないかもしれないですね。

甲木:梁:(笑い)

稽古はどうされていますか?

甲木:ところで、今お稽古はどうなさっているのですか?もう二ツ目になったら師匠が教えてくれたりしないんでしょうか?

文太:自分の師匠に噺を習うのは、一門にもよりますけど、最初の2つか3つくらいです。あとは「いろんな師匠に稽古に行きなさい」と言われます。同じ師匠にずっと習っていたらその師匠のコピーになってしまって良くないから、「いろんな人からいろんな吸収をしなさい」と言われ、出稽古に行くんです。ただし、北九州には落語家がいないため、東京に2カ月に1回ぐらい仕事で行った時や、博多で毎週やっている落語会の合間に「すみませんけど、お願いします」と言って稽古をつけてもらいます。だから、リモートでやってくれないかなと思っています。ZoomとかLineとか。

梁:リモートで稽古できますよね。

甲木:そうですよね。録画もできるし、何度も後で復習できますよね。

文太:そうなんです。「これからはリモート稽古を」ってずっと言っていこうと思っています。

甲木:新しいですね。相撲では出来ないですね。

休みの日(?)に挑戦していること

甲木:文太さんのプライベートを聞いてみたかったんですけど、お休みの日は何をされていますか?

梁:そもそも休みってあるんですか?

文太:会社員のように仕事の日、休みの日があるのと違い、私たちは依頼があって落語会に行って、落語をやる時だけが仕事で、それ以外は言い方によっては休みですが、でも休みでもないんですよね。

甲木:稽古もしますしね。

文太:そうなんです。どこが仕事でどこが休みか区別が結構つかないんです。

甲木:自分では「完全オフ」の日をつくらないんですか?

梁:「今日は何もしないぞ」みたいな。

文太:落語の事を全く考えないのは、友達と飲みに行った時とかですけど…。あとは、最近ギターをちょっと始めまして。

梁:ほう!

甲木:そうなんですか。

文太:全然弾けないんですけど。

甲木:ジャンルは何なんですか?

文太:中島みゆきが好きで、弾き語りができたらいいなと思っています。そもそもは、落語carで落語が終わった時に、幕(緞帳)がないことから「終わった感」が出ず、歌でも歌って終わったら良いかなと思ったんです。あと、師匠がフォークソングユニットみたいなことをやっていて、それを前座の頃から見ていたので。ギターも触ったことはなかったんですけど、師匠が簡単に弾いているので「オレにもすぐ出来るだろう」と思い、やってみたらめちゃくちゃ難しくて。指は痛いし、大変だったんですよ。

甲木・梁:(笑い)

甲木:でも弾けるようになったら、それも落語carで聴けるんですね。楽しみです。

芸人の仲間と切磋琢磨し、九州に落語を広めたい

甲木:今後の目標も聞かせてください。

文太:目標は元々言っていたように、九州に落語の文化を広めることですね。最終的には、九州に寄席をつくりたいんですけど、なかなか難しい。だから、寄席を見たいという「演芸ファン」を増やしてくことと、私の発信力も強くしていかないといけないので、テレビ出演も増やしていきたいです。また、東京と違ってこちらには芸人仲間がいないのが痛いです。落語家でなくても九州で活躍する芸人の仲間を増やし、一緒にイベントなどをやりながら刺激し合い、切磋琢磨していけたらと思っています。

梁:僕も文太さんの3番弟子なので、落語を広める一助として一緒にやっていけたらと思います。よろしくお願いします!

文太:よろしくお願いします。

〇ゲスト:橘家文太さん(落語家)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)

(西日本新聞北九州本社)

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