「自分を変えたい!」という思いが原動力/元井有紀さん(ラジオパーソナリティ)
2018年7月、「ママ以外の何者かになりたい。」と一人の主婦が一心発起し、「ママを応援するラジオ番組」を作りました。
その名も「ママ夢ラジオ」。
東京都渋谷区のコミュニティFMから始まったその活動は、またたく間に全国各地に広がり、2019年春には「ママ夢ラジオ北九州」が発足。
毎月第3月曜日午前11時からAIR STATION HiBiKi 88.2MHzで生放送されています。
今回はそんな「ママ夢ラジオ北九州」の第4期パーソナリティリーダーを務める元井有紀さんにお話を聞くことができました。
踏み出したきっかけは自分を変えたいという気持ち
−まずはママ夢ラジオと出会ったきっかけ、参加することになった経緯を教えてください
私はママ夢ラジオ北九州第2期から参加させてもらったんですけど、元々知り合いが1期のメンバーで、その方のブログ上でママ夢ラジオの活動をちょこちょこ見させてもらってたんです。
ちょうどその頃に2期のメンバーを募集しているっていう記事を見て、思い切って応募してみたのがきっかけです。
−応募すれば誰でも参加できるんですか?
私が参加したときにはすでに世の中はコロナ禍だったので、1期メンバーが10人だったのに対して2期メンバーは6人しか集まらなかったんです。なので枠から外れるとかはなかったですね。
でもママ夢ラジオ1期からの継続者は1人もいなくて、みんな完全に『はじめまして』だったんです。
元々コミュニティFMの他番組でパーソナリティをやっていたという経験者は1人だけいたものの、あとの5人は全くの未経験者だったし、志さえあれば誰でも参加できるとはいえ、ハードルは高かったと思います。
−そもそもラジオに出演するということに、抵抗はありませんでしたか?
これがなかったんですよね(笑)。それよりも自分の苦手意識を打破したいっていう気持ちのほうが強かったです。
私にできるかな?という不安はありましたが、ラジオに自分の声を乗せて喋ることに対しての抵抗はあまり感じませんでした。
当時も今も、常に新しいことにチャレンジしていきたいという思いは全く変わっていなくて、パーソナリティを始めて2年目からは、収録の編集作業も私がやらせてもらったりしています。
ラジオ未経験なママたちが試行錯誤しながら奮闘する番組作り
−元々そういったお仕事をされていたんですか?
いいえ!全くの初心者です!(笑) パソコン用語なんて何一つ分からなかったレベルから始めたので、本当に苦労しました。
私は普段、看護師という音声編集とはかけ離れた仕事をしているんです。
そのかたわらで育児をするママに対してのセミナー講師をやってたりもするんですけど、まさか自分がパソコン画面を見つめてカチカチ編集作業をするようになるとは思いませんでした(笑)。
基本的にママ夢ラジオって、みんなの手作りで成り立ってるんです。企画から運営から何もかも、私たちママの手で1からやっています。だからこそのやり甲斐もあるんですけどね。
−今現在苦労していることや、難しいなと感じることはありますか?
私の場合は参加当初から今まで、とにかくコロナに悩まされてきました。特に第2期、第3期は緊急事態宣言だったり、まん延防止措置だったりで行動が制限されて、ラジオ出演できるパーソナリティが1人しかいない!という問題に直面した時もあったりで。完全にオンラインで番組収録をしたこともありました。
第1期メンバーは10人、第2期・第3期は6人、そして第4期の現在は5人でやりくりしています。なので、1人1人の負担が増えているのが現状です。子育てと仕事だけでも忙しいのに、5人でラジオを作っていくというのは本当に大変なことで、正直てんやわんやなときも多々あります(笑)。
でも周りの方がサポートしてくださったり、メンバー1人1人が本当に頑張ってくれていて、おかげさまでこうやって活動を続けることができています。
支えてくださっているすべての方に感謝感謝の毎日です。
−生放送も大変だとは思いますが、完全にオンラインのみでラジオ収録ができるっていうのもすごいですね。
そうなんですよ!しかも初心者ばかりでの収録だったんで、探り探りでやるしかなくて。ズームでの台本読みを録音して、編集して、音楽を乗せて、最終的にMP3データにしてっていう作業をするんですけど、パソコンのOSさえ理解してなかった私がとんでもないことをやってるなって、今でもよく思います(笑)。
第2期が始まった当時はまさに緊急事態宣言真っ只中だったし、緊急事態宣言が解除されても結構長い間、県を跨げなかったんですよね。私自身も仕事柄あまり人に会えなかったので、オンラインっていう選択肢しかありませんでした。
なので、過去メンバーの中には一度も会えなかった人もいたりするんです。夜な夜なズームで会議してたから、お互いにスッピンは知っているのに会ったことないってすごいですよね(笑)。
『自分のため』から始まった思いは、気がつけば『誰かのため』に
−活動を続ける中で、心境の変化はありましたか?
ママ夢ラジオに参加させてもらった頃は、自分のことでいっぱいいっぱいで、周りを見る余裕なんてなかったんです。与えられた台本を、噛まずに分かりやすく丁寧に読む!そこだけに全集中してたんで(笑)。
でも今は、どうやったらもっと聞いてもらえるようになるかとか、ただ喋るだけじゃなく、構成まで考える余裕もでてきました。
今までは何も感じなかった当たり前の日常生活の中にも、これはネタになる!というような新しい発見は溢れていて、美味しいものも面白いものも楽しいことも全部、これは伝えたい!とラジオ主体で考えるようになったんです。
あと何より色んな人と出会える環境になったおかげで、人生観が随分変わりましたね。どんなことに対しても、視野を広く持てるようになったし、自分自身に対しても心を広く持てるようになったというか、自信を持てるようになりました。
−では最後に、これからの目標を教えてください
根本的なとこで、もっともっと知名度をあげていくことですね。そして地域に根ざしたラジオ番組になってほしいです。聞いてくれている人が改めて北九州の魅力を感じられるような、みんなが楽しめるものを作っていきたいです。
福岡県に観光に来る人って、福岡市に行きがちじゃないですか。福岡といえば博多!みたいな。そういう人たちにも北九州って素敵な場所なんだよ!って伝えていきたいですね。
ウィズコロナ時代になっていく中で、メンバーもまた増えていくといいなと思うし、スポンサーの方にもついてもらえるようになればさらにありがたいです。
ママ夢ラジオは今の私にとって、大切な居場所になっているんです。そしてこの居場所が、どこかで悩みを抱えているママの居場所になってくれるといいなと思ってます。
ママが育児だけじゃなく「私にもできるかも!」と思えるような環境を作ること
実は筆者自身もこの春に就職活動をして、まさにママが働きに出る難しさという壁にぶち当たってしまったので、そんな中での元井さんのお話は頷けることばかりでした。
「ママだから諦めるではなく、ママだからできることを発信。」
ママ夢ラジオが掲げるこのテーマは、ライターという立場の私の心にも響くものがあります。
こんな想いを抱えているママはきっと他にもたくさんいて、そんな人たちに対して、少しでもお役に立てたらと、何かしらのきっかけや刺激になれたらと思う気持ちは、発信する媒体は違えど、元井さんも私も一緒だと思うのです。
そんな元井さん含め、「ママ夢ラジオ北九州」で頑張るみなさんのご活躍を祈るとともに、これからの放送も楽しみにしています!
放送スケジュールなどの詳細は「ママ夢ラジオ北九州」インスタグラムから確認できます。
※2022年5月11日現在の情報です
(ライター・Kanae N.)