持続可能な伝統工芸と企業を目指す/小倉縞縞社長・渡部英子さん
西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。
渡部さんの人生について
甲木:おはようございます。西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。
梁:同じく、西日本新聞社の梁京燮です。
甲木:梁さん、先週は小倉織の渡部社長をお迎えして非常に盛り上がりましたね。
梁:盛り上がりましたね。勉強になりました。また素敵な小倉織のこと、聞いていきたいですね。
甲木:では早速、本日のゲストお呼びしましょう。小倉織の製品を製造販売している、「小倉縞縞」の渡部英子社長です。渡部さん、よろしくお願い致します。
渡部:よろしくお願い致します。
甲木:先週は、お姉様が小倉織の布を元に小倉織を復元され、それを汎用品としていろんなデザイナーさんとコラボしながら、渡部社長の会社で製品を作っていらっしゃるというお話を聞いていきましたが、渡部社長の人生についても迫ってみたいなと思います。小倉織のお仕事をする前は、元々は音楽の世界にいらしたんですよね。
梁:そうだったんですか?
甲木:ジャズを演奏されていたんですよね。
渡部:はい。ジャズは高校時代から聴くのが好きで、多少なりともピアノを弾けるということで、「ジャズがやりたいな」というのがその頃の夢で、仕事としてはクラブだったりキャバレーだったり、そういうころでピアノを弾いておりました。(笑)街が元気が良かったので、夜の街が悪い感じではなくて、ほんとにエンターテインメントだったなーと私は思います。それを見ることができたということは、北九州の人間としては語っていけるかなと…(笑)
甲木:そうですよ、ほんとに自慢ですよ。
織物を始めたきっかけ
渡部:織物の方は専門家ではないので、姉がやっていたことを横目で見ていたぐらいなんですけど、そのきっかけもあって「布のお店をやっていいよ」いうことになりスタートしたのが始まりなんです。
甲木:その後「織物好きだな」と思うところが、お姉さんと考えが同じなんでしょうね。
渡部:きっとその時の私は、“これだ”と思ったんでしょうね。
甲木:それで丁度、布の世界にいたから、お姉様が布を復元されたと言うときもスムーズに進んだんですね。
渡部:そうですね。姉は小倉織の作家で手織りとして帯などしか作成していなかったので、例えば、何か記念の品に使いたいとか、前市長の末吉さんが海外へ行くときに何か地域産の物を持って行きたいと言うオファーが来たときなど、ビジネス的なことも入ってくるので、これは姉がする仕事ではないというところで、私が布の仕事をしながら小倉織の製品を機械で織って代わりに販売していたということがスタートだったんです。
甲木:なるほど。お姉様はあくまで小倉織の作家として活動されていたということなんですね。
渡部:はい。姉は作品として出品していたので、オファーが来る中で私がテーブルセンターなどを製造しておりました。
甲木:製品を作ることが、渡部さんのお仕事なんですね。
商品の方向性
甲木:商品の方向性についてお聞きしたいのですが、最近新しいなと思ったのが、SDGs柄を作られたということで。
渡部:今、ここにあるんですけど。
梁:わぁー、きれい、きれい。
渡部:きっかけはコロナなんですね。コロナの時に私たちは何もできなくて、このまま止まっていてもだめだと思って、何か開発したり、この時期にしかできないことが何かないかと思い、北九州がSDGsの都市になっているので、私たちは小さな規模の会社ですけど、私たちがSDGsの街にいることの意義とか、まず自分たちがSDGsをできているかとかお勉強を含めて考えた時に、小倉織って強くていつまでも使えるので使い捨てでないという意味では小倉織の生地自体がSDGsではないかということで少し胸を張ったところがあるんですけど、その時にSDGsのフラッグになるような生地ができたらいいなということで、国連の決めた17の目標のカラーを小倉織で表現しようと思いまして、太い縞と細い縞で2種類作ったんですね。
甲木:皆さんは丸いバッジを付けてますけど、それを縦縞にしたんですね。
これからの人生について
甲木:今、小倉織に情熱を注いでおられる渡部さんがもし第一線を退くことがあったら、その後はどんなことをして過ごしたいと思っていらっしゃいますか。
渡部:そうですねー。またピアノでも弾こうかなー。皆さんが歌謡曲など歌いたいと言ったとき、バックで演奏ができる程度に練習しておきます。(笑)
甲木:いいですねー。
梁:僕はタンバリンします。
甲木:本日も良いお話、ありがとうございました。先週、今週と2回に渡り、小倉織製品の製造販売をしている「小倉縞縞」社長、渡部英子さんにお話を伺いました。どうもありがとうございました。
梁:ありがとうございました。
渡部:ありがとうございました。
〇ゲスト:渡部英子さん(小倉縞縞 社長)
〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)
(西日本新聞北九州本社)