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Google副社長邸の日本庭園を造った人物が北九州に?/江頭翠楽園・江頭博明さん

(アイキャッチ画像:江頭博明さん)

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

Google、とは、あの、Google?

甲木:おはようございます。西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。

横山:西日本新聞社の横山智徳です。

甲木:今日のゲストは、以前この番組に出ていただきました歴史案内人の瀬戸春巴さんに紹介いただいた方です。早速お呼びしましょう。小倉北区で造園業「江頭翠楽園」をなさっている、江頭博明さんです。よろしくお願いします。

江頭:よろしくお願いします。

甲木:江頭さんとの出会いは瀬戸春巴さんからのお引き合わせなんですが、瀬戸さんが「Googleの副社長の庭を作った人が北九州にいる」と言って紹介されたのが江頭さんだったんです。でも、そんな人の庭と言うと、当然、アメリカにある庭ですよね。

江頭:そうです。もちろんアメリカです。

甲木:アメリカのどこにあるんですか?

江頭:カリフォルニア州北部のサンフランシスコにあります。

甲木:そういう人がなぜ、北九州の江頭さんにたどり着いたのでしょうか?

横山:確認ですけど、Googleとはあの、Googleですよね?

甲木:そうですよ。(笑)皆が検索する、あのGoogle。しかも、江頭さんが庭を手掛けられた方って、あのGoogle Chrome を開発した人なんです。

江頭:そうなんです。だけどお会いした時は普通のジーンズとTシャツ姿で、「え、この人が?」という感じでした。偉い人に見えなくて、それがアメリカのひとつの文化なのかなと思いました。

甲木:ジーンズとTシャツって、いかにもIT、という感じですね。

江頭:そうなんです。しかもその地域一帯がシリコンバレーでしたから。

甲木:シリコンバレーの人たちのスタイルなんですね。ジーンズとTシャツは。…でも、そういう人がなぜ、日本庭園を求めたのですか?お家は日本家屋ではないのでしょう?

江頭:日本建築をされるアメリカ人はたくさんいて、日本家屋はすごく興味を持たれているのです。依頼主であるGoogleのアプソンさんは、日本建築のゲストルームというか、自分の事務室で休憩室みたいなものを離れとして作っており、庭造りはその大工さんからの紹介でした。私たちはアメリカに会社を持っているのですけど、2019年7月にサンフランシスコでのワークショップを依頼され、その時に知り合った大工さんの紹介で、アプソンさんの家にめぐり合えたのです。

日本との違いがいくつも…

甲木:なるほど。でもそんな人の庭だから、めちゃくちゃ広かったりするんですよね?

江頭:もう、めちゃくちゃ広いです。アメリカってだいたい広いのですけど、自分たちの部屋と両親の家と、それからその離れと、それとは別に、ちょうど私たちが行った頃は道路を隔てた向こう側の家を改築中でした。

甲木:では、敷地の中に何軒も家があるのですね?

横山:そして道路を挟んで向こうにも家があるんですね?

江頭:そうなんです。

甲木:そして、その中の数寄屋建築のまわりを日本庭園にしてほしいということだったんですね?

江頭:はい。広さはすごいです。本当は数寄屋建築のまわりに日本みたいに塀を作りたかったんです。塀の中に広さを出したいと思っていまして。そしたら「なんで区切らないといけないの?自分が広いのが好きだから塀は要らないよ」と言われました。だから発想を変えないといけないと思い、広さを逆手にとって利用することを考えました。金銭的なことも日本とやり方が違います。日本では植木を仕入れて、そこに利益を数パーセント乗せて売りますが、アメリカは仕入れた値段はそのままで、技術料を別に立てます。だから技術料が高いんです。

甲木:なるほど。江頭さんの設計とか、江頭さんの作った技術に対する報酬、ということなんですね。

江頭:そうです。だから請負金額があって、その中で自分の技術力を生かしてそれだけ価値あるものを作れば、お客様は納得してくれるんです。

甲木:なんか全然日本と違いますね。価値観の違いでしょうか?

江頭:やりたい放題と言えばおかしいけど、自分が好きなようにどんどん仕入れても、自分がそれをどう使いこなしきるか、そちらが方に力を入れないと。だから思っていたほどお金に自由があっても、利益とかには関係ないなという感じでした。

小学生のようにワクワクする!

甲木:そうですね…。でも何というか、チャレンジした満足みたいなものはありますよね?

江頭:それはもう、職人冥利につきるというか、一つのものを作り上げる満足感とともに、アメリカに行くようになってからは行くたびに、まるで小学生が遠足に行く前の日のような、楽しいことがある前の日のような、この年になって胸が躍るような思いをさせていただきましたから。それだけでも喜びですよね。

甲木:江頭さんって今おいくつでしたっけ?

江頭:74です。

甲木:74歳で小学生のようにワクワクできるのですね?それで、お庭に対するアプソンさんの反応はどうだったんですか?

江頭:アプソンさんはコロナ禍のステイホームで、あの離れに行って、飽きることなどなく庭を見ながら仕事をしていたそうです。その情報をもらった時は「よかったなー」と思いましたね。「ああ、やっぱり喜んでくれているんだ。安住の地として、あそこで癒されているんだなあと感じました。

甲木:よかったですね。お気に入りの場所ということだったんですね?

江頭:そうなんです。

甲木:本日は、アメリカのgoogle副社長の日本庭園を手がけた小倉北区の造園業江頭翠楽園・園主の江頭博明さんをお迎えしてお送りしました。江頭さん、どうもありがとうございました。

江頭:ありがとうございました。

横山:ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

 

〇ゲスト:江頭博明さん(江頭翠楽園 園主)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、横山智徳(同)

(西日本新聞北九州本社)

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