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新工場そして新規ビジネス 創業75周年に強力に推進/株式会社ドーワテクノス 取締役社長・小野裕和さん

(アイキャッチ画像:中央がゲストの小野裕和さん)

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

製造業のお客様に、現場で使う生産設備を提供している技術商社です

甲木:おはようございます。西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。

梁:同じく、西日本新聞社 梁京燮です。

甲木:早速、本日のゲストをお呼びしましょう。北九州市八幡西区黒崎にあります、ドーワテクノス社長・小野裕和さんです。よろしくお願いします。

梁:よろしくお願いします。

小野:よろしくお願いします。

甲木:小野さんが社長してらっしゃるドーワテクノスという会社なんですけど、どういう会社なのかというところから、ご説明願います。

小野:私どものドーワテクノスは、ものづくりの会社で、特に製造業のお客様に、ものづくりの現場で使う生産設備を提供している、技術商社という位置づけです。例えば製鉄所だとか、化学メーカーさんとか、食品工場など全国津々浦々に、私どものお客さんがおります。そういうお客様の工場の生産設備とか、工場の自動化ラインに使われる、電気品とか機械部品、または機械を動かすためのシステムを提供している会社です。

戦後まもなく、安川電機取締役だった祖父が財閥解体により独立して創業

甲木:小野さんは、会社の何代目社長ですか?

小野:三代目です。ですから祖父が創業して今年で75周年目を迎えますが、北九州の中には百年企業が何社もたくさんおられるので、まだまだひよっこなんですけど。75年前に戦後間もない時期で、うちの祖父は戦中・戦前は、今の産業ロボットで有名な、安川電機さんの技術責任者でした。ところが、戦後、日本が戦争で負けて、当時のGHQから財閥解体ということを言い渡されました。

甲木:安川電機は大きな会社ですからね。

小野:はい。財閥解体となると、当時の経営陣である取締役が解任させられ、祖父も取締役設計部長という立場だったので解任させられました。その時の安川のオーナーで安川第五郎さんという創業一族の方から言われたことが、「モーターを修理したり、モーターの部品を供給したり、そういう社会的なニーズが必ずあると思うし、すごく増えていくだろうから、独立してそういう仕事をやってみろ」と言われて、作った会社が私どもの会社なんです。

新工場ではロボットを使ったシステムを構築

甲木:第五郎さんに促されて、お爺さんが創業したんですね。そして小野さんの会社といえば、今一番ホットなニュースは新工場なんですよね。

小野:はい。冒頭、商社という話もしましたけど、私どもはここ十数年前ぐらいから安川電気さんのロボットを販売しています。また、その傍らロボットを使って工場の自動化だとか、生産ラインの生産性の向上という取り組みなど、いわゆるロボットを使ったシステム構築もしているんです。だから、実際、商社と言いながらメーカーの機能を持った活動をしてたんですが、今まではその工場がありませんでした。それで他の協力企業さんに場所を借りていましたが、今回、自社で工場を持つことになり、私どもでワンストップで、そういう自動化の設備を供給できる体制が出来上がりました。

甲木:この前、まだ稼働前の工場を見学させて頂いたんですが、工場じゃないぐらい素敵な設備だったんですよね。

小野:この工場はですね、“TSUNAGU FACTORY”(繫ぐファクトリー)というネーミングにしています。この“TSUNAGU FACTORY”の場所で、私どもがものを作って供給するわけです。この場所はファクトリーであるだけでなく、働く環境として、アイディアとか、発想などが湧き出るような、普通のオフィスとは違う空間にしていきたいと思っています。また同時に、テストができる環境も目指しています。例えば「ロボット使ってみたいけど、本当に使えるかテストしてみたいんだけどね」というお客さんが来られると、うちに来てもらって、そこでテストしてもらうのです。このように“TSUNAGU FACTORY”の名前には、お客さんと繋がる、アイデアや発想を出し合う場として社員同士が繋がる、そして、テストができる環境で地元企業と私ども、あるいは地元企業同士が繋がる、そんな意味が込められているのです。

新規ビジネスとして、超高速凍結機と小規模植物栽培システムに注力

甲木:ユニークな取り組みとしては、コロナ禍でいろいろ芽生えたビジネスもあって、瞬間急速凍結機というのも始められたんですよね。

小野:はい。うちの業界はお堅いところなんですけど、それ以外に新規ビジネスということで、今、大きく二つあります。一つが、今、甲木さんがおっしゃっていた急速凍結機のビジネスと、もう一つは小規模植物栽培システムでアグロットと言う名前の商品があります。この二つを今、注力をして営業をさせてもらっているところです。私どもが扱っている凍結機は、いろいろな競合メーカーさんがたくさんありますが、圧倒的に凍結スピードが速いんです。凍結スピードが速いということは、もともとの素材を壊さずに凍結できるので、品質が保たれるということです。例えば巻き寿司を冷凍させると絶対美味しくなくなりますよね。でも私どもの凍結機は、ほとんど風味も残っていて、常温の物と比べても、どちらが冷凍した物か分からないんですよ。あとアグロットという植物栽培システムも、手軽に室内で高級野菜が作れるんです。今、いろいろ考えているのは、障害者の方々に、この植物栽培システムを使って栽培をしてもらい、障害者雇用の一環になるということ、もう一つは農業を守る、これも社会性が強いと思い、この二つをやってると言うことです。

甲木:そういう発想は、社員から出るんですか?

小野:そうですね。私は頭が固いですから。(笑)

梁:柔らかそうですけどね。(笑)

甲木:残念ながら本日はお時間となってしまいましたので、続きはまた来週お伺いします。本日は、北九州市八幡西区黒崎にあります、ドーワテクノス社長・小野裕和さんをお招きしてお話を伺いました。小野さん、どうもありがとうございました。

梁: ありがとうございました。

小野:ありがとうございました。

 

〇ゲスト:小野裕和さん(株式会社ドーワテクノス 取締役社長)

〇出演:甲木正子、梁京燮(西日本新聞社北九州本社)

(西日本新聞社北九州本社)

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