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熊本から小倉へ引っ越してきた『赤忍者』? 彼女を惹きつけた小倉城武将隊の魅力とは【北九州市小倉北区】

西小倉駅から徒歩10分。北九州市のランドマーク的存在である小倉城には、「小倉城武将隊」という武将に扮して演技をするエンターテインメント集団がいるのを知っていますか。

そんな小倉城武将隊に魅せられて、熊本から北九州小倉へ移住した『赤忍者』がいるとの情報を入手した編集部。

なぜわざわざ熊本から? そしてそこまで虜にした小倉城武将隊の魅力とは?

謎に迫るべく、赤忍者こと小倉城スタッフの北園さんと広報の岡本さんに突撃してきました。

「小倉の街に呼ばれた」 熊本の武将隊オタクが「小倉城武将隊」に出会うまで

取材当日も赤忍者の姿で現れた北園さん。お城で忍者に会えるなんてなんだかタイムスリップしたようです。

早速熊本から移住してきた経緯について聞いてみました。

北園さんは元々、「熊本城おもてなし武将隊」を10年ほど応援していた武将隊オタクだったそう。そんな北園さんと小倉城武将隊との出会いは昨年10月の「小倉城まつり」で、これは小倉城武将隊の初陣ステージでした。友人に誘われて小倉まで足を運び、全国で39番目に誕生した武将隊である小倉城武将隊に出会いました。

約半年後、今度は地元熊本城に全国から武将隊が集まるイベントで小倉城武将隊と再会することになります。この日は、福岡で開催されるライブに参加する予定が行けなくなり、「だったら推しに会いに熊本城へ行こう!」と足を運んだのだと言います。

全国から数多くの武将隊が集まる中で、初陣を見納めている小倉城武将隊は、他の武将隊よりも少し親しみを持って観ることができたのかもしれません。北園さんはそのステージでの武将隊のスピーチに大きく心を動かされることになったのです。

「小倉城に生まれた武将隊として、小倉城にお越しくださる方々をお迎えし、また小倉の街の皆様に元気をお届けできる存在であるべしと思っておりましたが、ここに集う全国の武将隊の皆様とともに舞台に立ち、その心意気に触れるにつれ、その思いが変わってまいりました。今後は武将隊として出来うること、武将隊であるからこそ出来ることは何なのか、小倉城に限らず、多くの皆様にお喜びいただけるよう、全国の武将隊の方々とともに熱き心をもって活躍してまいります!」という熱いスピーチに心奪われたのだと当時を振り返ります。

「きっと、このスピーチを聞くために、小倉城武将隊に会うためにライブに行かずここに来たんだ…」と思ったという北園さん。実はこのイベント以前に小倉城がスタッフを募集していることを知っていたものの、応募する勇気が出なかったそうですが、このスピーチをきっかけに応募、そして今に至ったとのこと。

「あのスピーチがなかったら、私は小倉城で働いてなかったかも」としみじみ語る北園さん。もちろん今でも、熊本城おもてなし武将隊のファンの一人。でも、「小倉城武将隊の力になりたい!」と思ったのだとか。

近くで北園さんの話を聞いていた岡本さんの「小倉の街に呼ばれた」という言葉が、まさにそうだとピッタリきます。

「赤忍者」として小倉城で働く魅力

そんな北園さんですが、現在は「赤忍者」の恰好をして小倉城で受付や写真撮影の手伝いをしているのだそう。

赤忍者の恰好をしているからか、子どもや外国の人たちから注目を浴びることもしばしば。「忍者だ!」と声をかけられたときは、それっぽく返事をしてみせたり、普段も忍者のように素早く場内を移動したりするなど、忍者としてのふるまいを細部まで意識していると言います。「忍者として声をかけてもらったり、サービスをして喜んでもらえたりすることが本当に嬉しい」と北園さんは語っていました。

特に編集部員が驚いたのは持参してくれた小物。なんと頭につけているバンダナと小さな剣は北園さんの私物なのだそう。細部にまでこだわりを見せる姿に、忍者であることへの熱意が伝わってきます。

また、訪れた人たちに小倉城をもっと知ってもらいたいとの思いから、勉強も欠かさない北園さんのスマートフォンの写真フォルダには、小倉城の写真がエリアごとにファイル分けされています。これは、お客さんに小倉城を撮影するのにおすすめの角度をすぐに紹介できるようにするためなのだそう。

確かに、小倉城の周りには八坂神社やリバーウォーク北九州、市役所などの建物が多くあり、見る場所を少し変えるだけで雰囲気が全く異なる面白さがあります。北九州が地元の編集部員も初めて見る画角があり驚き。見せる顔が様々にあるのも小倉城も魅力かもしれません。

編集部員のお気に入りは、庭園からの景色。小倉城が池に移り美しいです。

推しの近くで働くからこそ 小倉城武将隊の魅力3選

北園さんは武将隊オタクであり、赤忍者のスタッフ。武将隊ではないものの、小倉城武将隊の最も近くで働く存在の一人であり、そして他のエリアの武将隊のこともよく知っています。そんな北園さんに小倉城武将隊の魅力を絞りに絞って3つ教えてもらいました。

まず1つめは、演劇に主軸を置くという特徴的な活動スタイル。他の地域にも武将隊や忍者隊はいますが、その多くがお客さんとのふれあいや簡単なショー、パフォーマンスを中心としています。しかし、小倉城武将隊は演劇と殺陣に重きを置いているという点が稀有なんだとか。

また、北九州市は演劇の街という事もあり、俳優も実力派。特に、主演で細川忠興を演じる大神拓哉さんはNHK大河ドラマ「真田丸」に黒田長政役としても出演するなど、錚々たる面々が顔を揃えています。だからこそ本格的な演技を小倉城で楽しむことができ、歴史についても学ぶことが出来ます。北園さん自身も、武将隊の演技を見て小倉城の歴史についての理解を深めたのだそう。

2つめは、俳優が主体となって行うSNSでの発信。小倉城武将隊では俳優が直接発信をするので、より身近に武将隊を感じることが出来るのだとか。日々武将隊の近くで働いている北園さんももちろんチェックしているそうで、何か告知があった時にはいつもワクワクするのだそう。

3つめは、小倉城武将隊の演舞の最後に行われる北園さんイチオシの撮影タイム「3D武将隊」です。武将隊が3~4人ほど登場し、舞台から飛び出してくるような面白可笑しいポーズを決めて客席をグルっと見渡してくれるので、誰もががベストショットを撮ることができるのだそう。北園さん自身が始めて見たのが「小倉城冬のライトアップ」というイベントが開催されたときで、動画を撮影し友人に送ったところすぐに武将隊が好きになったのだそうです。

小倉城から北九州を盛り上げたい 城下町小倉として愛着を

そんな小倉城武将隊はもちろん、小倉城で働くスタッフ皆さんには、「城下町小倉を日本有数の観光エリアとする」というミッションがあります。現状、小倉城へ来るお客さんは多いとは言えず、北九州で観光に来る人のうち2%しか小倉城に訪れないのだとか。小倉城は町中にあるからこそあまり意識はされませんが、お城の体積や天守閣の大きさなども全国トップクラス。このお城の魅力をもっともっと広めたいと語る北園さんと岡本さん。

また、私たちにとって馴染み深い「魚町」や「鍛冶町」などの地名は、小倉の街が城下町だったことの名残です。小倉の町が小倉城と共にあるのだと地名から感じさせられます。

小倉城の魅力が広まることで、小倉や北九州のことがもっと好きになる…。お二人は、「小倉城を通じて、住んでいる小倉の街に誇りを持てるようなきっかけになれば」と語っていました。

北園さんは、2016年の熊本地震を体験されたのだそう。揺れが続く中、自分のことよりも熊本城が落ちないことだけを祈っていたのだそうです。また、再建されていく熊本城は復興のシンボルとして地域の人々の心の支えになっていたのだとか。その時に、いかに熊本城が愛されているのかということを知ったのだそう。その経験からも、この小倉城が第一のふるさとの城のように愛される城になってほしいと語っていました。

熊本からやってきた赤忍者に話を聞いたら、小倉城や北九州のことがもっともっと好きになりました。

(北九州ノコト編集部)

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