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【ファンファン北九州#34】北九女子一歩会 西本祥子さん<後編>

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

なぜひきこもりの支援を?役所時代の経験が今の活動に繋がっている

甲木:横山さん。先週は、ひきこもり女子のお話でしたね。ひきこもりの女性が社会に見えづらいっていうのはちょっと衝撃でしたね。

横山:女性の方が少なくて、男性の方がひきこもっているということではないんですよね。

甲木:ですよね。それを、調査から活動に繋げていらっしゃるんですよね。ということで、先週に引き続き、北九州市でひきこもりの女性の支援をしている北九女子一歩会 西本祥子さんをゲストにお招きしお話を伺います。よろしくお願いします。

西本:よろしくお願いします。

甲木:先週は、西本さんとメンバーの皆さんが、女性のひきこもりは男性に比べて社会に見えにくいということで、「北九女子一歩会」を立ち上げたお話や活動内容などお聞きしました。今日は、なぜ西本さんがその活動に、どんどん力を入れていったのかという話を伺いたいんですけど。そもそも西本さんと私って、西本さんが現役で市の職員をされていた頃から存じ上げておりまして。

西本:大変お世話になりました。

横山:かれこれ何年なんですか?

西本:在職中からですね。

甲木:だから10年ぐらいになりますか。私たちのイメージでは、(西本さんは)働いているときは子育てをして、介護もしてすごい大変だったんですよ。(退職して)ようやく悠々自適の老後が待っているだろうと思ったのに、なぜ今またこういう活動を一生懸命なさっているのでしょうか?

西本:あのー、本当に仕事が終わって解放されました。「終わったー!」という感じで嬉しかったですね。

甲木:でも、それだけじゃなかったんですよね?(笑)

西本:やっぱりずっと仕事をしてきたせいか、何かやっていないと物足りないのと、私が生きている「社会」に非常に関心があって。好奇心が旺盛なのかもしれないんですけど。それで振り返ってみると、先週申し上げたように、支援機関に繋がる女性が少ないということで調査をしたら、今度は求めて頂けるのなら活動しようということで今に至ります。

甲木:なるほどですね。そうやってお聞きすると、やはり役所時代の「支援機関に繋がる人が少ないな」という経験を元にした活動ですよね。

西本:多分、仕事をしていなかったら、さほど問題意識を持たなくてのんびり暮らしてたと思うんですね。過去の積み重ねのおかげで今がある。仕事しているおかげで、今の活動に繋がったと言えると思います。

甲木:結構、現場が長かったんですか?福祉とか女性活躍とか。

西本:そうですね。私が恵まれていたのは、現場の仕事もかなり経験させてもらって、それから管理部門の仕事も両方させていただいたというのは非常に恵まれたと思います。そういうことが少し繋がっていって、今の調査する時に役に立った。

アンケート調査で驚いた自己分析力

甲木:以前、西本さんが仰ってたんですが、ひきこもりの方たちは非常に深くものを考えていらっしゃる方が多いから、お話に来られた時に、いろんな話が聞けるということを言ってましたよね。

西本:そうですね。一番感じたのは、アンケート調査の時に、自由記載欄にすごく書いてるんですよ。自分を分析したり、内面を深く考えるっていうのはやっぱりすごいなと感じて。

横山:発信したい気持ちもあるんですね。

西本:私なんかは目の前のことにさらっと流されていきますけど、結構たくさんの時間があるので、やはりゆっくりきちっと考えているのは、アンケート調査のときに少しびっくりしました。

支援者ではなく当事者として

甲木:こちらもそういう深い考えの人と向き合うこともあるので、やはりお勉強も?

西本:そうですね。私たちは支援者というよりは、親子の関係を(相談者が)お話になったりすると自分の子育てを考えたり、そういう意味では自分たちも当事者という感じなんですね。そういう時に気づきをもらえたり。自分が出来る経験って少ないですよね。だから、いろんな方とお会いする中で、反っていろいろ気づきがあります。

横山:「支援者」っていう言葉になるんでしょうけど、そんな気持ちでもない。

西本:だんだんそういう感じになってるんですよね。どちらが支援者で、どちらが当事者なのか。本当は、仕分けをしないといけないのかもしれないけど、教えてもらうことも結構多いというのは実感としてありますね。

甲木:なんかすごく謙虚ですよね。普通は、やっぱり「ボランティア無償でやってます」といって、ついついしてあげてる感が出ますけど、全然そういう感じがないですよね。

「女子会」が市内各地に増えたら・・・いろいろな選択肢を

甲木:西本さん、これからさらにチャレンジしたいことってありますか?

西本:「北九女子一歩会」というのは小さな会なんですよ。悩みを抱える女性たちの居場所が市内にたくさんできればいいなと思います。調査していると、支援機関も医療機関も(自分に)合う・合わないがあると書かれてるんですよ。そういう合う・合わないを選ぶことも必要だと思うんですよね。そういう面では、いろんな「女子会」ができて、「北九女子一歩会」が合わない人は他に行ってみようとかできれば良いなと思うし、もし女子会を立ち上げたいという方がいれば応援していきたいですね。

甲木:選択肢が増えれば良いですよね。素敵ですね。

横山:青臭いようなことを言うようなんですけど、やっぱりラジオって多くの人に聞いてもらいたいと思ってやってますが、今日に関しては、一人でいいから誰かの背中を押せるような回になったら良いなと思いました。

甲木:このラジオを聴いてくださっている方が、来週とか来月、足を運びたいと思ってくださるかもしれないですよ。もう一度、集まりの場所と時間をお願いします。

西本:毎月第3土曜日午後、生涯学習総合センター(小倉北区大門)で「ひなたぼっこ」を開催しています。ツイッターもやっていますので、「ひきこもり女子会in北九州」と検索してください。

〇ゲスト:西本祥子さん(北九女子一歩会)

〇北九女子一歩会 ひなたぼっこ

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、横山智徳(同)

(西日本新聞社北九州本社)

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