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ロケット打ち上げるぞ!我ながら青春してるな/九州工業大学 工学部 宇宙システム工学科・畠山雄樹さん

(アイキャッチ画像:畠山雄樹さん)

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

日本初「宇宙システム工学科」

甲木:おはようございます。西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。

梁:同じく、西日本新聞社 梁京燮です。

甲木:梁さんは「宇宙兄弟」を読んだことありますか?

梁:はい。もう大好きで、マンガを読み、アニメを見て、実写版の映画も見ました。中でもマンガが好きで、単行本が出て、読み終わったらもう泣いていました。だから一人で読むようにしていますね。

甲木:今日のゲストはまさに、「宇宙兄弟」が大好きで、今、宇宙に関連したことを勉強している方です。この番組始まって以来、初めての大学生です。九州工業大学・工学部・宇宙システム工学科の畠山雄樹さんです。よろしくお願いします。

畠山:よろしくお願いします。

梁:よろしくお願いします。

甲木:畠山さんは今ちょうど3年生になられたんですよね。いよいよ専門分野を学んでいかれると思いますが、宇宙システム工学科っていったい何を勉強するところなんでしょうか?

畠山:まだ2年間しか大学に通っていないので偉そうなことは言えないんですけど、宇宙工学に関する、飛行力学やいろんな専門知識、システムエンジニアリングやプロジェクトマネジメントとか全体的なことを学べるような、特色がある学科で僕は今学んでいます。宇宙に特化した「宇宙システム工学科」があるのは九工大が日本初で唯一です。「航空」が付く宇宙系の学科は他大学にもありますが、宇宙に特化していることが結構珍しいです。 (宇宙システム工学科→https://www.space.tobata.kyutech.ac.jp 学科概要:https://www.space.tobata.kyutech.ac.jp/introduction/outline/

甲木:そうなんですね。大学側はもっと宣伝してもよいかもですね。

梁:全然知りませんでした。

甲木:九工大がロケットの何かをやっていることは知っていましたが、学科が唯一だったとは…。すごいですね。…畠山さんを見ていると、学生とは思えないほどしっかりしていますね。

梁:そして、ものすごく好青年ですよね。

畠山:あまり褒められなれていないので、照れてしまいます。

目標は、学生世界一のロケット到達高度

甲木:そのしっかりしておられる畠山さんがPM、プロジェクトマネージャーをされているということですが、どんなプロジェクトのPMをされているのか説明していただけますか?

畠山:はい。はりきって説明させていただきます。僕はハイブリッドを用いて、学生ロケットの世界到達高度を塗り替えようっていう…。

梁:ちょっと、ちょっと待って。(笑)

畠山:簡単に言うと、(ハイブリッド)ロケットを打ち上げようというプロジェクトです。

梁:やっと解りました。(笑)

畠山:ただ打ち上げるのだと、学生ですし途中で目標を見失って「もういいや」って人たちも出てきてしまうので、「学生の世界最高到達高度を乗り越えよう」という目標を立てました。ところで甲木さんは、学生のロケットの世界最高到達高度がどのくらいかご存じですか?

甲木:ええっと、どのぐらいでしょう?…100kmぐらい上がるのでしょうか?

畠山:さすがです!今の時点で104kmです。

梁:おお、すごい!…104kmってどのくらいですか?

畠山:説によって違いますが、80kmまたは100km以上が宇宙空間と呼ばれるので…。

梁:いわゆる、大気圏の上…?

畠山:そんな感じです。

甲木:では、宇宙に行っているんですね?104kmなので。

畠山:そうです。南カリフォルニア大学がいま、世界最高到達高度を保持しています。なので、この大学を超えるべく立ち上がったのが、僕たちのカーマンプラスというプロジェクトです。

甲木:超えてほしい!

畠山:学生ならではの和気あいあいとした雰囲気で、ロケットを打ち上げるぞという大きな目標に向かって試行錯誤していますが、我ながら、「青春しているな」とは思います。

甲木:いいですね~。社会人ではそうはいきませんからね。すぐ結果を求められますからね。

梁:ドライですからね。

甲木:いいですよね。仲間同士の横のつながりみたいな。

畠山:そうですね。横も縦もあるので。そこは学生ロケットの一番の良さかなとは思っています。

甲木:学生には女子もいるんですか?

畠山:それが最近やめてしまって…。あらたに新入生をスカウトに行きたいですね。(2022年現在は、女子3名加入)

梁:是非是非。ここで募集しちゃってください!

甲木:九工大は人工衛星の打ち上げが世界一とかって聞いたんですけど、本当なんですか?

畠山:そうなんです。僕も受験のときに初めて知り、今も北九州に住んでいる皆さんや、九工大生でも知らいない人がいるくらいですけど、実は小型人工衛星の打ち上げ数が4年連続世界一なんです。 ※大学・学術機関における小型・超小型衛星の運用数で世界1位を獲得(「Bryce Space and Technology」(米国バージニア州)が発行したレポート「Smallsats by the Numbers 2022」調べ)

甲木:すごいですよね。全然知りませんでした。

畠山:小型人工衛星は世界一なので、ロケットを作っている僕たちもそれに続いて世界一を獲れればという気概でやっています。

梁:なるほど。世界一のロケットで世界一の人工衛星を飛ばすんでしょう?

畠山:そうですね(笑い)

甲木:かっこいいですね!…こんな宝物のような大学が近くにあるなんで全然存じませんでした。非常にいい話をお聞かせいただきました。

梁:いやぁ、こんなにしっかりしている21歳、なかなかお目にかかれないですよね。次回は、僕も宇宙が大好きなので、もっと宇宙の話をしたいと思います。

甲木:今回は九州工業大学で学んでいる傍ら、ロケット打ち上げのプロジェクトマネージャーを務める(2021年度時点)畠山雄樹さんをお招きしてお送りしました。畠山さん、ありがとうございました。

畠山:ありがとうございました。

〇ゲスト:畠山雄樹さん(九州工業大学 工学部 宇宙システム工学科)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)

(西日本新聞北九州本社)

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