市指定史跡「春吉の眼鏡橋」は人気の川遊びスポット 建造の歴史は?【小倉南区】
北九州市が指定する指定文化財の史跡である「春吉の眼鏡橋」(小倉南区春吉)は、市街地まで流れる紫川の上流に位置し、橋の下は夏場の川遊びに絶好の場所です。
趣ある石造りの眼鏡橋は、どのような経緯で建造されたのでしょうか。
きっかけは少女の転落事故
眼鏡橋は北九州市内唯一の「石造二連アーチ橋」で、1919年に完成。とても趣のある雰囲気が漂います。
北九州市によると、1919年以前は板を渡しただけの簡単な橋だったそうです。しかし、1917年6月、子守をしていた少女が板橋を踏み外し、転落死してしまったことから、同じ事故が二度と起こらないようにと、地元春吉の人々が寄附金を出し合い、橋を建設したといわれています。完成したのは少女の死からおよそ2年後でした。
石材は、紫川の石が使用されたそうです。橋のたもとの石碑に、寄付者名と寄付金額などが刻まれています。
北九州市教育委員会が設置した案内板には、「貴重であり、かつての農村における庶民生活の一端を知ることのできる文化遺産である」と記されています。
夏は川遊びで人気のスポット
眼鏡橋はおよそ100年の月日の中で、手すりがつけられ、車も通れる橋となりました。
橋から河原に降りられる階段があり、夏場は川遊びを楽しむ人で賑わう場所となっています。
橋の周辺は、川の流れが穏やかで、一番深い場所で大人の腰あたりまでの深さです。浅い場所もあるので、安全面に配慮すれば、小さいお子さんも楽しめます(※川遊びをする場合は、必ずライフジャケットを着用するなど安全対策を行い、お子さんから目を離さないようにしましょう。また、天気の急変などに気をつけましょう)。
100年の歴史と、建設当時の地元の人々の想いを知ることで、一味違った眼鏡橋を堪能できるのではないでしょうか。
地元の方にとっては生活に欠かせない橋ですから、マナーはしっかり守りましょう。
(北九州ノコト編集部)