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知れば知るほど、尊敬と親しみ増す清張ワールド/「北九州市立 松本清張記念館」館長・古賀厚志さん

(アイキャッチ画像:ゲストの古賀厚志さん)

オカリナで松本清張の作品をPR

甲木:私にとって実は、古賀館長は高校の時の部活の先輩でもあり昔からの知り合いなのですが、どちらかというと音楽とか絵を描くのがお上手で、その方が文学漬けになり、少し意外な感じがしますけども、最近はオカリナを吹いていらっしゃるんですよね。

古賀:5年ぐらい前、若松区長在職中、いろんな所で講演をさせていただいておりましたが、なかなか自分のことを覚えてもらうことができませんでした。その頃たまたま敬老会があった時、「高齢者になっても、この若松(故郷)を子供たちに伝えていきましょうね」とオカリナをポケットから出して、“故郷”の曲を吹いたところ、皆さんが歌ってくださったんです。他の講演でも同じようなことをしたところ歌ってくださって、そこからオカリナにはまりました。

甲木:松本清張記念館でもオカリナを活用されているんですよね。

古賀:オカリナを活用して、清張さんの作品に結びつく童謡唱歌をピックアップしてプログラム化していくもので、現在20曲くらい作っています。

甲木:どのようなプログラムなんですか?

古賀:清張さんの“点と線”という小説がありますが、その小説は東京駅での4分間の空白がトリックになっているんですけども、当時、清張さんが芥川賞を受賞した後、家族を小倉に残し上京していました。その時に勤務していた所が朝日新聞の東京本社で、通勤途中に東京駅を通って通勤していました。東京駅には、今は無くなりましたが、“あさかぜ”という特急列車が止まっていまして、「あの列車に乗ったら次の日の朝、家族に会えるんだ」という望郷の念を感じたらしく、それが“点を線”の創作の原点だと言われていました。このような話しを紹介した後に“故郷”の曲を演奏すると、“点と線”を読んでみようかと思って頂けるのではないか、というような感じですね。

後世に伝えたいこと

甲木:なるほど、望郷の念と“故郷”ですね。聴覚からも清張さんの世界の情景を思い浮かべますね。職員時代は文学に携わっていなかったとおっしゃっていましたが、その時代の経験が今に生かされていますね。

古賀:ありがとうございます。清張さんと接することで、清張さんの生き様・考え方・人となりというのが、私の今後の人生にとって、大きな指針や励ましになります。この年齢でこういう勉強をさせて頂いたことがありがたいし、子どもたちにも伝えていかなくてはいけないと思います。先ほども申し上げた清張さんの生き様とか考え方とか、独学でどんどん学んでそれを生かす、このあたりはどの年代の人にとっても大事だと思います。そして清張さんのような方がいたということは北九州の誇りだと思います。

甲木:ありがとうございます。井上さん、お話を聞いていかがでしたか?

井上:そうですね。古賀館長のお話を聞いて松本清張の世界に入りやすくなりました。

甲木:本当にそうですね。今回は北九州市立松本清張記念館 館長の古賀厚志さんにお話を伺いました。古賀さんありがとうございました。

井上:ありがとうございました。

古賀:ありがとうございました。

 

〇ゲスト:古賀厚志さん(北九州市立松本清張記念館 館長)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、井上圭司(同)

(西日本新聞北九州本社)

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