社長をしながら、仕事はより高く、より広いステージへ/不動産中央情報センター 代表取締役社長・濱村美和さん
囲み枠a西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。
社長業をしながら、40歳を過ぎて2年間大学院に
甲木:おはようございます。西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。
梁:同じく、西日本新聞社 梁京燮です。
甲木:先週の濱村美和さん、お父様の後を継いで社長になられたお話、良かったですね。
梁:良かったですねー。
甲木:お父さんがすごいなあと思ったのが、娘のことをよく見てるし、なるべくして濱村さんは社長になられたんだなと思いました。濱村さんの会社に行ったら、お父様が使ってらしたノートとか筆記用具とか、展示されてるんですよ。梁さんもぜひ一回、会社見学に行ってほしいです。創業者の精神とかすごく感じるんですよ。それではゲストをお呼びしましょう。今週は先週に引き続き、北九州市小倉北区の不動産会社 不動産中央情報センター 社長 濱村美和さんをお迎えしてお話を伺います。濱村さん、よろしくお願いします。
梁:よろしくお願いします。
濱村:よろしくお願いします。
甲木:先週は、濱村さんがお父様の後を継いで社長になって、改革した部分と、お父様の遺志を継いでらっしゃる部分についてのお話を聞いたんですけれども、実は濱村さんは社長業をしながら大学院に行かれたんですよね。
濱村:そうですね。
甲木:何歳の時でしたか?
濱村:40歳過ぎた頃ですね。2014年から2年間、山口大学大学院の技術経営研究科というところで学びました。40歳過ぎるときに、それまでの私の会社の中の目標は、経営を安定させて、事業を安定させ、会社を成長させるということだったんですけど、お陰様でいろんな方のお力を借りながら、会社の事業が落ち着いてきた時に、自分の次の目標を見つけないといけないと思ったことと、事業環境も変わり、入社をしてから、社長に就任させていただいて、どっぷり長時間不動産業界の中で働いてきてたので、全然違う世界を見たいという気持ちもあり、また今の自分の器のままでは、これからの不動産中央情報センターの社長を担っていくことができないんじゃないかという危機感もあり、試験や面接を受け、論文を書き、2年間通わせていただきました。
甲木:ご自身の会社の経営だけされていては絶対見えない景色や、世の中の人がどんな意識で、働いてるか知りたかったということですね?
濱村:そうですね。勤めてる方ならではの悩みを聞いた時に、「うちの社員も同じことを思ってるんじゃないかな」とか、人を通して違う視点で、自分の会社や自分のことを俯瞰的に見れるというのは、すごく貴重な機会でしたね。
業界団体で複数の要職
甲木:濱村さん今度は、ご自身の会社の経営だけではなくて、不動産業界の団体の役員みたいなこともされてるんですよね。
濱村:はい。父が生きていた時に、当時まだインターネットもなかった時代で、みんなで業界を良くしていこうということで業界団体が立ち上がりました。賃貸管理の主な3団体がありまして、“日管協・全管協・ちんたい協会”ですが、そこの立ち上げに関わっていたところもありまして、その流れを次いで私も今、役をさせていただいています。その中の日管協というのは公益財団法人で、全国の管理会社さんが主な会員さんで、今、2300社ほど入られている団体があるんですけど、そこの副会長と九州支部責任者と、レディース委員会という女性部会の本部の委員長と九州の責任者をさせていただいてます。
甲木:すごくたくさんの、お役目をされてるんですね。
濱村:そうですね。役員の人数も、だいぶん女性比率が上がってきましたけど、私の上の方は女性で70代の方とかなんですよ。私の間の50代世代がいなくて。30、40代で後を継いだとか、これから後を継ぐという女性が今、増えてきてますが、絶対数が足りないっていうところもあって、どうしてもお役が1人に集中してしまうというところがあります。
甲木:やっぱり団体でも女性の意見というのは、多様性の時代と言われてるから、大事ですからね。
女性の参加が増えることで、見過ごされてきた課題がテーマに上がる
濱村:女性が一定数参加することで、見過ごされてきた課題がテーマに上がるというのもありますし、私も緊張することもありますが、前に出てなるべく発言をしています。どの組織でも女性が前に出て発言をするとか、責任ある役職を担うということはとても大事で、さまざまな視点の課題をテーブルにあげていくことはもちろん、その存在が次の世代の人たちに向けての力強さやメッセージにつながると思いますので、今、役員をさせていただいているということもありますね。
甲木:あとは、不動産業界と離れて、例えば北九州市の審議会とか、そういうところにも携わっていらっしゃったり、講演を頼まれたりとか、対外的なお仕事もたくさんされていらっしゃいますね。
濱村:はい。私が就任させていただいた時に、ある先輩の経営者の方から、企業は”人・物・金・時間・情報”の5つの経営資源を使って運営していると。北九州のような人口減少の街になった時に、自社の経営資源だけではなくて、地元の民間企業とか行政とか学校とか、いろんなところがお互い連携して、お互いの経営資源をうまく活用して、北九州市でしかできないことや、ここにしかないサービスを作っていくことが大事だと言われたことがあって、そこをすごく共感していまして、そういった市の審議員とか、お声がかかったときは、本業とは関係ないかもしれませんが、受けさせていただいています。
息抜き方法いろいろ 旅にもやっと行ける
甲木:本業だけじゃなくて、いろんなところで北九州のために動いてくださっているので、お忙しいと思うんですけど、息抜きとかする時間ありますか?
濱村:そうですね。コロナが落ち着いてきて、時間に追われることが多くなってきたので、日常生活の中で、自分なりのリセットボタンみたいなものを持つようにしています。朝会社に行くとき空を見上げたりとか、お気に入りのハンカチを持って行くとか、あとは旅ですかね。やっと出られるようになりましたので。
梁:またタイに行かれたりされるんですか?
濱村:そうですね、今のうちに欧米やもうちょっと遠くに行きたいですね。
梁:学びの多い2回の放送でした。講演を聞いてるんじゃないかなと思うぐらい、いろんな気付きがいっぱいありました。
甲木:経営者としても素晴らしいけれども、私たちのような会社に雇われている人間としても、すごく参考になる話がたくさんありました。先週、今週と2回に渡り、不動産中央情報センター 代表取締役社長の濱村美和さんに、お話を伺いました。濱村さん、ありがとうございました。
梁:ありがとうございました。
濱村:ありがとうございました。
〇ゲスト:濱村美和さん(不動産中央情報センター 代表取締役社長)
〇出演:甲木正子、梁京燮(西日本新聞社北九州本社)