大正のおもむきが残るステンドグラスの天井「上野海運ビル」【北九州市若松区】
JR若松駅から徒歩約5分、若戸渡船の船着場からだと徒歩1分の場所、北九州市若松区の南海岸通りに建つ「上野ビル(上野海運ビル)」。旧三菱合資会社の若松支店として、大正2(1913)年に建設された建物群です。
今もなお建設当時のおもむきが強く残り、国の有形文化財建造物、また「関門“ノスタルジック”海峡」を構成する文化財の一つとして日本遺産にも登録されている「上野海運ビル」についてご紹介します。
ドイツから輸入した煉瓦を使用
上野海運ビルが現所有者である上野海運株式会社のビルとなったのは、昭和44(1969)年のことです。建設から昭和44年に至るまでは旧三菱合資会社の若松支店として使用され、大きな改装をせずに建設当初の姿を伝えていました。
上野海運ビルは建物群であり、本館・倉庫棟・旧分析室・門柱・塀からなっています。設計は旧三菱合資会社の建築部門の責任者であった保岡勝也によるものです。
1階正面玄関の増築、看板部分の改造が行われたそうですが、壁や窓の周りは補修されておらず、建設当時のまま残っています。
開放感あふれる吹き抜けの天井
現在本館には事務所のほかにカフェやアトリエなどのテナントが入っており、一般の人も出入りすることができます。
また、撮影などのロケ地としてもよく利用されており、若松を象徴する観光スポットの一つともなっています。
外観だけでもおもむきを感じますが、見どころは何といっても2階、3階部分の内装! 3階まで吹き抜けた天井はとても開放感があり、どこか異国の雰囲気を感じさせます。
また、天井を見上げるとステンドグラスが敷き詰まっており、そこから入る自然光によってビル内の雰囲気は一層明るくなっています。
■所在地/福岡県北九州市若松区本町1-10-17
■入場料/無料
■参考:上野ビル公式 テナント募集サイト|北九州市若松区 事務所・店舗の物件案内
※2022年11月23日現在の情報です
(ライター・abc.hikari)