「曽根臨海公園」人気の秘密は360度の絶景パノラマビューにあり?【北九州市小倉南区】

(アイキャッチ画像:曽根臨海公園からの景色)

今年5月にグラウンドや管理棟、駐車場などの共用が始まり現在全面的にオープンした「曽根臨海公園」(北九州市小倉南区大字曽根3167-2)。

北九州ノコトの「2022年度もっとも注目された公園ランキング」でも3位に入るなど高い支持を得ている同公園。その理由を探るべく調査してきました。

(管理棟と駐車場前の広場:背後には企救山地)

各施設の特徴を紹介 グラウンドや野鳥観察デッキも

曽根臨海公園は、2021年3月31日に供用開始された市道「湯川飛行場線」の延長部分のつきあたりに位置しています。「恒見朽網線」との交差点「中曽根東5丁目」を過ぎたあたりから上り勾配で高台にあるため、周囲が360度見渡せる絶景スポットでもあります。

(子供たちに人気の遊具の上からは南にある貫山の全体がさらによく見える)

まず目につくのは、大きな白鳥を模したような遊具です。一番上にある展望台からお母さんを呼ぶ子どもや、いろいろな形をした滑り台を楽しんでいる姿が見えました。

遊具が見える場所にひさしのある東屋や椅子があるので、子どもが遊んでいる様子を見守ることができます。

(球技場の先に見えるのは足立山)

足立山方面のグラウンドは、ソフトボール・軟式野球のフィールドが同時に4面使える広さあります。ナイター設備はなく、午前9時から日没まで利用できます。

暑い夏には欠かせない、屋根付きのダグアウトも完備されています。

グラウンド横には海が見えるウォーキングコースが広がっていて、トイレも設置されているので安心です。

コース上は歩きやすいように赤くラインが引かれていますが、これはただ赤いだけではありません。

よく見ると、衝撃を和らげるような素材で、アスファルトと違ってゴツゴツしておらず、脚力に心配のある人でも歩きやすそうです。

(正面は間島。曽根干潟の堤防胸壁にアクセスでき、海岸沿いを散歩することもできる。)

東の海岸方面を見ると、正面に曽根干潟のシンボリックな神様の島「間島」が見えます。この場所から「初日の出が見えるのでは?」と思いましたが、残念ながら夜間や早朝は閉場しています。

階段を降りると防波堤に沿う道につながり、そのまま海岸沿いを歩くことも。

(公園の南東にある野鳥観察デッキ、ちょっとしたステージにもなりそうな広さ)

当初、この一体は沿岸にできる「恒見朽網線」との緩衝地帯に計画されていましたが、災害時の避難場所などを考慮し公園に。

階段横には海に向かって野鳥観察デッキが設置されています。環境省の生物多様性保全の観点から重要度の高い湿地(重要湿地)に指定されている曽根干潟。

春や秋の渡り鳥、干潟で越冬する海鳥たちの種類や数が多いうえ、カブトガニなどの絶滅危惧種が生息する貴重な干潟となっていて、高台から観察できる貴重なフィールドワークの場だと思いました。

ウォーキング以外に健康づくりができる施設も。北九州市ではよくこのような健康器具を見かけますが、説明板をよく見ると「北九州市オリジナル健康広場」と書いています。

専門家が監修し、日々の健康づくりに役立てられるようにと作られたそう。高齢化が進んでいる北九州市独自の取り組みが見えますね。

公園の管理棟も運営や事務室だけではなく、ギャラリーホールや会議室、ボランティア室など、スポーツ以外の目的としても活用できます。

おそらく非常時に避難場所となった時の事も想定しているのだと思われます。

ギャラリーでは曽根地区の歴史や干潟の生き物についての説明もあります。

(環境省レッドデータブックに指定されているカブトガニの標本)
カブトガニの標本も展示していました。
(気象学者の藤田哲也先生もこの曽根の豊かな自然の中で青春時代を過ごした)

曽根出身の偉人である藤田哲也先生の足跡も展示しています。

入口ではギラヴァンツ北九州のマスコット「ギラン」と一緒に写真が撮れます。曽根干潟に見られる「スグロカモメ」が元となって生まれたキャラクターなので、実は曽根地区出身なのだそう。

自然豊かな曽根干潟に臨む場所にある「曽根臨海公園」、どこを見ても山や海などが見渡せる全方位パノラマビューの公園で、高い人気が集まった理由がよくわかりました。

※2023年12月27日現在の情報です

(ライター・いるかいる)

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